Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

2023年から2024年へ

2023年のテーマは「束ねる」でした.調和のとれた状態がバラバラにならないように,ほどけない1本の強いロープにするというイメージです.2022年までゆるく広がり,あいまいになりかけていたさまざまなものごとを引き締める機会になりました.

●相模原キャンパスの様子

相模原キャンパスの感染症対策は大幅に緩和されていて,1年生対象の一部の科目がオンライン授業になっている他は,2019年度までと同じように,大学で授業を受けるしくみに戻っています.


4月上旬のオリエンテーションや履修登録などはコロナ禍にオンライン化されたしくみが改良されつつ続いています.
コロナ禍に電子化が進んだので,なんかあるととりあえず紙に印刷して配る文化は衰退しました.
2019年までLMSナシでどうやって大学教育がおこなわれていたのか,だんだん思い出せなくなってきました.


毎年恒例 七夕イベントもおこなわれました.


北里祭も2019年までと同じように開催されました.
昨年まで取りやめとなっていた模擬店も復活しました.


ハロウイーンイベントや,年末電飾も例年どおりにおこなわれました.


キャンパス内では校舎の新設工事が並行して進んでいます.旧A1号館跡地には,2023年に開設された未来工学部の校舎が建設中です.
未来工学部の学生は化学も化学実験も履修しないので,私が未来工学部の学生と教室で接点をもつのは,火曜前期5限の大学基礎演習だけです.
年々,学生が学ぶ科目も変わってきており,化学や化学実験を必修科目から選択科目に変えたり,まったく履修しなくなるコースも出てきました.

コロナ禍では新人獲得や活動継続が難しく,活動休止になってしまった団体もありました.
アイドルコピーダンスwinK♡もその一つで,2023年3月で10年間続いた活動が終了となってしまいました.
2月に最後のステージを見に行きました.
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オープンキャンパスも来場型に戻って2年目


相模原キャンパスの来場型オープンキャンパスは,2月19日(日)にオープンキャンパス番外編,3月12日(日)に第1回オープンキャンパス,6月3日(土)と7月1日(土)にミニオープンキャンパス,8月5日(土)と6日(日)に第2回オープンキャンパス,8月27日(日)に第3回オープンキャンパス,11月4日(土)と5日(日)に北里祭と同時開催で進学相談会がおこなわれました.
2023年度も北里キャンパスナビゲーターのメンバーが増えて,コロナ禍からの再起動,というより新活動開始はとてもうまく行っています.
毎月2回程度の頻度で「ナビ会」という名前の集まりを開いて親睦を深めています.
大学業務としてこの活動のお手伝いを始めて13年になります(2011年春から).
基本的になんか頼まれたら引き受けるという関係を続けています.
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学内BBQ場が再び使えるようになりました


感染症対策として2020年4月から使用停止となっていた学内BBQ場が再び使用OKになりました.
8月上旬に約4年ぶりにBBQをやりました.

●2023年度担当科目

担当科目は2018年度から変わっていません.

  • 医療検査学科「化学」,火曜3限,通年,11名履修,2018年度から担当
  • 医療工学科「化学」,水曜1限,通年,80名履修,2009年度から担当
  • 「化学要習」(高校「化学基礎」リメディアル),火曜4限,学部学科イロイロ,21名履修,2009年度から担当(途中開講時間帯変更あり),今年度が担当最終年度となりました
  • 「大学基礎演習」,火曜5限,学部学科イロイロ,22名履修,2011年度から担当(途中開講時間帯変更あり)
  • 「化学実験」,木金午後(6週ずつ分散),学部学科イロイロ,893名履修,2009年度から担当


化学実験全6テーマのオンライン化されたままになっている2テーマについて,1年間を通じて,リアルタイムのチャット対応を担当しました.
また,履修者893名の第5回実験レポートへの添削を担当しました.
2024年度は全6回が実習室での通常実験に戻る見込みです.4年ぶりに有機化学実験を担当する予定です.

●3冊目の書籍出版


11月に3冊目の書籍『医療・看護系のための やさしく学べる化学』が裳華房から出版されました.
出版社サイト内の解説ページ
2012年に化学同人から出版した『はじめて学ぶ化学』よりも,もっと基本的な内容になっています.
2冊の片方だけで扱っている内容の一例としては,次のようなものがあります.

