履修者47名中46名が出席.98 %.
先週の講義に関するコメント質問その他なんでも紹介
以下のようなコメントを紹介するとともに,質問に答えました.
詳細は前回の講義録を参照→(4)続・エネルギー+原子の構造(1)
電子配置 (p67)
原子核から近い側から,K殻,L殻,M殻,・・・という順に電子軌道が定まっており,ここには2n2個までの電子が収まります.
●M殻が8個じゃなくて18個で,2n2個の電子ってよくわかりませんでした.
n=3のとき2n2=2×32=18です.
基底状態と励起状態 (p73)
原子にエネルギーを与えると,電子がエネルギー準位の高い軌道に移動する場合があります.この状態の原子が励起状態です.ここから電子が元のエネルギー準位に戻った状態が基底状態です.励起状態から基底状態に変化する際,エネルギーが放出されます.多くの場合は光エネルギーです.これが様々な場面で応用されています.また,化学的な変化によっても物質は励起状態となる場合があります.この場合も励起状態から基底状態へ変化する際にエネルギーが放出されます.
ブラックライトをポリエステル繊維やコピー用紙に照射して青い蛍光が生じることをデモンストレーションしました.このとき,実験用保護めがねのプラスチック素材が短波長励起光を通さないことも示しました(めがねの形の影ができる).
●励起状態と基底状態を初めて知りました.ブラックライトなどの光はこの状態変化を利用しているのか・・・・と思いました.
●基底状態と励起状態があるというのをはじめて知りました.
●基底状態,励起状態の話などは新しくやった内容でした.また,高校の時の復習で思い出した部分が大半でした.
●ブラックライト,すごいと思いました!
●ディズニーランドのあるのりもので友達が白目にして歯を出して笑ったら,ブラックライトのせいで青く光っていました.これはティッシュと同じことですよね.
歯はどうなのかな.歯磨き粉に染料が入っていれば光るだろうけど.
イオン (p73)
さらに強いエネルギーを与えた場合には原子は電子を失って陽イオン(カチオン)になります.逆に,外部から原子に電子を与えた場合,原子は陰イオン(アニオン)となります.
●イオン化エネルギーと電子親和力が分かりませんでした.
●イオン化エネルギー→原子にエネルギーを与える力,電子親和力→電子を放出する力,という定義で良いですか?
ちょっとちがいます.イオン化エネルギー→原子から電子を引っ張り出すときに与えるエネルギー,電子親和力→電子を与えたときに原子が放出するエネルギー,です.
●イオン化エネルギーなつかしかったです.
周期律
原子半径,電気伝導度,熱伝導度には周期性がみられます.周期性を把握できるように元素をレイアウトしたテーブルが周期表です.
●周期律について,よくわかりました.あとは自力で覚えようと思います.アルカリ金属がデンジャラスだということはよくわかりました.ハロゲンの燃焼は色がきれいでした.
●周期表はいろんな原子のいろんな性質が見られておもしろいので好きです.アルカリ金属+水の実験はインターネットで見たことあります.バスタブで大規模にやってておもしろかったです.
●周期表を早口で覚えて,テストの時どれだけ早く書けるか,など中学校の時にやったことありますが,キレイさっぱり忘れてました! もう一度覚え直そうと思います!
●周期表は,高校時代に覚えられなくてきらいでした.今回見分け方とかその性質などがわかりました.movieを見ることで頭でイメージすることができ よかったです.これから元素の性質についてもよく考えたいと思いました.
●周期表を見るだけで,あんなに性質がわかってしまうなんておもしろいです.もっともっと化学のことが知りたいです!!
●イオンについてや電子配置について図でよく理解できました.
●周期表の物質がどんな性質を持っているかとかをよく知らなかったから知れてよかったです.
金属と非金属とメタロイド (p78)
元素の分類方法のひとつが「金属・非金属・メタロイド」に分けるものです.
●金属,非金属,メタロイドのところは初めて知りました.
●金属の性質の「展性」って何ですか?
金箔をつくるときのように,叩いて叩いて広げて行くことのできる性質です.
アルカリ金属
周期表の1族で水素以外の元素をアルカリ金属と分類しています.アルカリ金属は水と激しく反応します.
●高校の化学の授業では「アルカリ金属を水に入れてはいけない」と言われていただけで,実際に見ることはできなかったので,今日ビデオで見ることができてよかったです.とても興味深いものでした.
