前回の講義に対する感想コメント質問その他何でも
↑ここに書かれている内容に対してコメント&解説しました.
詳細は前回の議事録参照→第19回(2009-11-04)
化学トピック(1) 有機EL
有機化合物層に注入された電子と正孔とが結合する際の発光をディスプレイなどに応用する技術が実用化段階に入りつつあります.
導電性プラスチックとの関連性について質問を受けていたので,簡単に技術紹介しました.
国内ではSonyが11型の「有機ELテレビ」を商品化しています.
エレクトロニクスの展示会でも有機ELは注目を集める技術となっているようです.
化学トピック(2) 太陽系外惑星で2例目の有機物発見
地球から150光年の距離にある太陽系外惑星HD 209458bに,水蒸気,二酸化炭素,メタンといった分子が存在することが,赤外線天文衛星スピッツァーおよびハッブル宇宙望遠鏡を用いた観察から明らかになりました.
これは2例目の発見です.
最初の例は昨年5月のことでした.地球から63光年の距離にあるHD189733bという太陽系外惑星に,これらの物質が存在することが,ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観察からわかったのでした.
化学トピック(3) しし座流星群,来週の今日の早朝がピーク?
来週水曜日11月18日の未明,最大で1時間に200個の割合で流れ星が見られると発表されています.はるか彼方からやってきて地上に降り注ぐ流星の粒も,地球上の物質と同じシステムの分子/原子でできています.自然界の普遍性を感じながら星空を見ましょう.
化学トピック(4) TNT爆発の動画
2,4,6-トリニトロトルエンは爆薬に用いられる芳香族化合物です.これが爆発する様子を上映しました.分子がバラバラになるときに放出されるエネルギーは,地面を吹き飛ばすほどの威力を持つのです.
ばくはつがよかったです。またおねがいします。
爆発の映像良かったです。
安息香酸がm-配向性を示す理由
共鳴によりo-位およびp-位の電子密度が減少するため,m-位が求電子置換反応の攻撃部位になります.そのしくみを説明しました.
目的物合成ルート選定のロジック
例としてサリチル酸メチルをベンゼンから合成する場合をとりあげ,合成ルートを決める際のロジックについて説明しました.
続いて,クメン法によるフェノール合成,コルベ-シュミット反応によるサリチル酸合成,メチルエステル化による目的物合成,を有機電子論的に説明しました.
高校のときは、電子のうごきまで考えず、ただコレとコレが結合して、と教科書や問題集通りに覚えていたので、理論的にみることができて分かりやすくなった。
高校のときにやったときと比べて、とても内容が濃かった。
高校でははぶかれていたことが良くわかりました
高校時代の有機は単なる暗記だったが、この講義はロジカルで分かり易いです。
方法とルートの名前が一致しなかったが、今日の授業でやっと理解できた。
やっぱり有機はつながりが多くて覚えるのが大変です。
高校のときよりも細かく過程を習ったが,理解するのが難しそう.
有機化学、嫌いになりそうです
意味不明です・・・・
クメン法ではベンゼンからフェノールが生成するまでどのくらいの時間がかかるのですか?
化学工場で用いられている合成法の場合,複数のステップが同時進行していたり,十分に反応時間をとってから容器内の未反応物を回収していたりするので,一概に「何時間」とは言いにくいのです.
次回予告
これまで紹介しそびれていた脱離反応とラジカル反応を紹介した後,第15章「含酸素有機化合物」に進みます.
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