「はじめて学ぶ化学」(2012)だけで扱っている内容
SI単位,イオン化エネルギー・電子親和力,質量モル濃度,モル沸点上昇・モル凝固点降下,α線・β線・γ線,核分裂
「やさしく学べる化学」(2023)だけで扱っている内容
有機化合物,高分子化合物

自然科学書の執筆依頼は基本的に引き受けており,2024年以降も出版予定のものがあります.

●論文と解説

英文論文1報と,和文解説2報を書きました.

  • Takahiko Nojima, Polymerase chain reaction-based biomolecular logic gate for NAND and NOR operations. Chemistry Letters, 52(8), 2023, 647-649.
  • 野島高彦,高等学校で身につけておきたいレポートの書き方,化学と教育,71(9),368-371.
  • 野島高彦,実験ノートの取り方,使い方と重要なポイント,ファームステージ,22(10),245-50.

実験研究は授業期間外に進めていて,次の論文に向けた実験にも着手しています.
和文解説は不定期にイロイロな執筆を頼まれ続けており,基本的に引き受けています.2024年も出版予定のものがあります.

●生活

担当科目のある曜日と,会議や来客のある日は大学に行き,そうでない日は自宅で仕事を進めるという日々が続きました.化学教育担当専任教員7名で仕事の分担を最適化した結果,化学要習のテキスト,スライド,動画の改訂を私が主に担当することになり,その作業環境が大学に無いので自宅で集中して進めています.2024年度以降に10年くらいは手直しすることなく使い続けられる教材を2023年度中に完成させる計画です.
他にも中高の探究学習に関連した解説記事執筆を依頼されたり,講義に合わせた計算問題集を作ったり,実験レポートみっちり添削といった仕事があり,早起きして暗いうちから仕事を始め,しばらくすると窓の外がだんだん明るくなって行く,という生活を続けています.

●健康

特に健康的な生活を送っているというわけでもないのですが,それなりに健康な毎日を過ごしています.ただし,2022年の暮れに節々が痛むので念のためにと思って近所の診療所に行ったら帯状疱疹の初期症状だと診断されて,薬を処方してもらってウイルスをやっつけながら年始を迎えました.この薬(バラシクロビル)は化学の講義で紹介してきたので,「おお! とうとう自分にコレを使うときが来た!」などと一人で盛り上がっておりました(アミド結合の加水分解).しかし予防接種を受けに行く日程を考えているうちに症状が出たのは不運でした.

あと,インフルエンザだったのかコロナだったのか不明ですが,9月の終わりに高熱が出たときがあって,熱が下がった後も2週間くらい声を出すのに不自由しました.声を出すのに困らなくなってからは,夕方になると精神のスイッチが切れたような状態になり,何もやる気にならなくなってしまうという日々が続いていました.コロナの後遺症なのかどうなのか不明です.すでに回復しました.
打てる予防接種はぜんぶ打つ方針で生きており,市から届く案内もしっかりチェックしています.

●買い物


2023年はイロイロと買い換えた年でした.
自動車,カメラ,iPhoneを新しくしました.
私は新しいのが出るとすぐに欲しくなるという性格でもないのですが,自動車は運転支援機構や安全機構がどんどん良くなるので,適切なタイミングで乗り換えて行くのが自分に合っていると考えています.今回は自動追従機構と,追い越し時の追突防止機構が追加されました.
カメラは10年前に買ったCanon Eos kissの買い換えです.ファインダーが明るく見やすくなりました.
iPhoneは5年ぶりの買い換えです.マスクをしていても顔認証できるようになって便利です.

●2024年


2024年春で,北里大学に着任して15年になります.
2024年のテーマは「積み上げる」です.日々,イロイロなことに取り組み,またイロイロなことを始めますが,全体として積み上がっていくものを組み合わせていなかいと途中で崩れてしまいます.2024年は何かを加えるとき,それによって取り組んでいるものごと全体が育つように組み合わせて行くことにします.

このブログを書いている人

www.tnojima.net

もう一つのブログ

www.takahikonojima.net