ノートの返却
先週の授業内では,板書中心の講義形式で行われる模擬授業を各自がノートにとりました.ここで,それまでの授業で学んだ様々なスキルや,各自が考えたアイデアを採り入れてノートを仕上げ,提出して行ってもらいました.そのノートの返却です.何点か興味深い工夫をしているものを投影しながら,全員に紹介しました.
スライド発表中心形式講義でのノートのとりかた
大学に入学したばかりの1年生が,ノートとりにおいてもっとも苦労しているのが,パワーポイントなどのソフトウェアが用いられたスライド中心の講義形式です.どのような点に苦労するのかというと・・・
- スライドが次々と進んで行くので,ノートに書き移す時間がない
- 重要事項がスライドに記されておらず,口頭で軽く触れられるだけの場合が多く,ポイントをつかめない
- 板書の場合と比較して,単位時間あたりの情報量が多いので,消化不良をおこす
というようなものが挙げられます.
スライド中心の講義形式が普及しはじめて,まだ十数年です.教員側も教育的効果を考えて効果的に使う方法をもっていない場合もあります.限られた時間内で知識を一方的に押しつけてオシマイ,という場合も珍しくありません.
学生の側としてはこうした状況を理解したうえで,
- 配付資料に書き込む
- 配付資料がなければノートをとる
- 口頭で重要事項が説明されていないか常に注意をはらう
といった態度で臨む必要があります.
ノートのとりかたFAQ
大学におけるノートのとりかたに関する,よくある質問とそれらへの回答を紹介しました.昨年度に出た質問も含まれます.
- 家でノートを整理する際に色の種類は何種類程度がよいのか
- 多すぎるとゴチャゴチャしてわかりにくくなる
- 無地のノートのほうがよいのか
- 無地は使いにくいことが多い.ドットが打たれたタイプ(最近流行っている)はオススメ
- ルーズリーフはどうなのか
- 使いやすければOK. ただし実験ノートには×
- 授業中,ノートとりに集中してしまい,講義内容をきくことができない
- 自分でバランスを模索すること
- 口頭で解説される内容から,要点を見抜くコツはないのか
- はっきり言って,ない
- 授業後にノートをすべて書き直して清書するのは効果的か
- オススメではない,そうしないで済むように追記スペースを設けておく工夫をしたほうがよい
もちろんここでの回答は絶対的なものではありません.各自が好きにすれば良いことです.それでもどうしたらよいのか決めかねている場合は,上記回答の内容で試してみましょう.
テキストをよむ
ここでは「文字で記された情報」という意味で「テキスト」を考えます.映像や音声,イラストと比べると,テキストは抽象化された概念を扱うことのできる便利な手段です.そのため,人類は今後も「テキスト」という形式を使い続けることでしょう.
理系大学の場合,テキストに記された内容を正しく理解することが求められる場面として,実験手順書をよむ場合が挙げられます.文字列(解説図が入っていることもありますが)を読みながら手を動かして器具を扱い,目的とするデータをとっていく操作は,実験や実習で何度も体験するものです.
そこで今回は,「手順書に従って操作を進める」とはどのようなことなのか,その際にどのようなことに注意すべきなのか,について考えてみることにしました.
例として採り上げたのは,身近な「操作手順」としての「インスタントラーメンのつくりかた」です.
くわしくは↓こちらのページをご覧ください.
次回予告
次回は「手順書に従って実験を行う」実践編として,「ペーパークロマトグラフィー」を扱います.これについては↓こちらのページにテーマ選定から予備実験までのことが記録してあります.