Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

看護学科の化学講義(18)酸と塩基

出席32名,履修登録38名,出席率84 %.今回と次回で指定教科書「はじめて学ぶ化学」の内容が終わりになります.

キーワード

pH,イオン積,塩,塩基,価数,緩衝作用,強塩基,強酸,酸,酸解離定数,弱塩基,弱酸,中和,中和滴定,電離度

講義内容要約

  • H+を与えるのが酸で,受け取るのが塩基.
  • 酸と塩基は相対的なもので,相手によって変わる.
  • H+を1個与えられるのが1価の酸,2個与えられるのが2価の酸,3個与えられるのが3価の酸.
  • H+を1個受け取れるのが1価の酸,2個受け取れるのが2価の酸,3個受け取れるのが3価の酸.
  • 水に溶かしたときにほぼ完全に電離する酸が強酸,一部が電離する酸が弱酸,ほぼ完全に電離する塩基が強塩基,一部が電離する塩基が弱塩基.
  • 溶けている電解質の物質量のうち,電離している割合が電離度α.
  • 酸が電離して生じたイオンのモル濃度の積を,電離していない物質のモル濃度の積で割ったのが酸解離定数Kaで,-log10KaがpKa
  • 水はわずかに電離していて,25 ℃においてはKw = [H+][OH-] = 1.0×10-14 mol2 L-2が成り立つ.これが水のイオン積.
  • 酸と塩基とを過不足なく反応させる化学反応が中和反応で,中和反応で水といっしょに生じるのが塩(えん).
  • 中和反応によって未知試料の酸あるいは塩基の濃度を測定する分析化学的手法が中和滴定.

教科書の範囲

第14章「酸と塩基とpH」.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

コメント

●川を中和するのはお金がかかって大変そうなのにそれでも中和するんですね!大変!●酸と塩基にがてなのでがんばります!●おつかれさまでした.缶詰めみかん,HClとNaOH処理だとは・・・ちょっとショック(;o;)好きだったのに...酸と塩基の計算,全力で忘れてしまってました.●電離度がすごく苦手です.●吾妻川のことをニュースで見たことがありました.橋とか溶けてるんですよね.●全然わかんなくて泣けてきます(笑)●わかったようなわからないような・・・復習してみます.●今日は授業態度が悪かったと思います.ごめんなさい.●日本人もおもしろいことをしますね.●logがやばいです.Ka,pKaが理解できなかった・・・.●がんばろう.●次回もよろしくおねがいします.●酸と塩基...こんがらがってます.●pKa,Kaってなにかわからなかった(笑)●電離度のあたりがよく理解できませんでした.河川を中和するのはものすごい発想だなと思いました.●体内のpHを一定に保つことのできる人体を改めてすごいと思いました.●酸と塩基難しかったです.来週もがんばります.●身近な出来事だけど計算は全然身近じゃなかった笑●今日の内容はちょっと苦手でした.

次回予告

「(19)pHと緩衝溶液」を学びます.再度教科書第14章を予習してくること.

前回までの講義録

www.tnojima.net