Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

学生相談室セミナー「発達障害:理解とその対応」

今年の5月に健康管理センターに赴任して来られた柘植道子先生による講演会が17時からありました.国内の場合,小学校生児童の約6 %が発達障害者に当たるそうです.日本国内においては,発達障害をもつ学生の正確な人数調査は行われていないそうです.なお,アメリカのある大学では3%の学生が発達障害だそうです.
発達障害の学生に対して物事を指示する際の注意点として,「何をすべきか具体的に指示すること」が挙げられます.「自分で判断して適切に処理しなさい」というあいまいな指示はダメだというわけです.この点,実は発達障害ではない学生に対して指示する際にも当てはまる考え方です.
自分ではわかっていても相手には全くわからない感覚や基準というものがあります.「それは物事の本質ではないし重要な点ではないので適当にやっておいてくれ」というようなことを私はよく言っています.今年度の講義を担当しているコースの受講学生から寄せられた質問に対しても私は「自分で考えて適当にやってくれ」というような返答を何度かしてきました.しかし,これは相手にしてみれば何も答えになっていないいいかげんな(それこそテキトーな)言葉でしょう.
今回のセミナーは発達障害の学生をケアする際のアドバイスがメインでしたが,私にとっては平均的な学生を相手にする際にも参考になるものでした.
と言いつつ,また「どうでもいいから自分で考えて適当にやってくれ!」などと言うのかもしれませんが.

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