Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

大学基礎演習B(4)授業ノートは役立つ記録その1

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本日の演習内容を要約した配付資料(PDF)

授業内容

  • [グループワーク]ノートのとりかたアレコレ.15分間.
  • [解説]大学に理想的な授業などというものを期待しても
  • [解説]大学で行われている講義形式アレコレ
  • [演習]模擬授業(1)板書中心のスタイル
  • [解説]ノートを取る→記録を残す

[グループワーク]ノートのとりかたアレコレ

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前回の課題をもとにしたグループワークです.入学後に,

  • ノートをとるときに困っている点
  • ノートをとるときに工夫している点
  • ノートをとるときのちょっとしたワザ

などなど,ノートについてのアレコレを15分間にわたって話しあってもらってから,グループごとに発表してもらいました.
それらに対して私がコメントして行きました.

[解説]大学に理想的な授業などというものを期待しても

幼稚園から高校までの教員は「教員免許」をもっていて,教育を仕事とするためのトレーニングを受けて教員になって教育の仕事をしているわけです.

一方,大学教員の仕事は「研究と教育」になり,学部によっては「診療と研究と教育」になったりするわけです.

我が国には大学教員免許なんてものはなく,教員としてのトレーニングを受けていないヒトが教員をやっているわけです.理想的な授業など期待しても*1

[解説]大学で行われている講義形式アレコレ

ほとんど板書せずに「語る」形式から,情報タイフーン状態のスライドショーまで,いろいろあるもんだから,学生はタイヘンです.

とくにスライドショー形式は国内ではせいぜいこの10年くらいしか歴史がありません.スライドショーやっている教員は,自分がスライドショーで講義を受けたことがないのです.だからアレな授業になっちゃうんです.

この問題については来週のテーマの一つとします.

[演習]模擬授業(1)板書中心のスタイル

キーワードだけが板書されて,あとは語るだけ,というスタイルの講義もまだまだあります.どのようにノートを取ればよいでしょうか?

私の「模擬授業」に対して,各自で取ったノートとってみてもらいました.模擬授業のネタは「長さをはかる」です.「1メートル」の定義の歴史について.

[解説]21世紀の技術を使う

講義で受け渡される知識と情報を持ち帰るためには,ノートに残すことだけがベストな方法とは限りません.ボイスレコーダー,デジタルカメラ,ビデオカメラ,などなど,「記録」用の道具を活用するのも効果的です*2

次回までの課題

これから受ける1週間の講義の中からどれか1時間分のノートを選んで持ってきてもらいます.
具体的な工夫,今回の授業で学んだ内容の実践,などなどをグループワークのネタにします.

次回予告

「授業ノートは役立つ記録その2」です.スライドショー形式で進められる講義で,どのようにノートを取るか,について詳しく解説します.模擬授業あり.

参考書

今回の演習では以下の書籍を参考にしました.

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

一生モノの勉強法―京大理系人気教授の戦略とノウハウ

一生モノの勉強法―京大理系人気教授の戦略とノウハウ

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

私が使っている小道具

OLYMPUS ICレコーダー Voice-Trek V-13

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注意

一部の学部では授業中の撮影と録音が禁止されています.

*1:と言っても,高度な研究能力を持った人物は講義や演習や個別指導の場面でも,専門家としての能力を応用して仕事を進めるため,スバラシイ講義を行う場合が多いのですが,一方,研究能力がアレだと,アレなものを応用して教育するもんだから講義も悲惨な

*2:撮影するときは講義担当者に許可をもらっておきましょう.また,著作権の問題が生じるので,不特定多数がアクセスできる場所に画像や音声のファイルをアップロードしてはダメです.学部によっては専門科目の撮影 and/or 録音が全面禁止になっています.