誰も教えてくれなかった実験ノートの書き方 (研究を成功させるための秘訣)
- 作者: 野島高彦
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2017/07/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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筆者は1990年度から1992年度までアミノ酸やペプチドの銅(II)錯体とDNAとの相互作用を研究テーマにしていました*1.
このうち,修士論文研究の実験ノートの中から,本書で紹介した実験記録方法の例を紹介します.
なお,ここで紹介する実験ノートは,本書を執筆する四半世紀前のものなので,本書でおすすめしている記録方法に従っていない点も多数あります.
実験ノートの公開に関しては,当時の指導教員から承諾を得ております*2.
今後,ここで紹介する実験ノートの内容が学会発表・特許出願・論文投稿される予定はありませんが,未発表のデータも含まれているため,化合物名の一部にはモザイク処理を施してあります.
●実験の目的を書いておく
【関連】34ページ,“4.1 テーマと目的を自分の言葉で書きましょう”
最初の3行に,今回の実験を何のためにおこなったのか簡潔に記してあります.
あとから見返したときに,どのような理由でその実験をおこなったのかが記されていると,その実験の位置づけがわかって便利です.
また,第三者がこのページを見たとき,何のためにおこなわれたものなのかがわかります.
●操作手順のチェックリストをつくっておく
【関連】42ページ,“4.4 チェックリストやデータ記入テーブルを作っておきましょう”
操作手順をチェックリスト形式で記しておき,操作を進めるたびにチェックを入れて行きます.
操作のやり忘れを防ぐ効果があります.
特に,複数の操作を同時に進めているとき,チェックリストを使うと効率よく操作が進みます.
●操作変更を書いておく
【関連】58ページ,“5.3.3 変更点は忘れずに記入しましょう”
実験を始めてから計画を変更した場合には,変更した箇所を記録しておきます.
赤ペンで記入しておくと,計画と実際の違いが判別しやすくなります.
●途中計算を書いておく
【関連】83ページ,“6.2.3 どのような途中計算をおこなったのか記録しましょう”
測定値から結果を導く途中の計算も実験ノートに記録しておきます.
こうすることにより計算間違いを犯す確率を下げるとともに,計算ミスの発見を容易にします.
●実験結果は表にしておく
【関連】42ページ,“4.4.1 結果を記入する表を作っておきましょう”
多数の数値データが得られる実験では,実験データを表にしておくと便利です.
●他ページへのリンクを書いておく
【関連】93ページ,“6.6.2 「どこへ続く」と「どこから続く」を記しておきましょう“,27ページ,“ページ番号を振っておくと便利”
離れたページに関連情報が記載されている場合,そのページ番号とそこに記されているものごとを記しておきます.
●考察を書いておく
【関連】87ページ,“6.4.1 実験結果を説明するしくみを考えて仮説を書きましょう”
実験結果から考えられるものごとを記録しておきます.
その考えは誤っているかもしれないし,不十分なものかもしれませんが,文字で記録することによって思考を整理するとともに,次のアイデアを見つける助けになることがあります.
●器具の取り扱い方法を書いておく
【関連】37ページ,“4.2.3 実験に使う装置についても記しておきましょう”
実験器具の取り扱い方法も実験ノートに書いておくと便利です.
これは「原子吸光分光計」の取り扱い方法後半です.
●参考文献を書いておく
【関連】48ページ,“4.7 すべての情報源を書いておきましょう”
参考にした文献も実験ノートに書いておくと便利です.
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