Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

(2)原子の構造

第2回目

先週は40名の出席者がありましたが,今回は28名に減りました.選択科目の開講時間との兼ね合いで他の開講時間に移ったり,化学要習を履修しなくても化学講義を理解できそうだと判断したり,そのほかいろいろな理由が考えられます.また,履修しているうちに必要性を感じなくなる学生も出てくるので,コースによっては最終的に半分とか三分の一とかまで出席者数が減ることもあります.

本日の講義内容

原子の中身について考えました.原子を解体すると電子,陽子,中性子,になります.これらの組み合わせが変わると元素の種類が変わります.

キーワード→原子核,電子,陽子,中性子,原子番号,質量数,同位体,電子殻,価電子,閉殻,イオン

質問

出席シートに質問を書いてきた学生が2名.

たとえば、もしArの原子核を半分に分割できるとしたらFになったりするのですか? また、21Hの原子核を合わせて42Heにすることはできるのですか?

原子核をきれいに半分に割ることができれば,Fの原子核が得られるでしょう.電子も半分に分けて分配すればFになりますね.ただしそのような技術は今のところありません.21Hの原子核を合わせて42Heにする反応は太陽で今も進んでいます.核融合反応です.

3のような問題が苦手です。どうすればいいですか?

「3のような問題」というのは,元素名・元素記号(質量数と原子番号を含む記述法のもの)・原子番号・質量数・陽子数・中性子数・電子数,の中のどれかが与えられているときに,残りを答える問題のことです.

苦手克服のためには,各数値の関係を正しく理解することが大事です.たとえば原子番号=陽子数=電子数,という関係を思い出せば,これらのうちのどれかが与えられていなくても同じ数字を引っ張り出すことができます.ここがわかれば,質量数=陽子数+中性子数,の関係から質量数 or 中性子数がわかります.

次回予告

4月28日,第3章「元素の周期表」に進みます.

2010年度化学要習

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