先週やった「原子軌道と混成軌道」に続いて,今回も分子の形に関係する内容.生き物の身体は分子の形をみわけてイロイロやってます.だから生命系の有機化学は分子の形に注目して進めるのです.履修登録94名中79名出席,出席率84 %.
キーワード
アルカン,アルキン,アルケン,異性体,エナンチオマー,官能基,構造異性体,ジアステレオマー,シクロアルカン,シス-トランス異性体,示性式,脱離反応,置換反応,転位反応,付加反応,不斉炭素原子,芳香族,立体異性体
でてきた有機化合物
アラニン,イソプロピルアルコール,エタノール,エタン,塩化メチレン,オクタン,ジエチルエーテル,クロロホルム,クロロメタン,四塩化炭素,シクロヘキサン,ジメチルエーテル,トレオニン,パラフィン,ブタジエン,ブタン,フマル酸,プロパン,ヘキサン,ヘプタン,ベンゼン,ペンタン,ポリエチレン,マレイン酸,メタン
事前配布資料
前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.
講義内容要約
- Cを含む化合物が有機化合物.でもCO2とかNaCNとかCaCO3とかは含めない.厳密に分類することに意味なし.
- 種類は多い:6000万種類以上ある.
- 構成元素の種類は少ない:C,H,O,Nがメインで,他にS,P,ハロゲン,その他が含まれるものもある.
- 基本骨格はCとHで,ここにイロイロな官能基が付いて構造バリエーションを広げる.
- 有機化学の反応パターンは4種類だけ:付加,脱離,置換,転位.
- 分子を描くときに全部の原子のつながりを描くのは面倒だから,炭素と水素とをまとめて描くとか,示性式を使うとか,折れ線で結合をあらわす方法を使うといった,イロイロな方法がある.
- 異性体がイロイロある:まず構造異性体と立体異性体に分ける.立体異性体にはエナンチオマーとジアステレオマーがある.シス-トランス異性体もジアステレオマーに含める.
- 基本骨格がCどうしの単結合で組み立てられているのがアルカン,CとCとが二重結合でつながった構造をもつのがアルケン,CとCとが三重結合でつながった構造をもつのがアルキン,アルカンが環状になったのがシクロアルカン.他にベンゼンを代表例とする芳香族,などがある.
- アルカン分子内のHが外れて他の原子とか官能基とかが入る反応がアルカン分子の置換反応.アルカンが関係する反応は置換反応がメイン.他には燃焼反応くらい.
有機化合物の構造と名前を覚えよう
ワケもなくたくさんの構造式や名称を覚えても役に立たないので,医療に関係ある化合物を中心に100種類の化合物を選んでおきました.先週配布.覚えるのであればココに載ってるものから手をつけることをオススメします.ココに出ている化合物に関しては,名称と構造とが対応づけられていることを前提に後期試験を出題します.
確認問題
ジアステレオマーとエナンチオマーの区別がついているかどうかを確かめる問題.講義に途中から来た者には何がなんだかわかんない.再履修がイヤだったら早起きせよ.
コメント
●高校までの知識が大きく変わりました●有機化学に追いついていけるよう頑張ります!!●ざせつ●コメントうかばない●よくわからなくなりました・・・●わからない・・・●シストランス異性体以外の場合がよくわかりませんでした.●ジアステレオマーがいまいちよくわからない●ジアステレオマーの意味がわかりません.●よくわからない・・・次回から心配です.
●鏡像異性体でみられたH3CとCH3の表記は区別しなくてはいけないのですか?
区別しなくてOK.
イベントのおしらせ:学内BBQ場でヤキイモ!
次回予告
「(22)アルケンとアルキン」を学びます.配布物で予習してくること.予習してこないと恐らく付いて来られない.
リンク
www.tnojima.netwww.tnojima.net
第19回までの範囲を解説した教科書
参考書籍
- 作者: マクマリー,John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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