Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(28)バイオテクノロジーを支援する有機化学

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講義内容要約

  • 合成化学の技術が進歩したので,ペプチド,DNA,RNAを合成することができるようになった.
  • 生体高分子の化学合成はタイヘンな作業なので,コンピュータ制御のシンセサイザーを用いた自動合成法が用いられている.
  • 短い一本鎖DNAと,耐熱性DNA合成酵素と,温度可変装置を組み合わせることによって,遺伝子中の特定領域を増幅する方法がPCR.コレは20世紀のバイオテクノロジー+バイオサイエンスに最もインパクトを与えた技術.
  • 蛍光色素を共有結合したddNTPsを混ぜておくDNA合成反応によって,DNAの塩基配列を解読することができる.
  • DNA塩基配列解読技術を用いて,人間を含むさまざまな生物のゲノムDNAが解読されてきたし,これからも解読されて行く.

キーワード

ddNTPs,DNAシーケンサー,DNAシーケンシング,DNAシンセサイザー,dNTPs,遺伝子工学,液相法ペプチド合成,組換え遺伝子実験,蛍光色素,ゲノムプロジェクト,サーマルサイクラー,固相法ペプチド合成,耐熱性DNA合成酵素,プライマーDNA,ペプチドシンセサイザー,保護基,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR),メリフィールド法

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.

参考ムービー

PCR

DNAシーケンシング

後期試験についての説明

コメント

●テストがんばって優をとります.
●2023年の化学について興味をもったので次回が楽しみです.
●DNAの研究が奥深くておどろいた.

●2010年みたいに必ず出る問題ってないですか?
●2010年の模擬問題みたいに絶対出すよって問題を1つでいいんでつくってほしいです.

ダメ.あの年度は毎回の確認テストとか解答配布とかをやってなかったし過去問も前年のものしかなかったわけで,今年度とは状況が違うから.

出席者数推移

(1)89→(2)88→(3)88→(4)86→(5)79→(6)82→(7)78→(8)77→(9)74→(10)72→
(11)61→(12)75→(13)72→(14)67→(16)59→(17)59→(18)50→(19)53→(20)57→
(21)60→(22)42→(23)44→(24)51→(25)47→(26)45→(27)44→(28)48

次回予告

医療や生命科学に関連する化学は今どこまで進展しており,これから先の10年間でどのように発展するのでしょうか.2023年の化学(医療関連)を考えます.2013年度の水曜1限化学講義は最終回になります.

これまでの講義録

このブログを書いている人

講義1回目から20回目までの内容を収めた教科書

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

参考書籍

DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ (ブルーバックス)

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マクマリー有機化学〈下〉

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