Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

看護学科の化学講義(28)バイオテクノロジーを支援する有機化学

f:id:takahikonojima:20131220221518p:plain

講義内容要約

  • 合成化学の技術が進歩したので,ペプチド,DNA,RNAを合成することができるようになった.
  • 生体高分子の化学合成はタイヘンな作業なので,コンピュータ制御のシンセサイザーを用いた自動合成法が用いられている.
  • 短い一本鎖DNAと,耐熱性DNA合成酵素と,温度可変装置を組み合わせることによって,遺伝子中の特定領域を増幅する方法がPCR.コレは20世紀のバイオテクノロジー+バイオサイエンスに最もインパクトを与えた技術.
  • 蛍光色素を共有結合したddNTPsを混ぜておくDNA合成反応によって,DNAの塩基配列を解読することができる.
  • DNA塩基配列解読技術を用いて,人間を含むさまざまな生物のゲノムDNAが解読されてきたし,これからも解読されて行く.

キーワード

ddNTPs,DNAシーケンサー,DNAシーケンシング,DNAシンセサイザー,dNTPs,遺伝子工学,液相法ペプチド合成,組換え遺伝子実験,蛍光色素,ゲノムプロジェクト,サーマルサイクラー,固相法ペプチド合成,耐熱性DNA合成酵素,プライマーDNA,ペプチドシンセサイザー,保護基,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR),メリフィールド法

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.

関連情報

PCR

DNAシーケンシング

2015年にゲノムが解読された生き物の紹介

後期試験についての説明

授業評価アンケート

2015年度後期の授業評価アンケートを行いました.
アンケート結果が返ってきたら公開します.
過去の授業評価結果はすべて公開しています→授業評価アンケート結果

出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている

  • 前期の成績(点数)ってまだ調べられますか

調べられます

  • 論述って出ないですよね
  • 前期からの範囲からもどのように範囲がでるのですか?

試験については次回の講義開始時に

  • 前期と同じように練習問題のようなものは配っていただけますか?

模擬問題のことだったら本日の講義開始時に配布しました

  • DNAの構造や複製法などは去年やった生物にも出て来て懐かしく思ったし,DNAの合成法はまだまだいろいろあることを知って面白かったです.
  • 高校の生物でPCRとか少しやったなーってなんだかなつかしくなりました.
  • PCRの実験を高校でやったのでなつかしかった.
  • 自分のDNAを12,000円で調べてみたいと思った.
  • 化学のテスト優をとれるよう頑張りたいです
  • テスト頑張りますちゃんと勉強します

f:id:takahikonojima:20151207131956p:plain

  • 化学が進歩することで世界は変化するけれど確かにどこにゴールがあるのか何を目標としているのかはわからないと思いました.
  • 先生ずっと早口ですごいなって思って聞いてました

出席者数推移

(1)51→(2)58→(3)56→(4)56→(5)55→(6)55→(7)51→
(8)54→(9)54→(10)57→(11)51→(12)54→(13)54→(14)49→
(16)48→(17)38→(18)41→(19)40→(20)38→(21)41→(22)40→
(23)30→(24)32→(25)37→(26)13→(27)34→(28)29

次回予告と予習内容

医療や生命科学に関連する化学は今どこまで進展しており,これから先の10年間でどのように発展するのでしょうか.2025年の化学(医療関連)を考えます.2015年度の金曜2限化学講義は最終回になります.

参考書籍

有機電子論解説―有機化学の基礎

有機電子論解説―有機化学の基礎

マクマリー有機化学(中)

マクマリー有機化学(中)

  • 作者: John McMurry,伊東二,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
  • 出版社/メーカー: 東京化学同人
  • 発売日: 2013/02/12
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
図解でわかる 有機化学のしくみ

図解でわかる 有機化学のしくみ