結論:こういうのには従わなくてよい
電子メールは24時間いつ送信してもいいし,Facebookではいちいち「シェアさせていただきます」とか断らなくていいし,Twitterではいちいち「FF外から失礼します」とか断らなくてOKです.
1 夜中に電子メールを送ってもOK
電子メールを夜中に送ると「何時だと思ってるんだ!『非常識』なやつだ!」と怒るヒトがいますが,そういう主張の相手をする必要はありません.「非常識」ではないからです.
電子メールは365日24時間,好きなタイミングで送信することを前提につくられたしくみだからです.このことを理解するためには,郵便と電話のしくみを比べてみるのがよいでしょう.
1.1 郵便は非同期型コミュニケーション
普通郵便は送信者が365日24時間 都合のよいタイミングで手紙を投函してOKです.それがしばらくして受信者のポストに届きます.受信者は都合のよいタイミングで自宅のポストに行って手紙を受け取ります.ポストに手紙が届いたとき昼寝していても,料理していても,手紙を受け取るために態勢を整える必要はありません.送信者と受信者がそれぞれ都合のよいときに送ったり受け取ったりできるしくみだからです.こういうのを「非同期型コミュニケーション」とよびます.
1.2 電話は同期型コミュニケーション
これに対して電話は「同期型コミュニケーション」です.電話がかかってきた場合,とりあえずそのときにやっていた作業を中断して受話器を取ります.そして,電話をかけてきた側の都合に付き合うことになります(同期).電話をかけるときには,相手に都合を「合わせてもらう」ことになるので,たとえば寝ている可能性の高い夜中の2時に電話をかけたらマズいとか,ドタバタしている可能性の高い朝の7時に電話をかけたらマズいとか,そういうことを考えます.
1.3 電子メールは非同期型コミュニケーション
電子メールは,誤解している人もいますが,非同期型コミュニケーションです.普通郵便のしくみを電子化したしくみになっています.
送信者が送信した電子メールは電子メール用のサーバーに保管され,それを受信者が都合のよいときに「受け取りに行く」しくみになっています.だから365日24時間都合のよいタイミングで送信してよいし,365日24時間都合のよいタイミングで受け取りに行けばOKです.そういうしくみなのです.
1.4 電子メールを同期型コミュニケーションにしちゃったヒトたちがいる
21世紀近くになってみんなが携帯電話を使い始めると,アレもコレもソレも携帯電話に組み込まれていきました.その中に電子メールもありました.携帯電話を使い始めてから電子メールも使い始めた,という人々にとっては,「自分でメールを受け取りに行く」というしくみが面倒で複雑で理解困難でした.だから電話がかかってきたら着信音が鳴る,と同じように「メールが電子メールのサーバーに送られてきたら着信音が鳴る」という設定が普及してきました.
あとから来た人たちが勝手に電子メールを同期型コミュニケーションにしちゃったんです.
そうすると,電子メールを非同期型コミュニケーションとして使っている人が「明日の昼にでも読んでくれればOK」って考えて深夜2時にメールを送ると,受信者が同期型コミュニケーションなヒトだった場合に,携帯電話の着信音が深夜2時に鳴ることになっちゃう,なんてことになっちゃうわけです.それで「何時だと思ってるんだ!『非常識』なやつだ!」ってなっちゃうわけです.
送信者にしてみれば電子メールの本来の使い方をしているのに,自分で勝手に着信音設定してるヒトに怒られるわけだから理不尽です.もうそういうヒトと付き合うのはやめよーっていうことになります(そしてそのほうが幸せだったりする).
【結論】夜中に電子メールの着信音が鳴るのがイヤなら,着信音を切ってから寝ればよい.送信する側にメール送るなとか文句を言うのは間違っている.
1.5 そういうのをわかってない人々の相手もしなければならない
しかし,こういうのがわかってない人々の相手もしなければならないので,やれやれ,しょうがない,送信する側としては「相手が携帯電話で受信していて,寝る前に着信音を切っていないかもしれない」っていうあたりまでは考えて,深夜には送らない,程度の「配慮」をすれば人間関係の余計なトラブルを起こさずに済むかもしれません.この「配慮」は送信者の自主的な配慮であって,受信者側が求めるものではありません.
- 送信者→配慮する
- 受信者→配慮を求めない
あたりがみんながハッピーに過ごすための最適解ですね.電子メールに限らず さまざまなものごとがコレなんだろうけど.
1.6 メーリングリストをつくるときは送信可能時刻ルールを決めておくのがオススメ
メーリングリストを新しくつくるときは,送信時刻を決めるかどうかを決めておくことをオススメします.「各自の『常識』の範囲内で」だと
「夜中に送るな!」
「文句があったら着信音を消せ!」
「着信音を消したら職場からの緊急連絡が受け取れないだろ!」
「それはおまえの都合だろみんなに強制するな!」
っていう調子で紛糾します.私もこのパターンをこの人生でいくつも見てます.不毛です.しくみを考えたら365日24時間送受信OKなのが「常識」だよねぇ.ヘンなのー
なお,「常識」という言葉が出てきたときは,どの地域のどの世代のどのグループの「常識」なのか,を考えることをオススメします.目の前にいるヒトのアタマの中だけの「常識」,なんていうこともあります.
2 「シェアさせていただきます」とか書かなくていい
Facebookでいちいち「シェアさせていただきます」って書いてからシェアする人々がいますが,コレ,いつの間にか日本国内に広まった珍習慣です.ルールで定められているわけではありません.書かずにシェアすることに何ひとつ問題はありません.
「『シェアさせていただきます』って書かないのは『非常識』だ」みたいなことを主張しているヒトもいるみたいですが,そういうヒトの常識とか非常識っていうのは「俺様ルール」なので相手にしなくてOKです.
少なくとも,ずらーーーーーっと並ぶ「シェアさせていただきます」っていうのを見てヘンなのーって感じる感覚があったら,「シェアさせていただきます」なんて書かないことをオススメします.もちろん,「シェアさせていただきます」って書きたい人は今後も書けばOK.
私は書かないけど.
3 「FF外から失礼します」とか「FF外から失礼しました」とか書かなくていい
Twitterでフォロー and/or フォロワー関係にないアカウントのツイートに対してリプするとき「FF外から失礼します.」って断るのも,いつの間にか日本国内に広まった珍習慣です.文字数制限140文字の中の11文字をコレに割り当てるのは無駄です.Twitterはフォロー and/or フォロワー関係になくてもコミュニケーションできるしくみにつくられているのだから,わざわざ断る必要なんてないわけです.
私は書いたことないなー.
4 そういうことでアレコレ言って来るヒトとは付き合わないほうがいい
そういうわけで,「夜中にメールを送るな!」とか「シェアさせていただきますって書け」とか「FF外から失礼しますって書け」っていう勘違いを主張してくるヒトがいたら,取りあわないことをオススメします.
人生は有限なので,そういう勘違いを相手に要求して不自由にしてくるような人々の相手をしているヒマはないからです.
人生は有限なので,愛することのできない物事とか人々とかの相手をしているヒマは ないんだ.
— 野島 高彦【化学】 (@TakahikoNojima) 2016年8月31日
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