(左)中央大学理工学部3号館,(右)理工学部3号館10階から東京ドームを眺める
昨日(2010年2月6日, 土)は,研究成果報告のために文京区の中央大学理工学部に出かけてきました.
中央大学理工学部応用化学科の芳賀正明教授を代表者とする,中央大学共同研究費「光を利用したバイオ分子のナノマニピュレーション」研究プロジェクトが,昨年4月から単年度プロジェクトとして進行中です.このプロジェクトには2年前の申請時から私も加えていただいています.
研究メンバー
これまでも非公開の研究ミーティングを行ってきたのですが,3月にプロジェクトが終了することもあって,このたび公開シンポジウム形式で報告会が行われたのでした.
共同研究は芳賀教授の研究室に所属する学生が,DNAの物性を評価するために宗行教授の研究室でDNAの一分子観察を試みたところからはじまります.ここで固相上のDNAにレーザ照射しながら一分子観察を試みたところ,DNAの興味深い挙動が観察されたのでした.
DNAは配列と鎖長の揃った高分子材料として理想的な高分子化合物です.この材料を操る技術を手にすることは,21世紀の化学とナノテクノロジーをリードすることを意味します.さっそく「光+DNA」をキーワードに研究プロジェクトがスタートしたという経緯があります.
土曜日の成果報告会では,外部から2名の先生に特別講演をしていただきました.
山村教授は化学の視点から生命現象にアプローチされている方です.最初にお会いしたのは私が学部4年生か修士1年目の頃でした.この春で定年退職されるとのことで,時間の流れを感じます.
竹内准教授には私が東京大学在職中にお世話になりました.3年間にわたり私はバイオ研究共同実験室の管理人を努めていました.その施設で行われた研究の一つが,今回の共同プロジェクトとも関係するものとなりました.
予算年度はこの3月で終わりとなりますが,情報交換をはじめとする「ゆるいつながり」はこれからも続いて行きそうです.
DNAナノ構造体の原子顕微鏡観察をやらなければならないのですが,中央大学の装置がDNA観察用にチューニングされているみたいなので,こんどお借りしようと思っています.
*1:千喜良先生には今から十数年前,卒業論文・修士論文でお世話になりました.英文で書いた修士論文を丁寧に添削していただいたことを今でも感謝しています.今の私が何とか英文研究論文を出版することができるようになっているのは,あのときのマンツーマンでのご指導のおかげです.