履修者46名中45名出席.出席率98 %.また出席率が戻ってきました.
前回の講義に関する感想コメント質問その他なんでも
詳細は前回の講義録参照↓
カルボン酸
第一級アルコールが酸化されるとアルデヒドに,さらに酸化されるとカルボン酸になります.一般式はRCOOH.代表的なものは台所にある酢酸CH3COOH,もっとも単純な構造のHCOOH,医薬品合成の出発材料ともなる安息香酸C6H5-COOH,は覚えておきましょう.
●ありには十分気をつけます.
●ありにかまれないよう気をつけます.
●蟻にかまれたときに痛いって思うのは,ギ酸を出されているからなんですね.蟻って骨あるんですか? あと蟻ってなんであんなに怖い顔をしているんですか?
骨なし.蟻にきいてみなければ,わからない.きいてもたぶん わからない.
エステル
カルボン酸とアルコールが脱水縮合してできる物質がエステルです.一般式はR1COOR2です.
エステルに日本語で名前を付けるルールがあります.○○酸と□□アルコールが脱水縮合すれば○○酸□□,です.たとえば酢酸とエチルアルコールから酢酸エチル,サリチル酸とメタノールからサリチル酸メチル,という具合です.
医薬品の成分一覧を見たとき,○○酸□□,という名称のものがあれば,それがエステルだとわかります.そして,それを製造するために,○○酸と□□アルコールが用いられたこともわかります.
様々なエステルが医薬品として用いられています.アセチルサリチル酸,サリチル酸メチル,それから,ちょっと化学式のタイプが違いますが,ニトログリセリンも狭心症の薬品です.
●ニトログリセリン(狭心症)の話,すごいですね.びっくりしました.
●ニトログリセリンが爆薬の原料であり,狭心症の薬としても使われているという話は高校の化学の先生が教えてくれましたが,爆薬工場で働いている人がそのように見つけたという話は初めて知って驚きました.
●ニトログリセリンが狭心症の薬として使われると知って驚いた.
●爆薬と狭心症の話 驚きました.研究などでも偶然が重なって良い結果が生まれるという話をよく聞きます.
●ニトログリセリンは爆薬で使われていることしか知らなかったので,狭心症の薬にも使用されていることはすごく驚きでした.ニトログリセリンってすごい危ないイメージしかなかったので.
●オレンジとバナナの香りは側鎖の長さの違いで変わってくるのですか? 身近なところにこんなにも様々なエステルがあって面白いです.
●化学はフルーツの香りを出していたり,人間の生活に不可欠ですね.
●サロメチールとアスピリンはどんな病気に使うのか詳しく知りたいです.
サロメチールは筋肉痛などの消炎剤として,アスピリンは頭痛などの鎮痛剤として用いられています.
ポリエステル
エステル結合で連なった分子がポリエステルです.ポリエステルの代名詞といえば,飲料水の容器にも用いられているポリエチレンテレフタラート(PET)です.PETはポリエステル繊維としても広く用いられています.丈夫な素材なので何度も強く洗ったり乾燥機で乾かしたりする用途に向いています.白衣や作業着にポリエステル製のものが多いのは,そのためです.
PETはまた,人工血管や縫合糸,医療機器の配管チューブにも用いられています.医療現場で働くとき,さまざまな場所でPETが用いられていることに気づくことでしょう.
●ポリエチレンテレフタラートということばを久しぶりに聞きました.高校のときペットボトルをみるたびにPETって思っていたのを思い出しました.
●有機って医療との関係が深いなと思いました.高校の時ポリエチレンテレフタラート頑張って覚えた自分,えらかったなーって思います(笑)
●最初のポリエステルの利用例のところで出てきた「おたんこナース」というマンガが気になりました.(笑)
生分解性ポリマー
ポリグリコール酸とポリ乳酸を共重合させたポリマーが,生分解性ポリマーとして医療分野で用いられるようになってきました.このポリマーは3ケ月以内に体内で分解されるため,抜糸の必要がありません.便利な素材です.体内のエステル分解機構を上手に利用した分子です.
●抜糸しなくてよい糸とか,医療もここまで来たかーという反面,体に吸収されるなんて意味不明だし少し怖いなーとも思いました.
●今の縫合糸ってスゴいですね! なんか感動しました.しかもクエン酸回路で分解,クエン酸回路わかる!みたいな.ダブルで感動します.
●抜糸不要の糸とか手術用の糸とかは,体内のしくみを分かっていないと害なくつくれないと思うので,発明した人はすごい詳しいんだろうなぁと思いました.クエン酸回路のしくみ的なものは前期に習ったけど私はもうすっかり忘れちゃいました笑
●体内で溶ける物質で医療品を作ってるなんて,ケミストはすごいなーと思いました.私は抜糸したことないけど,抜糸不要なんて便利ですね.
●抜糸不要のポリマー系のクエン酸回路を利用して体に備わっているものを用いる,という発想に驚きました.
●生分解性ポリマーが体内で90日後に生分解されるため抜糸不要とはいいですねぇ! 画期的だなと思いました.でも,人それぞれ皮膚がくっつくのに個人差があると思うので,もしくっついていなかったらそう処置するのかと疑問に思いました.
