Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(23)酸素を含む有機化合物その2

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果物の香りの主成分はエステル類です.さまざまなエステルが果物に含まれており,分子構造のわずかな違いが香りの違いとなっています.

キーワード

アセチル化,エステル,エステル化,エステル交換反応,けん化,酸無水物,脂肪酸,生分解性ポリマー,せっけん,二量体,フィッシャーのエステル合成,不飽和脂肪酸,プロドラッグ,飽和脂肪酸,油脂

講義内容要約

  • プロドラッグと生分解性メディカルポリマーに応用されているエステル結合
  • カルボン酸とアルコールの脱水縮合でエステルが得られる
  • 同位体を用いた実験でエステル合成反応機構を探る
  • フィッシャーのエステル合成反応のしくみ
  • エステル交換反応
  • 酸無水物とアルコール(またはフェノール)から不可逆的にエステルを合成する
  • 油脂とセッケン
  • 人体に必要な脂肪酸
  • エステルのポリマーがポリエステルで,PETはその代表的な化合物
  • 生分解性ポリエステルの医療への応用
  • 酸素を含む有機化合物の水素結合
  • エステル結合をもつプロドラッグ
  • エステル交換反応の応用:バイオディーゼル,PETボトルのリサイクル
  • フルーツの香りとエステル

今回の講義および事前配付自習資料に出てきた有機化合物で,構造と名前が対応できなければならないもの

アセチルサリチル酸,アセトアルデヒド,アセトン,安息香酸,エチレン,エチレングリコール,エタノール,ギ酸,グリセリン,o-クレゾール,m-クレゾール,p-クレゾール,酢酸,サリチル酸,サリチル酸メチル,ジエチルエーテル,シュウ酸,乳酸,フェノール,2-プロパノール,ポリエチレンテレフタラート,ポリグリコール酸,ポリ乳酸,ホルムアルデヒド,無水酢酸,メタノール.

質問

  • 有機のオススメの勉強法ありますか?

とりあえず有機化学に限らず次の2点をめざすところから始める.

  • すべての用語を自分の言葉で説明できる
  • すべての用語に関して具体的な例を挙げて説明できる

有機化合物に関しては次の3点をめざすところから始める.

  • 覚えなければならない化合物の名称と構造を覚える
  • それら物質の,他物質との関連を覚える
  • それら物質の利用法や存在箇所(体内とか食品とか薬品とか)を覚える

コメント

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  • フィッシャーのエステル反応を通して電子の動きから化学反応のメカニズムを理解するのが容易になった実感を持てた.
  • 電子とイオンの流れを意識することで分かりやすくなった.
  • アルコールとカルボン酸の脱水によりエステルが生成する反応を見て,カルボン酸のOHとアルコールのH,カルボン酸のHとアルコールのOHのどちらから水が生成するのかを決めるのに質量分析法を基に考えるのは初めて知った.
  • 同位体を使った分析は様々な分野で応用できると思った.
  • 生分解性ポリマーやエステル結合の入った薬が医療に使われていて便利だと思った.
  • 山の中にペットボトルや缶などが捨てられて分解されずに残ってしまい問題になって生分解できる素材で作るという話をどこかで聞いた.
  • エステルがこれほどすごいものだと思わなかった.
  • 酪酸めちゃくちゃ臭いのに何かとくっつくといいにおいになるなんて詐欺.分解したらくさいなんて・・・.
  • エステルのあたりは高校の時も好きな分野だったので楽しかった.
  • 高校でやった範囲なのにけっこう忘れているので復習がんばります.
  • リノール酸とかリノレン酸とか体に必要な栄養を全て取るのって結構大変そうだし食費がかかりそう・・・・
  • 不飽和脂肪酸の問題が好きだったが,一部しか知っていなかったと思った.
  • スムートの人,来なくなりましたか?
  • スムート係,最近朝起きれない・・・・
  • 有機楽しい
  • 有機ムズいです.
  • 難しいけとがんばりたいです.
  • 有機が苦手で復習することがたくさんあるので処理頑張ります.
  • 板書を写すのに必死になってしまいます.
  • この授業受けると腹が減る
  • 良いコメントが思いつきませんでした・・・
  • 先生カッコイイです
  • 特にないです
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次回予告と準備学習

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ベンゼン環を含む有機化合物について学びます.高校化学で学ぶ内容を超えた範囲も扱います.必ず配布物で必ず予習し,理解できない点について講義で学ぶやり方をすること.

参考書籍

マクマリー有機化学(中)第9版

マクマリー有機化学(中)第9版

  • 作者: John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2017/02/12
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
↑「21 カルボン酸誘導体:求核アシル置換反応」
マクマリー有機化学(下)第9版

マクマリー有機化学(下)第9版

  • 作者: John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2017/02/27
  • メディア: 単行本
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↑「27 生体分子:脂質」
有機電子論解説―有機化学の基礎

有機電子論解説―有機化学の基礎

↑「10章 カルボニル基の反応」

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