[演習]30秒トーク
自分で選んだテーマについて調査レポートを書いて来ることが本日までの課題でした.
そのレポートでテーマとなっている物事について,30秒間の持ち時間で自由に話すのが今回の演習でした.
最終的に以下のようなテーマに収まりました.
- NFC
- アニマルセラピー
- 腕時計
- 香り
- 家庭用お掃除ロボット
- 花粉マスク
- カラオケー高齢者とカラオケ
- 原子力エネルギー
- 水素自動車について
- スープジャーについて
- 多肉植物
- たまごっち
- ティッシュペーパーの歴史と今後
- 電光掲示板
- 夏の流行の色について
- 日本人の履き物の進化
- 日本と米国のレーション(軍事用食品)の違いについて
- 日本における自動販売機について
- 日本のアニメ
- プラネタリウムについて
- ポケモン
- ポテチ
- ホームドアについて
- 冷凍食品製造技術
[解説]事実と考えとを混ぜてはいけない
30秒トークが続くとキツいので,全体を3分割して,途中でものごとの考え方についての解説を2件入れました.
最初の解説は「事実と考えとを混ぜてはいけない」です.
レポートを書くときにも,何かを主張するときにも,「事実」と「意見」をごちゃ混ぜにして論理展開してしまうことがあります.また,故意に両者を混ぜて自分に都合の良い結論に導き出す困ったヒトもいます(悪徳商法の多く).そこで,「事実と意見」について考えてみました.
まず,次の文章を読んでみましょう.
近頃の学生は整った文章を書く能力がないという声をよく聞くが,私はこれは主に理科系の学生に関していわれていることだと思う.理科系の学生がきちんとした文章を書けないことにふしぎはない.彼らの本領は文学ではないからである.
木下是雄,理科系の作文技術,p111より引用
なんとなくヘンな感じがするものの,よく読まないとどこがヘンなのかが気づきにくい文章です.
この文章の問題点は,
近頃の学生は整った文章を書く能力がない
という記述は「事実」ではなくて「判断」なのに,これを事実として
理科系の学生がきちんとした文章を書けないこと
に接続してしまっているところにあります.
レポートを執筆するとき,この手のミスを犯さぬよう注意を払いましょう.
また,この手のおかしな論理展開にひっかからないよう注意して文章を読みましょう.

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[解説]議論と討論と口論
「議論」と「討論」と「口論」の区別が付いていない人は珍しくありません.
区別がつかないために不要な争いや混乱が生じている場合もあります.
これらがどのように違うのかを確認しておきましょう.
「議論」は,異なった結論を持つ者どうしが,互いに納得(妥協)できる結論を探して行く行為です.
互いに譲り合って意見を調整し,一つの結論を目指します.
「討論」では,一つの意見への収束は目指しません.
異なる意見を持つものがそれぞれの意見を紹介しますが,それらの意見に基づいて決断を下すのは,第三者です.
「口論」は単なるケンカですね.
結論を目指すわけでもなく,決断を第三者に下してもらうわけでもない,不毛な行為です.

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次回の予定
今回提出してもらったレポートにはすべてコメントを赤ペンで記入して返却します.
第1回目から学んできた内容を振り返り,これから先の大学生活,そして人生にどのように役立てていくのか,確認します.