ホノルル滞在中に宿泊していたホテルの近くに,ホノルル動物園がありました.動物園なので動物を飼育し,展示する施設なのですが,植物のコーナーも設けられています.
これは「パピルス」と呼ばれる植物です.木材を原料とするパルプから紙が作られるようになる前,このパピルスの茎から作られたシートが情報記録媒体として広く用いられていました.
人間は情報を記録する手段を進歩させながら文明を発展させてきました.パピルスから作られるシートは紙に置き換えられ,紙もまた,森林資源の枯渇に伴って別の記録媒体に置き換わりはじめています;電子媒体への置き換わりです.
情報の伝達が電子ファイルの送受信で行われるようになった社会で私たちは,セルロースを主成分とする植物繊維に,インクを物理吸着させて情報を残す,という記録手段があったことを懐かしく感じるのでしょうか.