北里大学では毎年春に1年生全員を対象に,数学と理科を高校でどこまで履修したか,選抜試験でどの科目を選んだか,それぞれの科目が好きか嫌いか,という項目のアンケートをとっています.
この調査結果をみると,必ずしも「好きなら履修する/嫌いなら履修しない」という傾向がはっきりしているわけでもありません.
↑これは看護学部1年生に関する調査結果です(回答者数106名).化学が「大好き」と答えた学生は少数派です.もっとも多いのは「嫌い」で,「嫌い」と「大嫌い」を合わせると過半数に達します.化学は完全な選択科目なので,履修する学生は例年少なく,多いときで20名程度です(前任者からきいた話).今年の化学履修者は13名でした.
ではこの13名が揃って「大好き」とか「まあまあ好き」と回答しているのかというとそうでもなく,「大きらい」とか「嫌い」と回答している学生もいたりするのです.
一般には人気のなさそうな化学をわざわざ選択するのはなぜか,いちどきいてみたかったのですが,わからずじまいです*1.
一方,医療工学科の診療放射線技術科学専攻では化学を選択必修科目にしています.化学を履修登録しているのは6割程度の学生です.
↑そもそも化学が大きらいだったら医療工学を学ぶのがタイヘンでしょうから,「嫌い」とか「大嫌い」という回答は少数派です.その少数派の大半は化学を履修していないということがわかります.
意外だったのが同じく医療工学科の臨床工学専攻です.
↑「どちらでもない」が凹んでおり,「嫌い」と「好き」に分かれています.このコースは化学が必修科目となっています.透析とか緩衝作用とかについて詳しく学ぶコースなのですが,「嫌い」なみなさんは大丈夫でしょうか.
前期の試験結果と上記調査結果とを比べると,「好き」とか「大好き」と答えている学生が高得点を取っているというわけでもありません.そのあたりがおもしろいところです.私の担当する化学の試験は明日の午後です.どのような結果になるでしょうか.
*1:もっとも,そういうことを聞かれてもこまるでしょうねぇ.