前回の授業終了後に寄せられたコメントの紹介
前回の授業終了時に寄せられたコメントをすべて紹介し,回答しました.詳細は前回の授業記録に記載してあります.
グループワーク:調査レポート第1版の総合講評
「調査レポート第1版」をグループ内で相互講評しました.そのためにレポートでは全ページ右側に6 cm幅の記入スペースを設けました.ここにコメントや気づいたことなどを記録しておき,その内容を第2版に反映させるしくみになっていました.
1週間かけてテーマを考えるとともに,その調査内容をレポート第1版にまとめてきましたが,扱う範囲を広くとりすぎるとレポートとしてまとまらなくなってしまいます.また,具体的に絞り込みすぎても,レポートにならない場合もあります.テーマそのものに見直しが必要とされる場合もあるでしょう.そういうことを発見するために,20分間のグループワークを行いました.
演習:テーマ発表
グループワークもふまえて最終的に「調査レポート第2版」のテーマを決定してもらいました.それを1人ずつ全員に発表してもらいました.出席番号順とかグループ順とかいうやりかたは退屈なので,ちょっとしたスリルを求めてクジで発表者を決めて行く方法をとりました.今回の出席者全員がテーマを発表し,それに対して私がコメントして行き,テーマを決定する,という手順を踏みました.レポートで扱う範囲の絞り込みや,内容の整理もここで行いました.今回はテーマの設定についてだけにコメント.内容については来週.
テーマは以下の通りです.
家電
- 炊飯器
- 扇風機について 歴史と10年後の予想
- 冷房機の歴史と10年後
- エアコン
- 電子レンジ
- 洗濯機について
- テレビ
- テレビについて(放送よりもテレビ自体を中心に)
- 3Dテレビ
- 携帯電話
レクリエーションと嗜好品
- Play Station 3
- 携帯音楽プレイヤー iPodとウォークマン
- デジタルオーディオプレイヤー
- iPod nano
- たばこ
医療
- 補聴器
- (視力矯正)眼鏡
のりもの
- DMC-12(デロリアン)の過去と未来
- 自転車
- 自転車
- 次世代型旅客機
サービスとシステム
- CDレンタルサービス
- 有料老人ホームについて
- テレビ放送について
- 太陽光発電
- 栽培漁法と養殖漁法
- インターネットの進歩
同じテーマのもの,とても似たテーマのものもありますが,それぞれ異なる切り口でまとめていました.
解説:エレベータートーク
「レポートの書き方」というと,いかにして指定枚数を文字で埋めるか,とか,フォーマットをどうするか,ということばかりに注意を奪われがちです.しかし,レポートを書くときに最も注意していなければならないのは,書いている本人が「それはようするに何なのか」を理解していることです.
「それはようするに何なのか」
これを簡潔に述べることは,厚いレポートを書くことと同じくらい,場合によってはそれ以上にアタマを使うことです.
そこで,次回までの課題として,「30秒間でレポートの内容を話す」ための準備をして来ることにしました.日本語で30秒間というと,文字にして約200字になります.その「スピーチ原稿」作成を次回までの課題としました.
これは「エレベータートーク」と呼ばれるトークをヒントにした課題です.
たとえば10年後のあなたは,新しい会社を始めようとしているとしましょう.そのために出資してくれそうな人をたずね歩いています.ある日,あなたは高層ビルのエレベーターで,数日前に会った投資家と偶然いっしょになりました.
「あ,この前の話だけどね,ようするに何をやろうとしているのか,手短に説明してくれませんかね」
そんなことを急に言われたあなたは,ドアが開き相手が降りるまでの限られた時間で,印象的な売り込みトークをしなければなりません.
これから先,限られた時間内でものごとを的確に説明しなければならない場面がやってきます.そのときに備えるトレーニングでもあります.今回のレポート課題に選んだテーマは,自分が何かしらの興味と関心をもっているテーマでしょう.その内容を30秒間で説明する,それが次回の演習課題になります.そしてそのすべての30秒間トークに,私がコメントして行きます.
コメント
●他の人のレポートを読んで,自分のレポートに欠けている部分がたくさんあることに気づけたので,次に提出するレポートには今回気づいたことを入れて良いものにしたい.
●みんなのいろいろなテーマが聞けてとてもおもしろかった.サービスという形が具体的に物としてないものを調べている人もいて文章でまとめるのが難しそうだと思った.来週の30秒プレゼンは緊張しそうです.
●レポートは読む人の読みやすさも大切なので,表や写真を効果的に入れるなどレイアウトの美しさも大切だと思いました.
●レポートを書くための調べ作業で,初めて知ることが多かったです.ずっと気になっていた事をこの機会に調べられたので,とにかく楽しかったです.他の人にも知ってもらえるように今日出してもらったコメントをもとに,分かりやすいレポートを作成して提出します.
●人のレポートを見るのはあんまりないことだから,勉強になる.良いところ悪いところ共に自分のレポートとてらしあわせてみると,自分のレポートが客観的に見れる.
●みんなそれぞれテーマが違ったし,テーマが同じでも注文する所がちがくて面白いと思った!!
●テーマの決め方は,広すぎても狭すぎてもだめだということがよく分かった.みんなちゃんと調べてあったし,まとめかたとかも勉強になった.
●みんな違うテーマでよくわからないなぁと思いました.やっぱり,人によって興味関心が違うんだなー
●他の人のレポートを見て,まとめかたがそれぞれ違ったので参考になってよかった.
●他の人のテーマを聞いたら,自分もそのテーマについて興味を持ちおもしろいと思いました.
●今回レポートを書いたときテーマに関する情報をすべて入れようとして,途中,自分が混乱してしまった.これからは「情報を切る勇気」をもってバッサリ切ろうと思った.
●タイトルを絞っていると思っていても,いざ書いてみると話が広すぎて書けないことがありました.
●自分のレポートに足りないところを指摘してくれて助かりました.
●みんなが調べていることがすごく知りたいと思えた.自分の見にくいことをアドバイスされた.
●テスト前にこのレポートは辛かった!!けど洗濯機がなんか好きになった.
●レポート頑張ります・・・.
●みんなのテーマが聞けておもしろかった.興味の向く方向は人それぞれいろいろあるのだなーと改めて思った.
●今までどうやって決められたページ数を埋めるか,どれだけ詳しく書くかを気にすることが多かったので要約しろ,と言われると戸惑ってしまいます.
●テーマによっても,書ける内容が限られてしまう(新しいものだと歴史が書きづらいとか・・・)から,レポートを書くときにはしっかり決めなきゃいけないと思いました.写真とか年表を載せると見やすかった!
●人のレポートにコメントするのって大変.試験前に計画的にやってもきつい!!!
次回予告
30秒間トーク.途中,文章を書くためのヒントを解説する時間を設けます.
2011年度教養演習
このブログを書いている人
参考書
今回の教養演習Bを行うにあたり,以下の書籍を参考にしました.

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理系のための口頭発表術―聴衆を魅了する20の原則 (ブルーバックス)
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