履修登録93名,79名出席,出席率85 %.
キーワード
アルコール,アルデヒド,エステル,エーテル,価数(アルコールの),カルボニル化合物,カルボニル基,カルボン酸,級数(アルコールの),共鳴,ケトン,ザイツェフ則,接触還元,フェノール類
でてきた有機化合物
アセトアルデヒド,アセトン,安息香酸,イソプロピルアルコール,エタノール,エチレン,エチレングリコール,グリセリン,グルコース,クレゾール,酢酸,ジエチルエーテル,フェノール,2-プロパノール,ベンジルアルコール,メタノール,2-メチル-2-プロパノール
事前配布資料
前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.
講義内容要約
- 酸素を含む有機化合物の構造パターン6種類:アルコールR-OH,エーテルR-O-R',アルデヒドR-CHO,ケトンR-(C=O)-R',カルボン酸R-COOH,エステルRCOOR'.
- 分子内に-OHを1個もつのが1価アルコール,2個だと2価アルコール,3価だと3価アルコール.コレをアルコールの価数という.
- メタノールを基準に考えて,-OHの付いたCのHが1個炭化水素に変わると第一級アルコール,2個変わると第二級アルコール,3個変わると第三級アルコール.メタノールは第一級に含める.
- ベンゼン環に-OHが直結した構造をもつ有機化合物がフェノール類で,アルコールとは化学的性質が違うから別グループとして考える.
- 工業用アルコールはアルケンへの水付加,酒類用アルコールはデンプンの発酵により製造されている.
- 酸を触媒にしてアルコールを加熱するとエーテルやアルケンが得られる.
- アルコールから水分子が取れてアルケンが生じるとき,-OHの付いたCの隣のCに付いたHが一緒に取れるんだけど,隣と言っても両隣があって,どっちのCかというと,もともともっているHの数が少ない方のCからHが取れやすい.コレをザイツェフ則という.
- そういうのは完全にどっちか片方だけ得られるっていうわけではなくて,反応が終わってみると目的物の他に副生成物もできていて分けるのが超タイヘンっていうことも珍しくないから合成化学やってる人々はタイヘン.
- 第一級アルコールをおだやかに酸化するとアルデヒドに,アルデヒドを酸化するとカルボン酸になる.カルボン酸もアルデヒドも還元するとアルコールになる.
- 第二級アルコールを酸化するとケトンになる.
- 第三級アルコールは酸化されにくい.
- ベンゼン環をもつアルコールを酸化すると安息香酸になる.
- >C=Oがカルボニル基で,コレをもつ化合物をカルボニル化合物という.ようするにアルデヒドとケトンはカルボニル化合物.
- カルボニル基の分極と共鳴について説明したけど書くの面倒だから省略.
- カルボニル化合物はPt触媒存在下でH2とシス付加してアルコールになる.この方法を接触還元法という.
- アルケンを酸化するカルボニル化合物が得られる.
- アルコール,アルデヒド,ケトン,カルボン酸は水素結合する.
- カルボン酸は分子間で水素結合して見かけ上の分子量が2倍になって沸点や融点が高くなる.
関連トピック
香水の化学
大分県別府市にある,大分香りの博物館を紹介しました.よい香りのする物質の多くはアルデヒド,ケトン,アルコール,エステルといった酸素を含む有機化合物を主成分とします.天然から芳香成分を得る際,植物からだけでなく,動物の体内から取り出されるものもあります.代表的な香料源と,それらをもつ生き物について説明しました.
●香水に動物が使われていたのは驚きました!特にマッコウクジラ・・・
意外なところに意外な材料が使われています.知らなければよかった,なんていうものもあったりして.
世界史を変えた有機化合物:アセトン
第一次世界大戦中,アセトンは貴重な軍需物資でした.爆薬を製造するためにはアセトンが大量に必要だったからです.しかし,当時の技術ではアセトンを大量に製造することができませんでした.この要請に応えたのがイギリスのユダヤ人化学者ヴァイツマンでした.彼はバクテリアを用いる発酵技術によってアセトンを安価に大量生産可能としました.その見返りに彼が大英帝国から受け取った報酬は,母国建設のための土地でした.この土地が現在のイスラエルとなり,彼はその初代大統領を務めました.アセトンは世界史を変えた有機化合物の一つです.
●てっきり昔は爆弾にトリニトロトルエンくらいしか使っていなかったと思っていたので,トルエンも使われていて驚きました
トルエンからトリニトロトルエンを作るの!
確認問題
- アルコール類の反応に関する基本問題.
コメント
●ざせつ●ざせつ!●最後がわからなくなりました●ざせつ●要復習●ざせつ●ざせつ●むずかしいです●ベンゼン環が困った顔にみえてしょうがないです●べんきょーしまーす●なんとなく分かったけど微妙です●ざせつ●ネットゲームじゃないけど11月1日販売テイルズにはまりそう・・●忘れている,化学も・・・
●正直よくわかってないのでテスト前,復習します
試験直前にまとめてやろうとすると時間切れになって死亡.
●後期になって毎週自分のコメントが前に載ってます.コメント書いてる人が意外と少ないのだろうか・・・
書いてない人の方が多いです.問題を解くのに忙しい模様.
次回予告
「(24)酸素を含む有機化合物その2」を学びます.2回に分けて学ぶ2回目.先週の配布物で予習してくること.
ヤキイモイベント追加報告
11月中旬から下旬の火曜日になる模様です.
リンク
www.tnojima.netwww.tnojima.net
第19回までの範囲を解説した教科書
参考書籍

- 作者: マクマリー,John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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