Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

看護学科の化学講義(18)酸および塩基とpH

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キーワード

pH,pKa,塩,塩基,価数,緩衝作用,強塩基,強酸,酸,酸解離定数Ka,弱塩基,弱酸,中和,中和滴定,電離度,水のイオン積Kw

講義内容要約

  • H+を与えるのが酸で,受け取るのが塩基
  • 酸および塩基の価数と強弱
  • 電離度αと酸解離定数KaとpKa
  • 水のイオン積Kw = [H+][OH-] = 1.0×10-14 mol2 L-2 (25 ℃)
  • pH = -log10[H+] *2
  • 中性,酸性,塩基性におけるpH
  • 中和反応と滴定

該当する教科書のページ

第14章「酸および塩基とpH」の161ページから166ページあたりまで.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

質問

  • 先生は料理をするときは,化学的思考でしていますか? 「これにはこういう性質があるから熱するとこのような化学反応がおこり,うまみがupするぞい!!」みたいな

考えることもあれば考えないこともあるっていう程度です.「スパゲティに塩いれて塩析!」とか「フッ素樹脂コート(・∀・)イイ!!(でも伝熱の効率がアレ)」とか「三角コーナーに塩素系スプレーで殺菌!」とかそういう

  • ダムで回収されたCaSO4はその後何かに使われるんですか?

何かに使われることはなく,埋め立てられている模様です.

群馬県ホームページによれば,浚渫された堆積物は、脱水処理された後に、ダム近くの処分場へ運ばれ、セメントと混合され埋め立てられます。
-吾妻川の水質(ヒ素)についてお答えします。/群馬県

  • 豊洲の移設で問題になっている地下水を調査しに来た議員(たぶん文系)が,その水に素手で触れていたのですが,これは大丈夫なんですか?強アルカリ性でもダメですよね? その前に,何が溶けているかわからないものを素手で触れるなんてあり得ない.

素性のわからない液体を素手で触れるのはダメですね.
っていうことを『地下水を調査しに来た議員(たぶん文系)』は,
可能性その1: わかってなかった.
可能性その2: わかってたけど,アレは危険ではないと わかっていた(せいぜいセッケン水くらいのpHだし).
ホントにマズい水だとしたら都庁の職員が撮影スタッフを引き連れた議員を入場させないだろうし,させたとしても手袋を貸すとか防護服を着せるとか,そういうことをやったでしょう.

出席者数推移

(1)64→(2)66→(3)64→(4)65→(5)64→(6)62→(7)61→(8)60→(9)60→(10)63
→(11)62→(12)59→(13)58→(14)60
(16)60→(17)50→(18)50

次回予告と予習内容

「(19)pHと緩衝溶液」を学びます.

*1:http://www.ac-illust.com/

*2:厳密には違うんだけどこの理解で実用的に問題なし.