Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

看護学科の化学講義(19)pHと緩衝溶液

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キーワード

pH,緩衝系,緩衝作用,緩衝溶液

講義内容要約

  • 体内のpHは緩衝系によって一定範囲に保たれている.
  • 体内の主な緩衝系としては,炭酸水素系とリン酸系とがある.
  • 体内の緩衝系は呼吸や排尿とも連携した平衡移動を利用して体内のpHを一定範囲に保っている.
  • pHを一定範囲に保って行う実験には緩衝溶液が用いられる.
  • 緩衝溶液は弱酸と弱酸の強塩基塩,あるいは弱塩基と弱塩基の強酸塩が用いられる.
  • 緩衝溶液を希釈しても,緩衝溶液に酸や塩基が加えられても,pH変化が抑えられる作用のことを緩衝作用と呼ぶ.
  • pKaがわかっている弱酸の濃度と,そこに加える塩の濃度がわかれば,緩衝溶液のpHを求めることができる.弱塩基と塩の場合も同様.
  • 酸や塩基が加えられた際の緩衝溶液のpH変化は,適切な近似計算により求めることができる.

該当する教科書のページ

第14章「酸と塩基とpH」.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

確認テスト

出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている

●CaαとCbってなんですか?

黒板で説明した範囲では,Caは炭酸の濃度,Cbは炭酸水素ナトリウムの濃度,アルファは炭酸の電離度.

●頭が痛くなりました.

化学が原因なら学習サポートセンターへ,そうでなければ健康管理センターへどうぞ.

●人の身体は我々が思っている以上に素晴らしいしくみなのだと思った.
●改めて体の中で様々な反応が行われているんだなと感動した.
●いつのまにか10月に入っていてびっくりしています.化学もだんだん少なくなってきますね.
●「≒」の存在を忘れないようにしたいです.
●近似値のところがまだ少し理解できませんでした・・・
●今日は眼鏡を忘れて大変でした.
●2週間ぶりの化学(すいません).なんだかとてもたのしかったです.
●次回もがんばります.
●次回の予習がんばります.
●事前に配布してもらったプリントのおかげでlogがわかりやすかったです!!
●夜,はやく寝ようと思いました.
●すみません.疲れて少しねむりました.次がんばります.
●よくわかりました.
●KとかCbとか難しかったです.
●pH苦手だ・・・
●久しぶりにpHについて勉強しましたが,けっこう忘れていることが多かったので,もっと勉強します.
●難しそうだけど頑張ります!
●教科書みて復習したいです.
●ちゃんと復習します.
●難しくて高校のときも苦手な範囲だったので,テストまでに習得できるようにしてきます!!
●今日は教室くさくなかった!
●私たちは先進国にいるからこそ,他国の状況とかをしっかり把握することも必要だと思うし,化学の知識をふかめることは,いろいろなことに役立つと知った.
●最後のひとやすみのところのスライドで,木の下側が赤さびで赤く上は普通の木という画像を見て,衝撃的でした.小さなことからでも問題の先送りはすべきではないと強く感じました.
●最後のうちらのきれいな薬品や,高度な医療は,どこかの誰かの犠牲の下で成り立っていると知って,そのままでいいのだろうか?と思いました.
●ハンガリーのお話で,私たちの豊かさの裏に,犠牲があることを忘れてはいけないなと思いました.
●最後の汚染された森の写真は驚きました.科学が進歩してきて快適な生活を送れていますが,その中で必ずどこかでしわよせがあるっていうことを忘れてはいけないと思いました.しっかり勉強して正しい知識を身に付け,うまく付き合って行きたいと思います.

●赤さびになっても成長できるんですか?

枯れる木もあるだろうし,表面が汚れただけの木もあるだろうし.

出席者数推移

(1)44→(2)44→(3)43→(4)44→(5)43→(6)43→(7)42→
(8)43→(9)43→(10)41→(11)43→(12)43→(13)42→(14)41→
(16)41→(17)29→(18)35→(19)36

次回予告と予習内容

「(20)放射線と放射能」を学びます.教科書15章(177ページから188ページ)を予習しておくこと.

このブログを書いている人


野島高彦(@Takahiko NOJIMA)はこういう人 - 大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)