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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(22)アルケンとアルキン

看護2014

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キーワード

共役二重結合,高分子化合物,シス-トランス異性体,シス付加,重合体,脱離反応,導電性ポリマー,トランス付加,ビニル化合物,付加重合,付加反応,ポリマー(重合体),マルコフニコフ則,モノマー(単量体)

今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの

アクリル酸,アクリロニトリル,アセチレン,塩化ビニリデン,塩化ビニル,酢酸ビニル,スチレン,テトラフルオロエチレン,ビニロン,フマル酸,ポリアクリル酸,ポリアクリロニトリル(PAN),ポリアセチレン,ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリ酢酸ビニル(PVAc),ポリスチレン(PS),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリビニルアルコール(PVA),ポリプロピレン(PP),ポリメタクリル酸メチル(PMMA),マレイン酸,メタクリル酸メチル

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.

講義内容要約

  • アルケンやアルキンのπ電子は正電荷をもつ粒子と作用して化学反応を引き起こす.
  • 工業的にアルコールを製造するときには,アルケンの二重結合に水をトランス付加させる.トランス付加というのは,アルケン分子平面の上から正電荷をもつ粒子が,下から負電荷をもつ粒子がくっつくパターン.Cl2,Br2,HCl,HBrとかも同じように付加する.
  • マルコフニコフ則:付加反応が進むとき,二重結合で結ばれた2個のC原子のうち,すでにもっているH原子の数が多い方に次のH原子が付きやすい.
  • パラジウムと炭素から成る固体表面上に水素とアルケンを通すと,二重結合に水素がシス付加する.シス付加というのは,アルケン分子平面の同一方向から付加が生じるパターン.
  • ハロゲンをもつアルカンに強塩基を作用させるとハロゲン化水素が抜けてアルケンが得られる.これは脱離反応の一種.脱離反応というのは,分子が抜けて分子量の減少した新たな分子が残る反応のこと.
  • ハロゲン化水素を脱離させる反応では,電子密度の最も低いH原子が引き抜かれて,そのHが結合しているC原子の隣のC原子に結合しているハロゲン原子が引き抜かれる.
  • 分子量の小さな分子が次々と連なって分子量の大きな分子になる反応が重合反応.重合反応の原料は単量体(モノマー),生成物は重合体(ポリマー),分子量が1万を超えたあたりから高分子化合物と呼ばれる.
  • 付加反応が連続して重合が進む反応が付加重合.
  • 単結合と二重結合とが交互に続く構造パターンが共役二重結合.共役二重結合は連続した1.5重結合として考える.共役二重結合ではπ電子が自由に動きまわる.
  • 共役二重結合が延びた状態になっているポリアセチレンは人類初の電気を通すポリマー.

関連トピック

自然界を彩る共役二重結合

銀杏の葉にはルテイン,ニンジンにはカロテイン,トマトにはリコペンが含まれており,いずれも共役二重結合をもつ化合物です.共役二重結合の長さと,周辺構造の違いによって色が変わります.

電気を通すプラスチック

アセチレンを付加重合させて合成するポリアセチレンは,人類初の導電性ポリマーです.これ以降,さらに高性能な導電性ポリマーが開発されてきました.導電性ポリマーは携帯電話や医療機器のタッチパネルや電気部品に使われています.

確認問題

アルケンの反応に関する基本問題.

出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている

●むずかしいけれど説明きいてるとおもしろです! ちゃんと理解できるようがんばります.
●身の周りにある色々なプラスチックが,自分が使っているものの役に立っていると知って本当にすごいと思った.コンタクトレンズとか,ないと困るものばかり!
●身近なところで使われているので感動しました.ビニル化合物を作り出してくれた人たちに感謝です.
●消しゴムじゃなくて「消し塩化ビニルあ正しい」がおもしろくてつぼでした(笑)
●私の身の周りに有機化合物のものがあってびっくりです.少しの構造のちがいで様々な素材のものができるのはすごいなと思いました.
●分子のちょっとした違いで私たちの目に見えている色が変わるということを知り,1つ1つの分子の構造を解明することはとても大変なんだと思った.
●タッチパネルが医療現場で感染症防止に役立っていることに驚きました.常に化学はいろいろなところで役立っているんだなと思いました.
●人生常に考えながら生きていく事で,新しい発見の可能性がぐっと広がると思った.
●板書で手がつかれました(笑) 様々な身の周りのものにたくさんの物質が応用されているんだなと思いました.
●我々は有機化合物がないと今のような便利な生活はできないなと改めて思った.
●構造式たくさんで大変です
●暗記は早めにしようと思います.
●生活の中でかなり人工につくられたものに助けられていることに気付きました.覚えるのは大変そうですががんばります.
●理解できるようにします.
●むずかしかったです.
●頑張ります・・・
●付加重合難しい・・・
●付加重ナゾです
●付加重合むずかしい・・・.予習ちょっとさぼってたけどちゃんとやろうと思いました.
●付加重合がわかりません.
●付加重合についてまだよくわかんないので復習します.
●ちゃんとわからなかったので復習してきます!
●もう一度しっかりやりなおしてテストまでにはできるようにします・・!(笑)
●プリント復習します.
●プラスチックの電導性があることは,よく考えれば,スマホなどからわかることだけれど,おどろきました.

●マルコフニコフ則が文章を読んでも???となってしまいました.重合がとくに難しいと思った.
●どうして1-プロパノールができないのですか・・・説明おねがいします.

マルコフニコフ則の有機電子論は次回説明します.

出席者数推移

(1)44→(2)44→(3)43→(4)44→(5)43→(6)43→(7)42→
(8)43→(9)43→(10)41→(11)43→(12)43→(13)42→(14)41→
(16)41→(17)29→(18)35→(19)36→(20)35→(21)37→
(22)32

次回予告

「(23)酸素を含む有機化合物」を学びます.2回に分けて学ぶ1回目.配布物で予習してくること.

有機化学のSNS/web連動企画を始めたよ!

このブログを書いている人


野島高彦(@Takahiko NOJIMA)はこういう人 - 大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)

はじめて学ぶ化学

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参考書籍

有機電子論解説―有機化学の基礎

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マクマリー有機化学〈上〉

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  • 作者: マクマリー,John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2009/02
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図解でわかる 有機化学のしくみ

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