Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

(6)溶液の濃度

出席19名.前回より減りました.「もう化学要習なしでも化学を理解できる」というレベルまで成長した学生が受講をやめたのでしょうか,それとも「モル濃度とかイヤだし」という学生がパスしたのでしょうか.

前回のコメントへの回答

前回の出席カードの自由記入欄に書かれていたコメントへの回答.前回の講義録参照.

講義内容要約

今回は「質量パーセント濃度」と「モル濃度」が登場しました.前者はモルを知らなくても物質が分子やイオンからできていることを知らなくても理解できるもの,後者はモルを知らないとさっぱりというものです.

質量パーセント濃度
溶液100 g中の溶質の質量(g).単位は%.
モル濃度
溶液1 Lに溶解している溶質の物質量(mol).単位は[mol/L].

ほかに登場したキーワード→溶解,溶媒,溶質,電離,電解質,非電解質,水和水.

「質量」,「速度」,「体積」などと比べて「濃度」はイメージしにくい概念です.5 %の食塩水と10 %の食塩水を目でみて区別することは無理でしょう.しかし実験でも仕事でも,サンプルや試薬が水溶液の状態でストックされていることが珍しくありません.濃度に関して正しく理解しないことにはハナシにならないのです.

計算について

分数や小数の計算で引っかかってしまって,化学計算が進まない,という様子が何件かみられました.割るべきところを掛けてしまったり,10倍しなければならないところを1/10にしてしまったり.

また,少し複雑な分数の計算で引っかかってしまっている人も何人かいました.ここでちょっと復習しておきましょう.

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1年生の前期のうちにこういった基本的な計算法を確認しておきましょう.

コメント

今日は高校の時に教わったxを使う方法で解きました.しかし,回答例(青字)の方が簡単なので,そちらのやり方も使えるようにしたいです.

自分に合ったやりかたを身につけてください.今回やったところは一生にわたって使う計算になる可能性大です.

計算がひたすら苦手です.公式があれば時間をかけて解くこともできますが,やっぱり難しいです.単位変換も苦手です.1 Lが,1000 cm3だってこともすっかり忘れてました.たくさん練習問題を解かなければなと思いました.

演習問題+練習問題にとりくんで慣れて行きましょう.

今まで理解できなかったモル濃度の計算がやっとわかりました!

それは何より! 忘れないように!

次回予告

第7章「化学式と化学反応式 I」に進みます.第8章「化学式と化学反応式 II」とあわせて,2回に分けて化学反応を記述する方法を学びます.

前回までの記録

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