Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(21)アルカンとアルキン

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レジ袋の原料に使われているポリエチレンは,石油から得られるエチレンを付加重合して製造される人工樹脂です.輸液バッグや人工関節の素材として医療でも役に立っています*1

キーワード

アンチ付加,共役二重結合,シス-トランス異性体,シン付加,重合体,脱離反応,導電性ポリマー,ビニルモノマー,付加重合,付加反応,ポリマー(重合体,高分子),マルコウニコフ則,モノマー(単量体)

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.

講義内容要約

  • アルカン,アルケン,アルキンにおける炭素-炭素間結合の比較
  • π電子が正電荷をもつ粒子と作用して付加反応を引き起こす
  • アルケンへのアンチ付加とシン付加
  • マルコウニコフ則で生成物の構造を予測する
  • 脱離反応でどの原子が取れるか?
  • 付加重合で役に立つ高分子化合物を合成する
  • 共役二重結合ではπ電子が自由に動きまわる
  • 共役二重結合が延びた状態になっているポリアセチレンは人類初の電気を通すポリマー

関連トピック

自然界を彩る共役二重結合

銀杏の葉にはルテイン,ニンジンにはカロテイン,トマトにはリコペンが含まれており,いずれも共役二重結合をもつ化合物です.共役二重結合の長さと,周辺構造の違いによって色が変わります.

電気を通すプラスチック

アセチレンを付加重合させて合成するポリアセチレンは,人類初の導電性ポリマーです.これ以降,さらに高性能な導電性ポリマーが開発されてきました.導電性ポリマーは携帯電話や医療機器のタッチパネルや電気部品に使われています.

質問

  • 最近注目の有機化合物は何ですか?

有機EL素子になる材料

  • マルコフニコフ則は立体障害と関係あるんですか?

ある.ホウ素化合物と過酸化水素と塩基を組み合わせて使うときに立体障害でマルコウニコフ則が成り立たなくなる.

コメント

  • マルコウニコフ則について理解できた.
  • マルコーウニコフ化学楽しい
  • アンチ付加がよくわからなかった
  • 反応パターンを利用することで色々な物質をつくれるんですね
  • 実は多くの発見がゴミ箱に捨てられているかもしれないと考えると,なんともいえない気分になりました.
  • パスツールさんの名言を忘れません.
  • 有機苦手ですが頑張ります!
  • 有機は得意かもしれない
  • 有機は覚えることが多いです.
  • 有機化学きらいです.
  • ひたすら覚えます
  • 次回もがんばる
  • 次回気をつけるべき点がわかった
  • ちゃんと予習をがんばる
  • 次回はしっかり予習していきたいです
  • 予習がんばる!
  • ふくしゅうしたいと思いました.
  • やきいも食べたい
  • 気になるあの子に付加したい
  • おもしろかったです
  • わかりやすかったです
  • 自炊始めました.楽しいです.
  • 昨日私の誕生日でした.
  • カゼぎみ辛いー
  • 舌がいたい
  • 眠いです
  • 寒暖差アレルギーなのか花粉症なのか風邪なのかわからないけど鼻水が止まらない.でも今日はいい天気.
  • 風邪が大流行しています
  • すっごく眠いです.秋,冬は眠気をそそられる気候が多いのでイヤになります.
  • とっても眠かったです.
  • 朝早く起きるのつらい
  • 長野に帰りたいっていう友達がいます

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出席者数推移

次回予告と予習内容

「(23)酸素を含む有機化合物」を学びます.2回に分けて学ぶ1回目.配布物で予習してくること→自宅学習(21)アルケンとアルキン+(22)酸素を含む有機化合物その1
www.tnojima.net

参考書籍

有機電子論解説―有機化学の基礎

有機電子論解説―有機化学の基礎

↑2章『二重結合,三重結合および分子内の分極』,8章『二重結合への付加反応』,9章『脱離反応』
マクマリー有機化学(上)

マクマリー有機化学(上)

  • 作者: John McMurry,伊東二,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2013/01/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
↑7章『アルケン:構造と反応性』,8章『アルケン:反応と合成』

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