Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(10)化学反応式とモル

前回の講義に対する質問コメントその他なんでも紹介

前回の講義録参照.

本日の配布物

第5章「化学反応式とモル」(p120)

ようやくモルが出て来ました.今年度の3大重点攻略目標の一つです*1.化学反応式の意味するところ,化学反応式の立て方,特に係数の釣り合わせに関して解説しました.また,教科書に記載の例題について解法を解説しました.

●高校のときに未定係数法を覚えようとして,ざせつした理由が今となっては何故だったのか不思議です.●molパニック!●生徒に化学を教えていて,物質量を次に教えるときの参考にしたいと思いました.●化学反応式の係数はいつもかんでやってきたが,しっかりした方法がわかったのでこれからそれを使って少し複雑になってもできるようになりたい.●しっかり勉強してmolを完璧にする.●例題,練習はわかったのに確認問題になったら不安になってしまいました.●さらにモルを理解できてよかった.●mol計算でまたあいまいな部分があるので完璧にしたい.また計算ミスも有効数字も.●やっぱりモルつらいです.●

●g mol-1の使い方がわかりません.

1 モルあたりの質量.

アボガドロ定数のスケール

6.02×1023と言われてもピンと来ないものです.そこで,6.02×1023円は日本国国家予算の何年分になるのか,6.02×1023個の1円玉はどれくらいの体積になるのか,を紹介しました.

●1円玉で6.02×1023個をあらわしたらすごい数だと実感できました.

質量基準再定義

国際キログラム原器を基準に定義されている「質量」を,物理定数で置き換えようとする試みが進んでいます.ひとつの候補がアボガドロ定数を用いる方法です.結晶構造が精密にわかったサンプルを解析し,一定の空間内に存在する粒子数を計測し,その質量を1 kgと定義しなおすのです.そのためにアボガドロ定数を精密測定する研究が進行中です.

●参考情報

●キログラムの定義が変わるなんて実感がわかないです.●フランスにある1 molのものとか,なんか原始的なかんじがした.でもその分身近な気もする.

計算問題

●計算問題が合っていてほしい.●粒子数=分子数ですか?●計算しやすかったです.●時間ないのですみません.

全般

●しっかり勉強して次回もがんばりたい.●まだ分かる●要習の復習します.もう死亡(^p^)●ありがとうございました.久しぶりに最初からこれました.●≡ ←この記号は何ですか ●化学苦手だったけど少しわかった.●高校でやっていたので分かりやすかった.●わかりやすかったです.●有効数字よくわかりません.●簡単な内容だった! ●水銀柱が苦手です・・・●分かりやすかったです●*****学の先生,教え方がヘタなんですよ↓↓↓ 野島先生が*****学の先生だったらよかったのに↓↓↓といつも思います.●エアコンとクーラーのしくみが楽しみです.●高校時代の授業を思い出しました.来週が問題だ・・・.

●先生はいつもよく水を飲んでいますが,一日に何molの水を消費しているんですか?

2 Lと考えて2000 g/18 g mol-1 = 111 mol

●今年の夏は暑い気がするんですが(節電によって)化学の力で涼しく感じる方法ってありますか?

それこそ来週やる状態変化ですよ.

●タッチパネルで操作できる機械が増えていますが,どのようなしくみで動作しているのか知りたいです.液晶のしくみはわかりますが・・・・

透明電極.プッシュすると通電.

次回予告

第6章「物質の三つの状態」(p149)に進みます.

参考書

なんだかんだでこういう本がわかりやすい.

リンク

www.tnojima.net
www.tnojima.net

*1:あとの二つは「濃度」と「有機」