●以前 頭のてっぺんを切ってしまったときに3針縫いましたが,その時はまだ生分解性のmのではありませんでした.友人の母親が顔かどこかを縫ったときに生分解性だったみたいです.きっとそのまま吸収されればキレイに治るからだと思うのですが,なんだか残ってしまったらしいですよ.
●生分解性ポリマーはクエン酸回路を利用して体内で分解されると初めてしりました.ポリエステルは医療現場でたくさん使われていると思いました.
●昔は骨折してボルト入れてまたボルト取る手術をしなきゃだったけどポリエステルってすごいですね!!!
●生分解性ポリマーに感動しました! 体内のクエン酸回路を使って生分解するなんてうまくできていますね!
●縫合糸が分解されて抜糸が必要ないとはすごい時代ですね!!
●生分解性の縫合糸があることを初めて知りました.
●医療にかなり応用されていて発見した人すごーって思いました.
●今日の授業で縫合糸のしくみがよく分かりました!!
せっけん
脂肪を水酸化ナトリウムで加水分解すると,RCOONaであらわされる塩が得られます.これがセッケンです.Rの炭素原子数は18から20程度です.
セッケンは炭化水素と塩との両者の性質を組み合わせた構造となっています.炭化水素の部分で油脂汚れと解け合い,塩の部分は洗浄水に溶けます.こうして油脂汚れと洗浄水とが分離しないような状況をつくりだし,洗浄操作を可能にしています.
●石けんは似たもの同士はよく溶けるという原理を利用していたんですね.手を洗うときに意識してみます.
●石けんの話で確かに石けんは油っぽいなーと思いました.CMで悪い油は良い油(オリーブオイルとか)で落とせるってみたことあるので,なるほどと思いました.
アルコール代謝の生化学
アルコール飲料として体内にとりいれられたエタノールは,アルコールデヒドロゲナーゼという酵素によって酸化されてアセトアルデヒドとなります.アセトアルデヒドは人体に有害な物質で,悪酔いや二日酔いの原因となります.しかし,アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼによって酸化されて酢酸になれば,代謝系によって二酸化炭素と水に分解されて体外へ排出されます.
日本人の45 %は,父親もしくは母親からうけついだアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子のどちらかが異常を起こしています.さらに日本人の5 %は,両親から受け継いだ遺伝子の両方が異常を起こしています.そういうわけで,日本人の半数近くはアルコール飲料によって悪酔いするしくみになっています.
酒は飲んでいるうちに強くなる,などと言って無理強いしてくる困ったヒトがいますが,それは間違いです.強くなったように感じるのは,別の毒物代謝系を使ってなんとか分解する習慣がつくからであって,これは身体に想定外の負荷をかけた状態です.
アルコール飲料は二十歳を過ぎてから.
●お酒に気をつけます.
●お酒を飲むと顔が赤くなるのは,血流が良くなってるからだけなのですか?
●お酒って強くならないんだよと前に聞いたことがあるのですが,ホントに強くなる方法はないんですか?
ないです.強くなったかのように錯覚することや,もともと飲めるタイプだったのが最初のうちは慣れていなかっただけで,あとから飲めるようになる,というような場合はありますが.
●ALDH2の遺伝子を電気泳動(?)で調べたら,どちらにも変異はなかったのですが,お酒に弱いです.何でですか?
なんとも言えません.体質を決める要素は他にもあるからです.
その他
●カルボン酸とアルコールとエステルと水・・・もう頭にたたきこめました!! 今日の授業は医療系の話が多かったのでおもしろかったです.
●板書が多くて手がつかれます.この前より少しだけ理解できた気がします.
●難しかったです.
●最近寒いですね・・
●今日はきてません.
●今日コーヒー飲んだら眠くなりませんでした.
●図がいっぱいで私はノートがぐちゃぐちゃです(笑)
●色々ありすぎて頭ごちゃごちゃです.
●高校で聞いた単語ばかりで高校の化学の先生に会いたくなりました.今度会いに行ってきまーす.
●高校でもやったけど,構造式が覚えにくいし名前も長くてややこしいので嫌いでした.ちゃんと復習しようと思います!
●今日の授業はわかりやすかったです!
●もう12月ですねー時が経つのは早いです!
●麻酔なしの時代に生まれてこなくてよかったと思います.
質問
●NaOHaq←これってaquaの略で水って意味ですか?
そうです.
●今日Δの加熱が出てきて面白いなぁと思って聞いてました.何でΔなんですか? 化学はよく記号を使うので,なんとなく嫌な感じがしてましたが,書いてるとだんだん面白くなってくるので不思議です.
Δになった経緯はただいま調査中です.
●コンタクトレンズってはじめて作った人ってすごいですよね.先生ってコンタクトですか?
裸眼です.
●図は書けるようにした方が良いのでしょうかー?
基本的な化学式はかけるようになりましょう.エタノールとか酢酸とかが書けないというのは情けない.
●この前のノーベル賞の解説聞きたいです.
来週かんたんに紹介します.
●教科書のテスト範囲を教えていただきたいです!!
第1章から第16章まで.それと,ところどころ講義で扱った17章以降の箇所.
左のがカルボン酸.点線でつながってるのが水.
同じです.
次回予告
窒素を含む有機化合物をやります.ナイロン,瞬間接着剤なども登場.
リンク
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