北里大学の学生による北里大学公式PRチーム「北里キャンパスナビゲーター」(略してキャンナビ)の活動を支援するっていう大学業務が15年目に突入しました(2011年春から担当してます).この間,キャンナビと私との関係も変化してきました.時代が変わったとか学生の気質が変わったとか私が年を取ったとかそういうのも少しはあるでしょうが,最大の理由は,団体としてのキャンナビが成長したからです.
ことの発端
そもそも私は,結成初年度(2010年度)のメンバーから,「北里大学のことを一人でも多くの人に知ってもらうためにインターネットの使い方を考えているから,ソーシャルメディアであるとかブログであるとかホームページ制作であるとか,ICT関連の仕組みと技術をイロイロ教えてほしい」と頼まれて,途中省略,大学から正式にそういうものごとを教える業務担当になったのでした(2011年春).
そのとき,大学のエラい人から,「キャンナビは,学生を教育する活動にもして行きたいので,ICT関連だけでなく,広く教育的指導もしていただきたい」というようなことを頼まれました.「そういうのもいいだろう,私はそもそも教員なんだし」と考えていました.
最初はいろいろ教えていた
それで,結成から2年目,学生で運営するって言い出したばかりのキャンナビに,htmlの仕組みとか,QRコードの作り方とか,短縮URLの仕組みとか,検索エンジンの仕組みとか,各種ネタ探しの方法とかを教えつつ,もっと基本的なものごとも教え始めました.説明するのにも順序があるとか,なんか教わったら仲間に共有しろとか,〆切を決めないと作業は永遠に終わらないとか,うまく交渉したければ自分の都合だけ要求するなとか,たまたま居合わせた者だけで多数決を取るなとか,仲間を集める前に運営方針を決めておかないと揉めるとか,ピンチなときほど早く助けを求めろとか,車輪の再発明をするなとか,ぜんぶ作業ログを残せとか,そういうの.他には,揉めてる人々を個別に説得したり,バクハツしてる人をなだめたり,他団体とぶつかったのをモミケシに行ったりもしました.初期の代表・副代表が団体運営体制づくりに奮闘している間,私も私で喜怒哀楽が混沌とした集団に対応する日々でした.
しばらくすると対等な関係になった
そういう混沌とした状況も,キャンナビの運営が順調に進むようになると解消されました.成長した彼らはものごとを継承するようになり,自主的に考え学ぶようになり,私が一方的に何かを教えることはなくなりました.キャンナビと私とは,対等な共同作業者のような関係になりました.ホームページのhtmlを一緒に編集したり,各種オンラインサービスの相互接続を考えたり,各種ルーチンワークの電子化を考えたり,年々規模が大きくなって行く団体を上手に運営していくための仕組みを考えたり,そういうのをいろいろやりました.創造的な日々でした.
そして主従関係が逆転した
キャンナビが成熟期に達した頃,私たちの関係は,初期と逆転していました.成長した彼らは,学んだものごとを自主的に改良しながら継承し,自分たちで安定して大規模団体を運営していました.私はというと,彼らから何か頼まれたら対応する,という立場になっていました.
当時はLINEとかTwitterのDMとかで,
「明日の18時から1年生のスライドショーのリハーサルやります.時間空いてますか?」
「空いてます.行きます.」
とか
「Webチームが更新したhtmlとcssがあるので大学サーバーにFTPしてほしいのですが」
「ファイル一式zip圧縮してメール添付で送ってちょうだい」
とか
「プレゼンテーション講座とSNSリテラシー講座を組み合わせて60分にして来月2回目のミーティングでお願いします」
「はい.適当にアレンジしておきます」
みたいなやりとりをしていました.
別に彼らとの関係が希薄になったわけではなく,むしろお互いのことがよくわかっているので簡単なやり取りだけで済むようになっていたのでした.
熱量はあるものの混沌としていた団体が,時間をかけて成長し,理性によって運営される秩序ある団体に成長したのです.その過程を近くで見ることができたこと,その成長にそれなりに貢献できたことを私はとても嬉しく思っていました.
私はいろいろ教えました.それなりに貢献したつもりです.しかし,それ以上に多くのことをキャンナビから学びました.このことに感謝しています.
これが,2019年度までの成長のストーリーです.
いったん崩れ去った
コロナ禍のロックダウン2年間(2020年度・2021年度)で,それまでに時間をかけて高く積み上げられてきたものごとが崩れ去りました.2022年春,2年ぶりにキャンナビの活動が再開となることが決まったとき,私は,初期キャンナビの混沌とした日々を思い出し,またあの状態からやり直しになるのはイヤですホントもうユルしてください勘弁してください,というのが正直なところでした (※人生で一回やれば十分ですよああいうのは).
しかし,キャンナビが時間をかけて成長して行った過程を私は覚えているし,その過程にそれなりに貢献したわけだから,この経験によってキャンナビを再出発させ,再び発展させることに貢献できるのではないか,とも考えました.そのようにポジティブに考えることができたのは,キャンナビ卒業生のみなさまのおかげです.お礼申しあげます.
未来の姿でやりなおせばいい
活動を再開するにあたって,とても良い代表・副代表がみつかりました.コロナ禍においても入団してくれていた2年生・3年生,新しく加わった1年生もいました.コロナ禍前の活動を体験している4年生以上(※6年制コースがある)も忙しい中,キャンナビ再出発を助けに来てくれました.3年ぶりに開催となった来場型(2年間オンライン開催でした)オープンキャンパスも無事に終了し,オープンキャンパス番外編(キャンナビ主催の人数限定小規模オープンキャンパス)も強い意志のもと来場型に戻しました.こうしてキャンナビは再稼動しました.
2022年の再稼動がら4年目となる2025年度は,2年生5人組が代表・副代表となり,昨年度の代表だった3年生がしばらくサポートする計画になっています.キャンナビは再び成長して行くと私は信じています.どのような形に成長して行くのかは全く分かりませんが,私は,コロナ禍ロックダウン直前の姿を目指す必要はないと考えています.あれはあの時代において最良の姿だったのです.未来のキャンナビは別の姿の,もっとよいキャンナビを作ることでしょう.今後もキャンナビの応援をよろしくお願いいたします☆
リンク
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