今回は元素周期表を配布し,そこに記されている内容に基づいて講義を進めました.39名出席.また数名の入れ替わりがありました.
講義内容要約
元素を原子番号に沿って並べ,適当なところで折り返してテーブルにしたものが元素周期表.一定の周期で性質の似た元素が現れることが特徴.
キーワード→周期律,周期表,第1イオン化エネルギー,電子親和力,典型元素,遷移元素,同族元素,アルカリ金属,アルカリ土類元素,ハロゲン,希ガス,金属元素,非金属元素,メタロイド(半金属元素).
講義の終わりにアルカリ金属と水との反応を紹介した動画を見せました.
講義を終えて
この部分はなかなか教え難いところです.どうしても単調な説明を続けることとなり,受講生の注意力を集中させておくことが難しいのです.
出席カードの自由記入欄から
今回はコメント記入をお願いし忘れてしまったのですが,1名が質問を書いてきました.
ハロゲン元素などに,アクチノイド系,ランタノイド系という所の元素はなぜ含まれないのですか? 元素はほとんど固体で,液体なんて2つしかなくて驚いた.
ランタノイド系の元素は,原子番号が増えて行く際の電子殻への電子の収まり方が,本日紹介した周期律に沿っていません.互いに化学的性質も良く似ています.そのため一まとめにしてBa(56番)とHf(72番)の間に押し込んであります.アクチノイド系についても同様です.なお,アクチノイド系の元素のうちNp(93番)からLr(103番)は天然には存在しません.そのため化学的性質がよくわかっていません*1.
常温・大気圧(25℃・1気圧)で液体の元素は臭素と水銀だけです.ただし地球を離れて別の星に行くと話は変わってきます.たとえば木星の中心付近では水素が液体状態で存在していると考えられています.
参考→http://www.planetary.or.jp/jupitar.html
次回予告
5月12日(火),第4章「イオンと分子」に進みます.
リンク
一家に一枚周期表→http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/week/shuki.htm
アルカリ金属と水との反応→http://www.youtube.com/watch?v=QSZ-3wScePM
YouTubeには化学反応の動画が多数収められています.「alkali metal」でキーワード検索をかけると世界中でドカンドカンと爆発させてにぎやかにやっていることがわかります.なお,フランシウム(Fr)の反応と称する動画も出てきますが,これはウソです.化学実験可能な量のFrを用意することはできないし,仮にできたとしてもFrは放射性元素なのでこんな実験をやったら実験者も撮影者も死亡していることでしょう.
2009年度化学要習
このブログを書いている人
*1:アクチノイド系やランタノイド系の元素が示す性質については高校化学および化学要習の範囲を超えています.化学や物理学を専攻する学生が専門科目として学ぶ範囲になります.