●アルカリ金属は周期の下に行くほど危険だということがわかった.ルビジウムやセシウムの爆発はものすごかった.あんな微量でとても反応するとは知らなかった.
●高校のとき先生がナトリウムで実験してくれました.でもあんまりはくりょくなかったです.ビデオのセシウムあたりまで行くとすごかったです.アルカリ金属ってデンジャラスなんだなとよく分かりました.
●あの実験番組,やっぱりおもしろいですね!! イギリスの人たち,がんばっているなぁと思いました.
●フランシウムがどうなるのか気になってしまいました.
●アルカリ金属があんなに危険なものだとは知りませんでした.勝手に燃えたり爆発したり・・・化学反応っておもしろい!と思いました.
●アルカリ金属,デンジャラスですね.こんなに怖いものだとは思いませんでした.
●ルビジウムとセシウム,すごいです!
●ナトリウムを水につけると浮くことは知っていましたが,実際に見るのははじめてでした!! 面白かったです!!
●アルカリ金属の反応のビデオを先生が日本語訳するのが面白かったです.化学反応ってすごいのだなって思いました.
ハロゲン
17族の元素はハロゲンと呼ばれます.ハロゲンのガスは金属と反応します.人体に有毒な物質です.
●最後の映像のやつで火が出てたけど,全て熱を加えてるんですか?
フッ素の場合は加えていません.塩素,臭素,ヨウ素は加えています.
●最後の金属を入れたら燃えちゃう反応,すごすぎて何が起こっているのか把握するまで時間がかかりました(笑)
●ハロゲンの燃焼反応はおもしろかったです.周期表だけでなく暗記が苦手です.周期表はどのくらい覚えればいいですか?
1番から20番まで順番に,それとは別に1族,2族,17族,18族.
●セシウムすごかった.ハロゲンのやつまったく見たことなかった.おもしろかった.混ぜるな危険は間違えるとどういうことになるかもと思った.まぜるなキケンってどれほどキケンなんですか?
家庭用洗剤に書かれている「混ぜるな危険」は,塩素ガスの発生を意味します.多量に吸い込むと死亡します.
総合評価と全般コメント
●授業が楽しくて本当に興味深いです.毎回この授業に来るのが楽しみで仕方ないです.
●ゆでたまごをチンして口の中で爆発するなんて,怖いと思いました.ゆで卵を食べるときは穴あけてからにします.
●授業を受けるたびに,今まで嫌だった化学がどんどん楽しくなっていきます! 周期表の分類とか,高校の時に全然分からなかったけど,今日でまた一つ苦手がなくなりました.
●説明がていねいだから,ものすごくわかりやすいです!!
●先生の授業いつもおもしろいです.最後に見るビデオがおもしろい.化学がもっと好きになりそうです.
●今日も楽しい授業でした.ビデオおもしろかったです.
●良くわかりました.解りやすいです.
●言葉がとても懐かしかったです.
●今回の授業は化学要習でやったのでわかりました.
●実験のムービー楽しかったです.バスタブは壊したくないけどハロゲンの実験はやったみたいと思いました.
●最初のいろいろ知れてよかった.ラジオのやつ知ってた.
●今日見た映像は迫力まんてんでした!! けど金属と反応しているときに炎の色がその物質によって違うのはどうしてですか?
●メントスは危険な食べ物なのでもう一生買わないと心に決めました!
●化学反応は何が起こるかわからないので恐ろしいです.間違って死なないように,化学はきちんと勉強したいと思いました.
●黒板消しをキャッチしたのすごかったです.
●movieを見ることで頭でイメージすることができ よかったです.
●私の素朴な疑問に答えて下さってありがとうございました.物質を組み合わせたらどうなるのか?など 動画で見せてくれるのでとても興味がわきます.
●原子って本当に色々な性質があるんですね.アルカリ禁則は危険だということがわかりました.
●映像として見ると現実味がわきますね.高校の先生はよく教室で実験見せてくれました.平気な顔して見せてくれていましたが,やっぱりヤバかったですよね.でも,事故起こしたことないっていってたので,信頼してました.
●矢印が多くてノートが大変.あ,でも,変えなくて大丈夫です^v^
●世の中には危ないものがたくさんあるんですね.今まで電子レンジの中で火花が飛び散っていた原因がわかりました.あと,周期表を考え出した人はすごいと思った.
●金曜日はどうしても眠いです。。。。
●スライドとか板書のしかたがすごいわかりやすくていいです!!
●ビデオで見ると,よりいっそう理解しやすくなるので,もっとみてみたいです.
