Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

化学講義(8)原子の結合続きの続きの続き&モル

出席票77枚(履修者85名).大学生活に慣れてダレて来る時期でしょうか,遅刻者が目立ちます.無理に出席票だけ出しに来てちょこっとだけ話を聞いて帰ったところで何もいいことはないですよ.

前回の講義に対するコメントの一括紹介

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これらをひととおり紹介しました.今回も2ページありました.詳細は→6月10日のエントリー

トピック紹介:アボガドロ定数

6.02×1023という数はどれくらいのものなのか.6.02×1023円だと我が国の国家予算で28億年分,6.02×1023 gだと地球上の海を4割強埋め立てられる量になります.これだけ大きなスケールの数値を毎回毎回考えるのはタイヘンです.そこで「モル」の登場です.

アボガドロ定数を精密に測定する試みが続けられています.12Cの12 g中に含まれる原子の個数がアボガドロ数個ということになっていますが,その個数は厳密に定まるものではありません.そこでシリコン結晶の格子に基づいて精密にアボガドロ定数を求める研究が進められています.現在,有効数字7桁.

参考サイト→産総研で測定したアボガドロ定数、物理定数を決定する国際機関で採用

アボガドロ定数が正確に定まると「質量」の定義を変えることができます.現在,質量は「国際キログラム原器」に基づいて決められています.実際の物体ではなく物理法則に基づいた定義を実現するためには,アボガドロ定数に基づいた質量の再定義が必要なのです.国際キログラム原器を用いる計測の有効数字が8桁なので,シリコン格子に基づく計測の精度があと一桁向上すれば定義を変えることができるようになります.それはいつの日になるでしょうか.

アボガドロ定数の測定が続いていることを高校のときに聞いたことがありましたが,こういう理由があったなんて初めて知りました.とても納得しました.

6×1023をお金でどれくらいかを考えるのが面白かったです.化学でその数字を機械的に勉強していたのですごく大きいということを忘れていました.楽しかったです.

金属結合

陽イオンと自由電子の集まりが金属結合です.自由電子があるため電気と熱を伝えやすくなり,延性と展性が生じます.

水素結合(p107)

同じ質量の水について,液体状態から固体状態に変化した際に体積が増える仕組みを水素結合から説明しました.また,この際の体積増加が鉄をも破壊する強さを持つものであることを以下のムービーで紹介しました.

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一方,水素結合にはソフトでフレキシブルな分子間結合を実現する能力がみられます.その一例としてDNA分子をとりあげ,DNA複製過程のムービーを上映しました.

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水素結合がよくわかりました.

イオン結合と水素結合の違いがよくわからなかった.

また爆破があっておもしろかった.

水の体積増加の脅威が実験の映像を見せていただいたことによって実際にわかり,おどろきました.こういった力をもっと大きいエネルギー源として活用していけたらいいのにと思いました.

水素結合により氷は編み目構造になるから氷は水に浮くのだとわかった.

今まで学習してきた「結合」をこれから活かしていきたいです.

酸化数(p109)

化学は酸化数だけ大好きです.

高校のときに酸化数を求めるときに一般則を全部書かれて覚えさせられた記憶があります.1族,2族って言われた方が頭の中でまとめやすかったです.暗記は苦手なので関連づけで覚えられると楽しく頭に入ります.

酸化数と価電子のモヤモヤがすっきりしました.

塩化物イオンは-1の電荷だと思ってたからその他の価数もあるのはおどろきだった.

おいおい,酸化数と価数を間違えてるぞ.

Oの酸化数が-1になるものもありますよね?

Oの酸化数の例外は話さなくていいですか(H2O2)

大丈夫.まずHを+1と考えるところから酸化数を絞り込むと解説しました.この段階でOの酸化数が-1になることがわかります.

化学式の書き方(p114)

正の酸化数がもっとも大きいものを前にかく,とあるが,KClO3はClの酸化数が+5なのになんでK(+1)より後なんですか.

また面倒なツッコミを・・・.こんど説明します.一般則っていうのは必ずそこから漏れるものが出てくるんですよねえ.

第5章 化学反応式とモル(p120)

反応物と生成物の量的関係を取り扱う際にはモル→モルの変換が基本です.しかし現実世界にはモルを直接計測する道具はありません.そこで重さとか長さといった計測容易な物理量で物質をはかり,その数値をモルに変換します.モルで得られた物質量は重さや長さに再度変換することができます.これらの操作では分子量・式量および密度が換算係数となります.さらに気体を取り扱う場合には1気圧・0℃において種類を問わず体積が22.4 Lであることも利用可能です.この体積が他の温度や圧力下においてどうなるかはボイルの法則,シャルルの法則から導くことができます.

モル→モルの計算を行うにあたっては化学式の係数あわせが必要になる場合があります.ここでも周期表の「族」やオクテット則が係数あわせのヒントを与えてくれます.

このように,モルを基準に考えることによって様々な数値の相互関係が見えるようになるとともに,これまでに化学講義であつかってきた様々な概念がリンクされて行きます.

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モルって便利だなーと思いました.モルと楽しくお付き合いしていきたいです.

モルがよく分からないのでしっかりと理解していきたい.

やはり化学といえばモルですよね.楽しみです.

ついにモル キターーーーーー(゜∀゜)---------- !!!!!ー 実際のところモルやらないと化学やってる気がしません.

モルは好きなのでもっとやってほしいです.酸化数も好きです.

高校のときmolになった瞬間,化学が嫌いになりました

そんなあなたにこの書籍↓

授業のはじめに日々新しい発見の話をしていましたが,質量保存の法則は今後も決してくつがえらないものなんでしょうか.

原子核崩壊に伴って「質量欠損」という現象が生じます.核反応の際に質量がエネルギーに変換されるためです.ここは別の機会に扱います(たぶん放射線のところ).

化学反応にともなう数値の関係をこのようにまとめたことがなかったので,まとめてみると意外と自分でもあまり深く理解していないことに気づいた.

アタマの中の知識や考え方をリンクさせて行ってイモづる式に問題解決できるようになりましょう.

ついに化学式がでてきた

化学式が出てきたので楽しくなってきた.

その他コメント

化学式の書き方などが懐かしかった

高校の復習みたいな内容だった.いいペースでわかりやすかった.ムービーもよかった.

高校のときから悩んでいた問題が今回の授業で解決できた.

高校でならった化学式の書き方よりももう少し詳しく教えてもらえてわかりやすかったです.

前回の内容より簡単でした.

とてもわかりやすかったです.

特にない.今までの授業でよいと思う.テストが近くなったら形式など教えて下さい.

スライドの字が少し細かいので後ろの方では見えないのではないでしょうか.前でも少し見づらいです.

いろいろ不平をいう方は前の方の席へ来れば良いと思います.文字も良く見えますし,寒くもありませんし,声もよく聞こえます.

先生の化学への愛が伝わってきて,授業が毎回楽しみです.

今回は話し方がとても丁寧で分かりやすかった.

特にありません (n人から)

次回予告

第5章を終わらせ,第6章「物質の3つの状態」(p149)に進む予定.

リンク

www.tnojima.net
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