Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

化学講義(4)原子の構造

7月下旬の陽気です.履修者数85名,今回の出席者数79名.

コメント欄紹介

前回の講義終了時に寄せられたコメントをひととおり紹介しました.

小テスト解説

前回の講義終了時にカロリー計算の簡単なテストを行いました.その解答について解説を求むとのリクエストが寄せられていたので解説しました.回答者81名全員はカロリー計算のやりかたは合っていたのですが,ケタを間違えるなど初歩的な計算を誤る場合があり,正答率は68%でした.卒業後に信頼できる仕事をできるよう,計算ミスなど犯さぬよう気を付けるように注意を促しました*1

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トピック:地デジ化と電子レンジと有機合成

先週の講義ではエネルギーを採り上げました.そのなかで電磁波の波長ごとの利用方法を紹介しました.その延長線上にある話として,2年後に計画されている地上波アナログTV放送のデジタル化がどのあたりの周波数領域のことなのかを説明しました.また,携帯電話と電子レンジの周波数も紹介しました.さらに,有機合成にマイクロ波を用いる試みとして,国内の研究機関が行っている例を紹介しました.

原子の構造に関する講義(p60)

高校までの化学で学んでいる内容が多く含まれる部分なので,各自で予習をしておくよう先週,自習プリントを配布しました.その内容を確認する意味で,少し速いペースで原子の構造について解説して行きました.

キーワード
陽子,中性子,電子,原子核,質量数,同位体(アイソトープ),元素記号,原子番号,原子量,金属,非金属,メタロイド,周期律,原子半径,イオン化エネルギー,電子親和力,陰イオン,陽イオン,典型元素,遷移元素,アルカリ金属,アルカリ土類金属,ハロゲン,希ガス,電子配置,エネルギー準位,エネルギー殻,電子殻,基底状態,励起状態

原子量1のときp,n,11Hの質量1.660×10-24 gの意味がよくわからない.

次回説明しましょう.

基底状態と励起状態(p73)

物質の励起状態が関わる実例として以下の3点を紹介しました.

  • サイリューム(あるいはルミライト)
  • ホタルの光
  • ルミノール反応(血痕分析)
参考サイト
http://www.lumica.co.jp/support/support_gijutu1.html

励起状態,基底状態は大学に入って初めて聞いたが,いろいろなところで使用されていることに驚いた.

周期表を眺めると

以下の3通りの眺め方を紹介しました.

  • 金属と非金属とメタロイド
  • 典型元素と遷移元素
  • ハロゲンと希ガスとアルカリ金属とアルカリ土類金属
関連リンク
一家に一枚周期表

アルカリ金属の反応性に関するムービー上映

以下の2点を上映しました.

D

D

周期表の族の1つの違いって大きいと画像を見て思いました.

アルカリ金属の実験やってみたい

アルカリ金属の水との化合実験,ナトリウムは高校でも先生がやってくれましたが,ビデオ見ておもしろかったです.

セシウムと水の反応がすごかった.あのようなおもしろい動画をまた見たいです.化学が楽しくなってきました.

セシウムやばかったです・・・

化学はあまり好きではないですが,バクハツは好きです.

もっと爆発系が見たいです.

実験のムービーが分かりやすくておもしろかった.

最後のビデオがおもしろかった.

ビデオがとても面白かったです.

ムービーがおもしろかったです.

最後の実験の映像がおもしろくて良かった.

さいごのビデオがよかったです.

最後の実験が衝撃的でした.

最後のスライドがとても面白かったです.次回も楽しみです.

最後に見られるムービーは毎回興味深いので,今後もやってほしい.

映像がおもしろかった.授業は普通である.

映像があると理解しやすくて助かります.

見せてくれる画像は面白く,わかりやすいので,面白そうなものがあればまた見せてほしい.

映像,特にムービーは学習の理解を助けてくれるのですが,なんだかわからなかったけどバクハツしていて面白かった,で終わらないようにしなければなりません.本当は演示実験を教壇上でやってみせるのが良いのですが,時間 & 予算的に無理だし,下手をすると死傷者を出すことになるので,映像をどこかから探してきて紹介する試みを続けて行きます.

自由記入欄から

以下,善処します.

スクリーンを使わないときは青いライトを消しておいて欲しい.少し見にくいです.

スクリーン見せるなら電気を完全に消してほしい.

ムービーのときに電気を消して下さい.

黒板の下の方が机と重なって見えない.

先生の字の丸字すぎるところが何書いてあるのかわからない.たまに消すのはやい.

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次回予告

「原子の構造」の残りを片付けてから「原子の結合」に入ります.

リンク

www.tnojima.net
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*1:医療検査とか放射線取り扱いとかでケタを間違えるという事態は避けたいものです.