●実験の映像,おもしろかったです.
●先生の口調と声がおだやかすぎて ねむたくなってしまいました・・・ごめんなさい
●自分で調べたつもりでも,先生の説明を聞いて,理解していなかった部分が多かったことを痛感しました.アルカリ金属があんなに危険なものだとは知りませんでした.
●最後のムービーが今日もおもしろかったです.
●先生がいつも見せてくれる化学のビデオはとても楽しいし,どれだけデンジャラスなのか良くわかりました.
●化学を学んでいる人は,ビデオで見たような反応を使って殺人とかしそうで怖い!マジシャンとかも化学反応利用していろいろ考えてそう(笑)
怒らせると怖いよ.じゃなくて,アルカリ金属とかハロゲンとか,悪さをしようとしても大がかりなものになるから,悪用しないですよ.
質問
●日本にしかない資源もあるのですか?
千葉県は世界一のヨウ素生産地です.ヨウ素はうがい薬の中に入っているアレです.消毒薬として用いられています.輸出しています.他には輸出する規模の資源がありません.我が国の最大の弱点です.
●虹はどうしてアーチ状なんですか?
光源から等方向に広がる光の通り道を見ているからです.あのアーチをそのまま延長していくと円になります.
●電気を消すとしばらく電球が青い光をはなって暗くなる電球の原理が知りたいです.
励起状態から基底状態に戻るまでに長い時間のかかる物質が存在するのです.
●先生が授業中に教科書のページを教えて下さるのはとっても親切でうれしいのですが・・・教科書に書いてあることが難しくていつも読む気になれません.どうしたらいいでしょうか!?
もうちょっと簡単な参考書を紹介しましょう.
●イギリスの実験のビデオはYouTubeでみれますか?
みれますよ.このページからもリンクしてあります.
●ダイソンのせんぷうきのしくみを教えて下さい.
ここに解説がありますよ→ 羽根のないダイソン製の新型扇風機「Dyson Air Multiplier」、一体どういう仕組みなのかがよくわかるムービーいろいろ(2009-20-14)
●前回の内容なのですが,卵をレンジでチンすると爆発しますが,卵に水を入れてチンすると温泉卵のようになるのは,水が温まりゆでているような状態になるからですか?
卵に水を入れるんじゃなくて,水に卵を入れるんですよね? この場合は卵をとりかこむ水も加熱されるので,茹でているときと似た状況になります.加熱時間をうまく調節すれば白味がトローリとした温泉卵のようになることでしょう.
●アルカリ土類金属ってなんで名前に土類って付くんですか?
土類金属という名称で分類される金属があります.Ca,Sr,Ba,の酸化物の性質が,土類金属の酸化物の性質と,アルカリ金属の酸化物の性質との中間的なものなので,「アルカリ」と「土類」をあわせて「アルカリ土類」にしたという経緯があります.
●先生のストレス解消法って何ですか? 化学実験とかですか?
化学実験はストレス解消になるとはおもえませんねぇ.なんだろ.
●最後の動画で思ったのですが,ハロゲンに炎色反応ってあるんですか?
あります.ハロゲンそのものを焼いたときの炎色反応というのとちょっとちがうのですが,銅線に塩素を含む物質を乗せてあぶると緑色になります.
●Mより外側はあるんですか?
あります.N殻,O殻,と続きます.
●爆発たまごって料理はどんなのですか?おいしくないですよね・・・
●周期表のところで,高校の教科書の発展のところに,L. M. N殻に順番通り入って行かない説明があったんですけど,これは,基底状態とかと関係ありますか?
それとは別のハナシです.
●ゼロイチシグナルって何ですか?
電子計算機の論理判断についてのハナシです.計算機はonとoffのスイッチの組み合わせで論理判断を進めています.offがゼロ,onが1,としてすべてを処理しているのです.詳しくは情報処理関係の講義を担当されている先生におたずねください.
●元素はどうやって国家間でやりとりをするんですか?輸送のしかた,値段など・・・元素って高くていくらぐらいで取引される?
価格はピンからキリまであります.希土類元素の場合,1 kgあたりの価格で2万円から200万円あたりまで様々です.
参考リンク→参考リンク
多くの国では非常時に備えて,稀少金属を備蓄しています.日本では「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」がこの業務を担当しています.
輸送方法はまちまちでしょうねぇ.
次回予告
第4章「原子の結合」に進みます.原子の結合も数回にわけでとりあつかいます.
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