Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

化学要習2009

(12)酸化と還元II

全12回の「化学要習」最終日です.先週に引き続き「酸化と還元」を取り扱いました.酸化反応・還元反応についての復習をしつつ,KMnO4,H2O2, SO2を例に原子の酸化数の変化を追って行きました.そして酸化数の変化に基づく化学反応式の係数つりあわせを紹介…

(11)酸化と還元I

6月最終日.出席者は少し戻って27名. 酸化と還元 酸素原子を受け取る,水素原子を奪われる,電子を奪われる,酸化数を増やす,といった場合が「酸化」です.これの逆が「還元」です.酸化と還元は必ずセットで起きます. 酸化数 誤解されやすい概念の「酸化…

(10)酸と塩基 II

pHが出てきました.出席者数26名.天気予報によれば30℃を超える真夏日となる模様です. 前回のコメントへの解答 諸般の事情により次回まとめて紹介することにしました. 酸と塩基の価数 酸分子中のH+となるHの数が「酸の価数」,塩基分子が受け取ることので…

(9)酸と塩基I

中和が出てきました.ここがわかっていないとこの先,各種サンプル溶液をつくる作業に出くわしたときに困ったことになります.出席26名.欠席している十数名は酸廃液をアルカリで中和して捨てるなんていう操作をできるでしょうか. 前回のコメントへの回答 …

(8)化学式と化学反応式II

出席25名(出席シートの枚数).前回と同人数.今回は「熱」が出て来るところです.履修者41名のうち欠席している16名は「吸熱反応」と「発熱反応」を区別できているでしょうか. 今回は解説を50分程度で終わらせ,残りをフルに問題演習と解凍に充てました.し…

(7)化学式と化学反応式I

出席25名(出席シートの枚数).前回より5名減りました.この先,計算問題の解き方を含む演習がメインになってきます.ドロップアウトでなければ良いのですが.化学式の立て方などがわかっていないと専門科目を理解するときに困ったことになるでしょう. 前回…

(6)溶液の濃度

出席30名.また少し減りました.「もう化学要習なしでも化学を理解できる」というレベルまで成長した学生が受講をやめたのか,それとも「モル濃度とかイヤだし」という学生がパスしたのか. 前回のコメントへの回答 前回の出席カードの自由記入欄に書かれて…

(5)物質量

41名の学生が履修届けを出しているコースなのですが,今回の出席者数は32名.前回より4名減りました.出席者数が徐々に少なくなっています.化学要習で初歩的な化学を学ばなくても大学1年生の化学を理解するにあたっては問題ないと考えた結果ならよいのです…

(4)イオンと分子

新型インフルエンザに対する警戒態勢が続いています.一般教育部の建物玄関にも注意書きが張り出されています.しかし通常通りに講義や実習が行われています.今回の化学要習出席者数は36名.前回から一割ほど人数が減っています. 講義内容要約 原子は電子…

(3)元素の周期表

今回は元素周期表を配布し,そこに記されている内容に基づいて講義を進めました.39名出席.また数名の入れ替わりがありました. 講義内容要約 元素を原子番号に沿って並べ,適当なところで折り返してテーブルにしたものが元素周期表.一定の周期で性質の似…

(2)原子の構造

出席者数41名.受講生の入れ替わりがあり*1,先週より1名増えました.今回は原子の中身について考えました.原子を解体すると電子,陽子,中性子,になります.これらの組み合わせが変わると元素の種類が変わります. キーワード→原子核,電子,陽子,中性子…

(1)物質の構成

この世で大学ほど美しいものはない。なぜならそこは無知を憎む人間が知識を得るために努力し、真実を見たものがそれを広めようと努力する場所だからだ。 J. メイスフィールド 2009年度の「化学要習」がはじまりました.私が担当するのは火曜日2時間目(10:40-…

説明ファイルのチェックと教室下見

「化学要習」は化学を不得手としていたり,化学を高校で履修していなかったりする1年生のために用意されている選択科目です.卒業単位として認定されませんが,化学や化学に関係する専門科目を理解する際に求められる高校レベルの基礎化学を半年で学べるよう…