80名出席(履修者85名).遅刻が増えてきたような気がします.
途中から入ってくるやつのドアの音がうるさい.静かに閉めるように言った方がいいと思います.
次回,注意します.なお,ほとんどの遅刻者は後ろのドアから入ってくるので,静かで集中できる環境をお望みの方には前の方の座席をおすすめしております.幸い,空席が多数あります.
前回の講義に対するコメントの一括紹介
これらをひととおり紹介しました.今回は2ページありました.回答内容は2009年6月3日のエントリー参照.
二酸化炭素分子の軌道説明に関する訂正
前回の講義のおわりの方で二酸化炭素分子を構成するCおよびO原子がとっている混成軌道について図を書いて説明したのですが,ここにちょっとしたミスがありました.この点について質問を受けていたので図を使って説明しました.
参考にしたサイトは以下のとおりです.
混成軌道を説明する動画
sp,sp2,sp3混成軌道を説明するには板書だけでは限界があります.よい教材となるムービーをみつけてきたのでこれを紹介しました.
ポーリング博士の紹介
電気陰性度とくればポーリング博士.
以下のサイトが参考になりました.
ハロゲンの反応性
以下のムービーを上映し,F, Cl, Br, Iの4種類の元素が示す強い反応性を説明しました.
爆発には劣るもののハロゲンの反応もなかなかよかった.
ハロゲンは危ないときいていたがまさにその通りだった.
電気陰性度(p102)
電気陰性度の差で共有結合かイオン結合か分かるなんて初めて知った.電気陰性度について前より分かるようになった.
結合の性質を定量的に考えるときに電気陰性度は便利な数値です.
(水分子で)Hがふたつあるから「3.5-4.2」というふうにはならないのですか?
なりません.なぜなら電気陰性度は「二つの原子の間にできる結合」だけに着目するからです.他の原子との結合がどうなっていようと考えないのです.
分子の極性と形(p104)
分子の極性と「かたち」がよくわかりませんでした.
二酸化炭素O=C=Oは直線状分子なのでC=O結合に生じる極性が互いに反対方向を向くこととなり,分子全体では極性を持ちません.一方,水H-O-Hでは2つのH-O結合どうしが角度を持ってつながっているのでH-O極性どうしが合成され,極性が打ち消し合うことができなくなり,分子全体では極性が残る,というしくみになっています.
配位結合(p318)
今まで何げなく配位結合は知っていたけどくわしい構造までよく分からなかったのでしっかり勉強したい.
生体を構成する分子の世界ではあちらこちらに配位結合が関係しています.生命現象と深く関係する結合様式です.
多原子イオン(p108)
以前,BaSO4を飲んだことがあります.
バリウムっておいしいですか?
おいしくありません.わざわざ味付けしてある場合があるのですが,その味がおいしくなかったりして最悪です.
今回青酸カリが工業的には必要なものだということがわかったので,人体には有毒だけど意外と使われている化合物などがあれば知りたい.
いろいろ紹介して行きましょう.
混成軌道を用いたイオン分子構造の解釈
spの話,おもしろいので,もっと深く考えて行きたいです
軌道は計算で求められるのですか?
電子軌道をもっと知りたいと思った.
以上,大学で初めて学ぶ軌道の話に関心を持っている側からのコメント.軌道はコンピュータシミュレーション可能です.分子をデザインする際にシミュレーションが行われます.
硝酸イオンのところがよく分からなかった.
硝酸イオン難しい.
最後の10分の講義が何をやっているのか分かりません.
最後の方が早くてポカンとなりました.
軌道の話はわけ分かりません.
硝酸イオンが平面構造をとること,その際の構造を化学式で表すのは容易ではないこと,さらにイオン中の各結合が共有結合なのか配位結合なのか,というようなことを厳密に定めることは難しいということ,などを最後の10分間で説明したのですが時間がなかったので詳しく説明できませんでした.消化不良の感があります.
その他のコメントなど
6割くらいわかった.
だんだん話が難しくなってきた.
やっぱり難しいです.
むずかしかった.
化学ってとてもかなり難しいです.
どのあたりが難しいのでしょうか.混成軌道のあたりは前期中はひとまずここで終わりにし,後期に有機化学の領域に進んだときに思い出してもらうことにしましょう.
細かい世界により興味をもつことができました.そして日常生活の中のマクロな現象はミクロな化学構造に支配されているのだと思いました.
そうです.自然界は連続したしくみになっているのです.ナノメートル以下のサイズとか10の23乗とかいった量は日常生活からかけ離れていますが,それでもそういった世界がすぐそばにあるのです.
説明が分かりやすくて理解しやすかった.高校のときの化学よりも分かった.
高校のときもそうでしたが化学の先生は例えがうまいです.
化学ではイメージしにくいところが多いので何か日常的なものに類似性を求めることになります.だからでしょうね.その代償は記述の不正確さになります.で,高校までに習うことになっている教科書の内容でアヤシイところを紹介すると・・・
教科書がいかにいいかげんかが良くわかった.
よくわかってないのに教科書に書くなんて,生物みたいだと思った.
教科書に書かれている内容がちょっと不正確だったり,わかったかのように書かれていたりするのは,そうしないと先に進めないからでしょう.たとえば原子の構造を説明するときに惑星モデルからスタートするのは,いきなり1s軌道の電子の存在確立について以下略,とやっていると誰もその先に進めないからです.
今回とりあげた化学結合についても,まずは不正確であっても理解しやすい内容で知識を伝え,その後から修正を施す,というしくみになっているのです.だから「いいかげん」というわけでもないのです.
「生物みたい」というのは苦笑生物学が日々進展していて新しい知識が増えている学問だからです.それと比べると化学は比較的確立した学問ということになります.
オクテット則って何ですか?
5回目の講義でやりましたよ.要確認→化学講義(5)原子の結合
見やすいように文字や記号を大きく書いて下さい.-とか+に○をつけると逆に見にくいです.
電子親和力の場所はいいけど,文字が小さい.
上記2件,善処します(たぶん).
先生なら「周期表の説明を簡潔にまとめよ」と言われたらどうしますか.
教えてあげません.
エアコンが強くて寒いです.
コントローラーは後ろの壁にあります.
マイクの音割れでボウっというような音が時々きこえた.英語と一緒にしゃべらないでください.先生の声がきこえません.ボイスキャンセルを使って下さい.
善処します(たぶん).
特になし (4名)
次回予告
金属結合,水素結合,酸化数について解説した後,第5章「化学反応式とモル」(p120)に進みます.
リンク
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