教育分野へのIT応用をアクティブに研究されている伊藤一成先生を訪ねて,青山学院大学の社会情報学部に行ってきました.青山学院大学社会情報学部は2003年にオープンした相模原キャンパスにあります.北里大学一般教育部5階の窓から,校舎の一部が見えます.
伊藤先生とはTwitterで知り合いになったのでした.
私のとなりの席にいる量子化学の@daigokuz先生が青山学院大学で助教をしていたときに,伊藤先生といっしょに理工学部の学生実験を担当していたそうです.というわけで,北里大学から青山学院までの道案内を@daigokuz先生にお願いして,レッツゴー!
文理融合の学部
社会情報学部は2008年に開設された新しい学部で,文理融合を目指す学部です.伊藤先生は情報工学の専門家として,情報リテラシーとかプログラミングなどの教育を担当されてます.
青山学院大学社会情報学部では2009年度,全学生にiPhone 3Gを配布したことで話題になりました.
このiPhoneプロジェクトを推進されたメンバーの一人が,同じく社会情報学部の飯島泰裕先生です.
伊藤先生から飯島先生を紹介していただきました.
飯島先生はまちづくりの研究をされており,相模原市内にある大学のネットワーク化を含む,相模原市の再開発,というようなことができないだろうかとお考えです.
4人で,大学教育,研究アイデアの発展,まちづくり,といった様々な場面でITがどのように応用できるか,というようなディスカッションをしました.
伊藤先生のTwitter利用法
伊藤先生も学生にはTwitterのIDをとって利用するようすすめておられます.以下のようなTwitterのメリットに注目されているからです.
- 心理的障壁を下げるため
- 講義中に意見を述べるっていうのは,心理的抵抗があって簡単ではありません.その点,140字で気軽に意見を述べられるTwitterだと,学生の声が集まりやすいのです.
- スキマ時間の学習手段として
- 「コンピュータを使った学習」というと「まずコンピュータルームに行って,ログインして,教材サイトにアクセスして,・・・」という手順を連想してしまうくらい,これまでに学習方法が固定されてきてしまいました.しかも教材の多くは不特定多数をまとめて相手にするため,学習到達度の低い学生にあわせてカリキュラムが組まれがちです.これではやる気を出せません.「わざわざそんなことしなくても」という方法の代案を提案するとき,Twitterの利用が第一歩になります.
- 手軽な少人数の会議システムとして
- これは説明するまでもありませんね.「会議」と形式ばらなくても,手軽な意見の交換とか,日程調整とか,簡単にものごとを決めるのにTwitterは便利です.
という具合に,いいところを挙げてみましたが,他のツールと同じように,Twitterユーザにとっても,情報リテラシーは欠かせません.Twitterも含めたインターネット利用法を,情報リテラシーの授業で教えておられるそうです.
正しく教えて,正しく使ってもらう.
なにごともそうですね.
「ITがライフスタイルを変えている」という説明はあちらこちらで聞かされますが,それを実感するチャンスには,大学に入学するまでは,そして大学に入学してからも出会えずにいることが珍しくありません.気軽に始められて学内外でネットワークを広げて行けるTwitterや,そのほかのSNSは,ITを実感する良い教材です.
新しいことをはじめよう!
21世紀です.大学の教育システムもどんどん変わっています.新しいことを考えたら行け行けGo! Go!でトライして行きたいものです.
というわけで,2011年度は伊藤先生といっしょに,新しいプロジェクトを始めることにしました!
くわしいことは今の時点では公表できませんが,おおざっぱに言うと,教育ITと,自然科学教育との重なり合う場所を,技術の力で開拓して行こうという試みです.そこを核にして,まちづくりとか,e-ラーニングとか,ありとあらゆるもの&こと&ひと,が紡ぎ出されて行ったらステキです.
Chemical Reaction!
物質と物質とが出会って新しい物質がうまれるのが化学反応Chemical Reactionです.人と人との出会いから新しいアイデアが生まれて行くのはこれに似ています.とても刺激的でした.