Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(13)化学反応と化学平衡

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キーワード

可逆反応,活性化エネルギー,活性錯体,活性化状態,逆反応,酵素,触媒,質量作用の法則,正反応,反応速度,反応速度式,反応速度定数,不可逆反応,粉塵爆発,平衡状態,平衡定数,ルシャトリエの原理

講義内容要約

  • 反応を起こすためには活性化エネルギーが必要.
  • 反応の速さには,反応物の濃度,反応温度,反応物が固体ならその表面積,触媒の存在,が影響する.
  • 反応の速さは反応速度式で記述される.
  • 触媒は反応の進むルートをナビゲートする.同じ反応物でも触媒が異なればルートが変わり,異なる生成物が得られる場合もある.
  • 逆向きにも進む化学反応が可逆反応.
  • 両方向の反応速度が等しくなった状態が平衡状態.
  • 平衡状態における反応物と生成物の濃度の間には質量作用の法則が成り立つ.
  • 平衡定数の大きさから反応の進みやすさを見積もることができる.
  • 平衡状態にある化学反応系は,外部からの攪乱に抵抗して新しい平衡状態を築く.これをルシャトリエの原理と呼ぶ.

該当する教科書のページ

第11章,123ページから136ページ

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

説明に使った動画

窒素酸化物の平衡系にみられるルシャトリエの原理:温度変化

窒素酸化物の平衡系にみられるルシャトリエの原理:圧力変化

粉塵爆発:粉は表面積が大きいため爆発しやすいので注意が必要

確認テスト

今回はかんたん.

授業評価

大学が実施する授業評価アンケートに回答してもらいました.ご協力に感謝いたします.アンケート結果はこのブログで公開します.

コメント紹介

●化学IIで学んだときよりも理解できました.
●今日もガンバった.
●平衡が出てきたせいで化学での受験をあきらめました.
●懐かしかったー.受験以来です.
●受験を思い出した.
●高校でやっていたので内容は理解できた.
●まぁまぁわかりました.
●すいません寝てました.
●わかりやすかったです.
●わかりやすかった! 確認問題で良かったです.
●触媒の説明がわかりやすかったです.
●反応ってこんな風になっていたのか,と素で驚いた授業でした.
●化学平衡は日常生活の中にも多く使われているので興味がもてた.
●粉末に気をつけます.
●ラーメンの粉は怖いと思いました.
●説明書はちゃんと読まないとダメですね.
●なぜ粉を入れるときに火を消さなければいけないのかずっと不思議だったので理由がわかってすっきりした.
●家のエアコンが壊れていて常に部屋が33 °Cで本気で死にそうです.
●単位取れるか心配です.勉強するしかないですね・・・.
●テスト頑張ります.
●野島先生の授業はいくらアンケートをとっても良い評価だと思いますよ♪このまま良い授業期待しています!
●先生は三鷹市に住んでいるのですか?
●先生は自由への進撃 買いましたか?
●自由の進撃 買いました? 2クールはじまりますね!!

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分母と分子を逆に考えてませんか?

●アンケートの件について思ったのですが,SNSを見れば授業の状況がわかると思います.

たいへんよくわかります.諸君の○○学とか,△△学とか,その他の実況中継からね.

●NO2ってどういう分子なのですか?

有害.大気汚染源.排ガスに含まれる.

●先生のテスト6問から5問選択ですが6問全てに回答してもいいんですか

問題文に書いてあります.

●恋愛=chemistryの方程式を講義で証明してください!

そいつは講義で証明するんじゃなくて,人生で検証する問題だ.

●高校生の時から思っていたのですが,触媒を発見するための研究ってどのように行われているのですか? 偶然見つかってラッキー♪っていうかんじなのでしょうか?

とっかえひっかえイロイロな材料を試すのです.偶然みつかった触媒もあれば,理論および計算化学で候補を決めて実験する場合もあります.いずれにせよ実験をやることになります.

出席者数推移

(1)89→(2)88→(3)88→(4)86→(5)79→(6)82→(7)78→(8)77→(9)74→(10)72→
(11)61→(12)75→(13)72

次回予告と予習内容

反応速度の微分方程式を解いた後,「酸化と還元」を学びます.教科書7章(79ページから90ページ)を予習しておくこと.