未来のことを考えてみよう
10年後.たとえば病院で働く人生を送っているとしましょう*1.病室に行くと輸液バッグがぶら下がっていて,患者の体内に栄養剤を送っています.輸液バッグには,透明で中身が見えて,軽くて丈夫な材料が使われています.よく使われるのはポリエチレン.使い終わったら焼いてしまえば炭酸ガスになるので処分が簡単です.再利用しないので衛生的です.
輸液バッグの中身は,患者の身体に負担がかからないように,成分の濃度をうまく調整してあります.浸透圧が計算されているわけです.
自信をもって答えられるのってハッピーなこと
身体の外からチューブで何やら液体が送り込まれて来るっていいうのは不安なものです.たまたまそばを通りかかったあなたに,患者は尋ねるかもしれません:「こんなことになって,大丈夫なんでしょうか?」
医療の専門家であるあなたは答えることでしょう:「大丈夫です!」
そのとき,あなたは自信を持って答えることでしょう,特に,化学を学んだことがあればね.
ポリエチレンのバッグが衛生的であること,輸液の成分濃度がちょうど良いレベルに計算されていること,そういうことがわかっているからこそ自信を持って「大丈夫です!」と答えられるわけです.
自信を持って答えられる,っていうのは,専門家としてとてもハッピーなことではないでしょうか?
目では見えない世界をイメージできるのってハッピーなこと
医療機器を操作するためにタッチパネルに触れるとき,「色とエネルギーの関係」や「電気が流れるプラスチック」についてなんとなく知っていると,目では見ることのできない小さな小さな小さな世界や,そこで動き回る電子のことを一瞬イメージできるかもしれません.そういう世界がイメージできる人生っていうのは,ハッピーなんじゃないでしょうか?
大学で学ぶのはハッピーになるため
そういうふうに,イロイロなことがわかって,イロイロなことがイメージできる人生を実現するための一つの通り道が,大学で学ぶことなのです.
未来の社会を建設しよう
私の化学講義の最終的な目標は,化学を学んだ人々がハッピーな人生を送り,未来の社会をハッピーにしてくれることです.私はそういう世の中で暮らしたいのです.健康で楽しく豊かで幸せな未来の社会を建設しようぜ☆
このブログを書いている人
*1:看護師とか診療放射線技師とか臨床工学技士とかの国家資格を取得するためのコースで私は化学講義を担当してるので今回は病院を例に出しました.