Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(22)アルケンとアルキン

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レジ袋の原料に使われているポリエチレンは,石油から得られるエチレンを付加重合して製造される人工樹脂です*1

キーワード

共役二重結合,シス-トランス異性体,シス付加,重合体,脱離反応,導電性ポリマー,トランス付加,ビニル化合物,付加重合,付加反応,ポリマー(重合体),マルコフニコフ則,モノマー(単量体)

今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの

アクリル酸,アクリロニトリル,アセチレン,塩化ビニリデン,塩化ビニル,酢酸ビニル,スチレン,テトラフルオロエチレン,ビニロン,フマル酸,ポリアクリル酸,ポリアクリロニトリル(PAN),ポリアセチレン,ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリ酢酸ビニル(PVAc),ポリスチレン(PS),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリビニルアルコール(PVA),ポリプロピレン(PP),ポリメタクリル酸メチル(PMMA),マレイン酸,メタクリル酸メチル(MMA)

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.

講義内容要約

  • アルカン,アルケン,アルキンにおける炭素間結合の比較
  • π電子が正電荷をもつ粒子と作用して付加反応を引き起こす
  • アルケンへのトランス付加とシス付加
  • マルコフニコフ則
  • 脱離反応
  • 付加重合で役に立つ高分子化合物を合成する
  • 共役二重結合ではπ電子が自由に動きまわる
  • 共役二重結合が延びた状態になっているポリアセチレンは人類初の電気を通すポリマー

関連トピック

自然界を彩る共役二重結合

銀杏の葉にはルテイン,ニンジンにはカロテイン,トマトにはリコペンが含まれており,いずれも共役二重結合をもつ化合物です.共役二重結合の長さと,周辺構造の違いによって色が変わります.

電気を通すプラスチック

アセチレンを付加重合させて合成するポリアセチレンは,人類初の導電性ポリマーです.これ以降,さらに高性能な導電性ポリマーが開発されてきました.導電性ポリマーは携帯電話や医療機器のタッチパネルや電気部品に使われています.

質問とかコメントとか

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意味が伝わればどれでもOK.
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プラズマクラスターが髪に良いとシャープが言っていますが,どうお考えですか.これは2回目の嘘と受け取って良いですか?

おそらくコレのことでしょう→ シャープ「プラズマクラスタ―」に育毛効果--2つの臨床試験で実証
様子をみまもる.

くしゃみが人にうつるというのは化学的(科学的?)に証明されていますか?

心理的なものです.

赤いトマトはリコピンが色素,黄色のトマトの色素は何ですか?

ニンジンに含まれているのと同じカロテインです.

いつ何が起こるかわからないから たくさんのジャンルの知識を持って,それを活用できる方がいいことを再認識できてよかった.

何がどこで活用できるかを自分で決められないところが人生のおもしろいところです.

出席者数推移

(1)91→(2)90→(3)86→(4)85→(5)83→(6)83→(7)84→(8)78→(9)77→(10)74→
(11)80→(12)71→(13)83→(14)78→
(16)73→(17)63→(18)58→(19)59→(20)61→(21)62→(22)64

次回予告と予習内容

「(23)酸素を含む有機化合物」を学びます.2回に分けて学ぶ1回目.配布物で予習してくること→(23)酸素を含む有機化合物その1

有機化学のSNS/web連動企画

講義関連情報リンク

【解説ムービー】フッ素樹脂加工のフライパンができるまで

参考書籍

有機電子論解説―有機化学の基礎

有機電子論解説―有機化学の基礎

↑2章『二重結合,三重結合および分子内の分極』,8章『二重結合への付加反応』,9章『脱離反応』
マクマリー有機化学(上)

マクマリー有機化学(上)

  • 作者: John McMurry,伊東二,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2013/01/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
↑7章『アルケン:構造と反応性』,8章『アルケン:反応と合成』