マニキュアの溶剤に使われているアセトンは人類史を変えた,酸素を含む有機化合物のひとつです.
キーワード
アルコール,アルデヒド,エステル,エーテル,価数(アルコールの),カルボニル化合物,カルボニル基,カルボン酸,級数(アルコールの),共鳴,ケト-得ノール平衡,ケトン,酵母,ザイツェフ則,発酵,フェノール類
今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの(すでに登場したものも含む)
アセトアルデヒド,アセトン,安息香酸,エタノール,エチレングリコール,ギ酸,グリセリン,グルコース,m-クレゾール,酢酸,ジエチルエーテル,シュウ酸,フェノール,t-ブチルアルコール,メタノール
講義内容要約
- 酸素を含む有機化合物の構造パターン6種類のうち5種類の紹介:アルコールR-OH,エーテルR-O-R',アルデヒドR-CHO,ケトンR-(C=O)-R',カルボン酸R-COOH'
- アルコールの価数と級数
- フェノール類は別に考える
- アルコールの製造方法:メタノールはCOとH2から,酒用エタノールは発酵,工業用アルコールはエチレンに水付加
- アルコールの反応:分子内脱水,分子間脱水,酸化
- ザイツェフ則
- ビニルアルコールとアセトアルデヒドのケト-エノール平衡
- カルボニル基の共鳴
関連トピック
世界史を変えた有機化合物:アセトン
第一次世界大戦中,アセトンは貴重な軍需物資でした.爆薬を製造するためにはアセトンが大量に必要だったからです.しかし,当時の技術ではアセトンを大量に製造することができませんでした.この要請に応えたのがイギリスのユダヤ人化学者ヴァイツマンでした.彼はバクテリアを用いる発酵技術によってアセトンを安価に大量生産可能としました.その見返りに彼が大英帝国から受け取った報酬は,母国建設のための土地でした.この土地が現在のイスラエルとなり,彼はその初代大統領を務めました.アセトンは世界史を変えた有機化合物の一つです.
確認問題
- アルコール類の反応に関する基本問題
質問とかコメントとか
高校のころからアセトンアセトン言われつづけてきたけれどアセトンの重要さがよくわかりました.
「ハイム・ヴァイツマン」ってすごい人だと思った! 世界で一番恐ろしいのは科学者だと思いました
なんで「芳香族」って言うんですか?
芳香をもつ化合物が多かったからです.
出席者数推移
(1)64→(2)66→(3)64→(4)65→(5)64→(6)62→(7)61→(8)60→(9)60→(10)63
→(11)62→(12)59→(13)58→(14)60
(16)60→(17)50→(18)50→(19)53→(20)50→(21)47→(22)46→(23)50
有機化学のSNS/web連動企画
参考書籍
- 作者: 佐藤健太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (15件) を見る
- 作者: 山崎幹夫
- 出版社/メーカー: 白日社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: John McMurry,伊東二,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2013/02/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 井本稔
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 1990/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る