キーワード
移行,開環重合,可塑剤,共重合,重合度,重付加,縮合重合,熱可塑性,熱硬化性,微結晶,平均分子量,無定型
今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの(すでに登場したものも含む)
アクリロニトリル,アジピン酸,アセトン,エチレン,エチレングリコール,塩化ビニリデン,塩化ビニル,ε-カプロラクタム,6-ナイロン,6,6-ナイロン,尿素,フェノール,1,3-ブタジエン,フタル酸,プロピレン,ヘキサメチレンジアミン,ベンゼン,ポリエチレングリコール(PEG),ポリエチレンテレフタラート(PET),ホルムアルデヒド
講義内容要約
- 人工ポリマーはイロイロな分子量のものが集まっているので,分子量としては平均分子量を考える.コレは浸透圧測定から求められる.πV=nRT=(w/M)RTからMを求める.
- モノマーのつながり方としては縮合重合と付加重合がメインで,他に重付加とか開環重合とかもある.
- ビニル系ポリマーは付加重合で,PETや6,6-ナイロンは縮合重合で合成される.
- 2種類以上のモノマーを重合させる方法が共重合で,一本のポリマー分子の中に2種類以上のモノマーが含まれることによって新しい機能を持たせることができる.難燃性繊維とかサランラップとか.
- 熱すると軟らかくなり冷ますと固くなるポリマーが熱可塑性ポリマー,熱すると固くなり冷ましても変わらないポリマーが熱硬化性ポリマー.
- もろいポリマーに加えてしなやかな材料にする物質が可塑剤で,フタル酸エステルが用いられることが多い.
- ケシゴムをプラスチック製品の上に載っけて放置しとくとくっついてしまう現象は「移行」といって,可塑剤のシワザ.
- 二重結合をもつポリマーとビニル系モノマーとを共重合させることによって頑丈な樹脂を合成できる.重合時に繊維を混ぜておくことによって,さらに頑丈な複合材料をつくることができる.コレがFRP.
●関連情報
ジャンボジェットのボディ
ボーイング787のボディが炭素繊維で作られていることを紹介しました.炭素繊維の応用については産総研のサイトに紹介記事があります.
また,具体的にボディのどのあたりにどのような材料が用いられているのかは,ボーイング社が技術資料を公開しています.
ナイロンの開発者
6,6-ナイロンを開発したカローザスは,じつはポリエステルの開発も手がけていたものの,PETを検討するところまで行きませんでした.このあたりの解説(PDF).
- 緒方 直哉(2007),カローザスのナイロンの合成,高分子,56,14-17.
確認問題
出席者数推移
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有機化学のSNS/web連動企画
★イベントのおしらせ「これはヤキイモではない」
【ヤキイモ】北里つながろうプロジェクト恒例行事・「学内BBQ場で『これはヤキイモではない』イベント」を開催します(旧ヤキイモイベント).12月20日(火),16時半着火,20時撤収.参加費100円.参加希望者はリプちょうだい.食材買い出し量の参考にします. #北里つながろう
— 野島 高彦【化学】 (@TakahikoNojima) 2016年11月30日
参考書籍

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