キーワード
p軌道,px軌道,py軌道,pz軌道,π結合,s軌道,σ結合,sp混成軌道,sp2混成軌道,sp3混成軌道,原子軌道,古典的,混成軌道,電子雲,不確定性原理,量子論
講義内容の要約
- 太陽系における太陽と惑星のように,原子核の周りを電子が回っているという考え方が古典的考え方で,原子核から一定の距離に電子が存在し得るという考え方が量子論的考え方.
- 電子のように小さくて軽い物体では,位置と運動量とを同時に正確に求めることがムリ.これをハイゼンベルクの不確定性原理という.
- 電子が高い確率で存在し得る空間はマイナス電荷をもった雲とイメージしてOK.これを電子雲と呼ぶ.
- K殻は1s軌道,L殻は2s軌道,2px軌道,2py軌道,2pz軌道から構成される.
- 2px軌道,2py軌道,2pz軌道は互いに等価だが,2s軌道とは等価ではない.
- それぞれの軌道には電子が最大2個まで収まる.
- メタン分子は等価な4本のC-H結合をもつが,これは2s軌道,2px軌道,2py軌道,2pz軌道に別れた4軌道を4つの等価な軌道に再分配したため.この再分配を混成と呼び,混成で生じた軌道を混成軌道と呼ぶ.メタンの場合はs軌道1つにp軌道3つの割合で混成されているのでsp3混成軌道と呼ぶ.
- エチレンの場合はs軌道1つにp軌道2つの割合で混成されているsp2混成軌道が,アセチレンの場合にはs軌道1つにp軌道1つの割合で混成されているsp混成軌道が,1個のC原子と他の原子とを結んでいる.
- 平行するp軌道どうしが電子を共有することによって生じる結合がπ結合.s軌道もしくはsp,sp2,sp3混成軌道がかかわる共有結合をσ結合と呼ぶ.
- 窒素原子を中心として正四面体を考え,その3箇所にH原子を配置したのがアンモニア分子になる.だからアンモニア分子は三角錐になる.同様に酸素原子を中心として正四面体を考え,その2箇所にH原子を配置したのが水分子になる.だから水分子は折れ線型になる.
混成軌道の生成説明動画
関連トピック:原子軌道の考え方確立に貢献した人々
確認問題
出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている
●π結合をするからπ電子雲という言葉が出てくるんですよね?
そうです.
●もう一度さくっと説明してほしいです.
次回,模型を持って行く.後期の有機化学でもういちどこのあたりに戻ってくる.
●周期表の途中から内側の殻に電子が入っていくのはこれと関係ありなのかと思いました.
そうです.
●今日の分野は化学の深い世界の話で,理解がしにくかったですが,先生のたとえ話のおかげで少しイメージしながら聞くことができました.
●うなずけるような説明があってわかりやすかった.次回はモルを好きになる!
●今までe-がどこにいるかなんてあんまり考えなかったなと思いました.極性分子か否かを判断するには4つの部屋の考え方が大事だと思いました.
●今日は盛りだくさんでついていくだけだった.ちゃんと復習しなくては!!ですが,内容的に面白かったです.化学でおもしろいと思えることにびっくり!
●復習します!!分かるって楽しいです!
●まな板の説明あたりからよくわからなくなった.
●部屋割りを変更するあたりからだんだんついて行けなくなっちゃいました.でも最後は極性があるないは多分わかりました.
●軌道のところは分かったような分からなかったようなという感じでした.極性のところはわかりました.復習したいです.
●極性についてわかってきたのですっきりしました.
●極性についてよくわかりました.
●極性についてわかった!
●極性について最後まとめで理解することができました.
●極性って本当に意味がわからなかったけど先生の説明でわかりました.
●分子の形の意味がわかってとても嬉しかったです.今まで理由がわからぬまま覚えていました.
●形を始めてみました.
●極性がどうして起こるのか理解できた.分子の結びつきの形は,一つ一つ考えると見えてきてすごいなと思った.
●極性については分かってスッキリした.2s,2px,2py,2pzの部屋割りのところがよくわからなかった.
●今回は本当に頭が痛くなった.全然寝てたわけじゃないのにちんぷんかんぷん.2s,2px,2py,2pzのが出てきたあたりから全くわかりませんでした.
●今日の授業が化学らしく図などをたくさん書いて頭がパンクしそうになったけど極性とかのいみが分かってよかったです.
●今日の講義は頭がパンクしそうでした(泣)初めてやる分野で予習をしていても最後の方にはよくわからなくなりました.しっかり復習をしようと思います.
●エチレンのところで頭がごちゃごちゃになりました.教えて下さい.でもアセチレンはなんとかわかってよかったです.
●頭の中で立体構造を思い浮かべるのに苦労した.配位結合については理解しました.
●今,頭の中がMgに水をかけたような状態になってます.でも,もうそういうもんなんだって思っていた分子の構造にはちゃんとした根拠があるんだと知れて良かった!
●高校のときは極性についてよく分からなかったが今回ので理解した.意外と単純なんだなと思った.
●図形ちっくなのが出て来て数学みたいらと思ったらとたんに思考が停止しました.
●家でもう一度プリントを見て復習しようと思う.
●もういろんな図が出てきて訳わからなくなっちゃいました.きちんと復習したいです.
●記号がいっぱいです.
●よく理解できなかったので復習予習しっかりしたいと思います.モル苦手なので次回は苦手意識がなくなるようにがんばります.
●高校でよくやった範囲だったので楽しかった.次回,モル,頑張りたいです.
●難しいです.頑張ります.
●難しかったけどしっかり復習して頑張ります!モルをのりこえたいです!(笑)
●最後に見せてもらったシミュレーション映像みたいなのがいつか肉眼で見える日がくるのかなと思いました!!
●名前をおぼえるのが大変そう笑 トリクロロメタン,クロロホルム・・・
●エチレン以降から頭がぐちゃぐちゃになったので復習してきます.
出席者数推移
(1)44→(2)44→(3)43→(4)44→(5)43→(6)43→(7)42
次回予告と予習
「モルと化学反応式」を学びます.教科書の49ページから64ページを読み,例題を解いておくこと.
- 作者: 野島高彦
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (54件) を見る