キーワード
m-配向性,o-,p-配向性,アセチル基,アミド基,アミノ基,エチル基,置換基効果,転位,ニトロ基,ニトロ化,配向性
今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの(すでに登場したものも含む)
p-キシレン,p-クレゾール,アセチルサリチル酸,アセトアニリド,アセトン,アニリン,安息香酸,エチルベンゼン,エチレン,エチレングリコール,クメン,クロロベンゼン,サリチル酸,サリチル酸メチル,スチレン,テレフタル酸,トルエン,ニトロベンゼン,フェノール,プロピレン,ベンゼン,ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリスチレン(PS),ホルムアルデヒド.
講義内容要約
- ベンゼン環をもつ化合物は医療現場のあちらこちらにある.たとえば鎮痛剤のアスピリン,イブプロフェン,ロキソニン,シャーレのポリスチレン,送液管のPET.
- ベンゼン分子内で6個のC原子をリング状につなぐC-C結合は等価で,これら6個のC原子が6個のπ電子を共有している.
- π電子がプラス電荷をもつ粒子をつかまえて,代わりにH+を放出するパターンの置換反応で,ベンゼン環にイロイロな置換基を導入できる.
- 一発で導入できる置換基もあれば,いったん別の形で導入しておいて後から変化させる必要のある置換基もある.
- ベンゼン環に2個の置換基を導入するとき,2個めの置換基の入る場所は,1個目の置換基の種類によって決まる.これを置換基効果という.
- 2個目の置換基をo-およびp-位に入れる1個目の置換基の性質をo-,p-配向性,m-位に入れる性質をm-配向性という.ベンゼン環に直結した原子に多重結合があるとm-配向性になることが多い.
- ベンゼン環の欲しい位置に欲しい置換基を入れるためには,置換基の配向性を考えることが重要.
- 人間は天然から得られるシンプルな構造の分子を原料に,論理的な合成ルートを設計することによって,複雑で有用な分子を手に入れてきた.
- 合成化学の技術を用いて人類はさまざまな問題をやっつけてきたし,これからもやっつけて行くから,医療技術の進歩,そして人類の未来に希望を持ってOK.
確認問題
出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている
●内容を理解できたのでよかった.次回もがんばりたい.
●復習がんばります
●一つ目の置換基で配向性が決まることは知りませんでした.
●アセチルサリチル酸の合成実験楽しかったです.
●今日はクイックな上にラッキー券の日です.お腹痛い.
●やきいも大会行きたいけど5限の授業とかぶるため行けるかわからない.時間によるかも.
5限終わってから参加でもOK.
出席者数推移
(1)89→(2)89→(3)87→(4)80→(5)79→(6)75→(7)79→
(8)73→(9)74→(10)74→(11)78→(12)75→(13)71→(14)76→
(16)76→(17)66→(18)65→(19)63→(20)65→(21)63→
(22)56→(23)56→(24)57→(25)53
有機化学のSNS/web連動企画を始めたよ!
@TakahikoNojimaさんの「2014年度化学講義25回目に登場した有機化合物 #tnchem」が250viewを超えたみたいだよ。多くの人にチェックしてほしいよね。 http://t.co/6CAKtB9T3W
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このブログを書いている人
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