Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

卒業生の結婚式に行ってきたよ!北里大学に赴任して初めての,卒業生どうしの結婚式に参列☆ その1

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卒業生カップルの結婚式に行ってきました.

2009年4月に北里大学で働き初めて以来,初めて招かれた卒後生どうしの結婚式です.
2010年度医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻入学のA野ユキさんと,2011年度海洋生命科学部入学のN川ユースケくん.

このことをブログに書くよう新婦からリクエストされているので書くことにします.
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場所は大阪の万博記念公園内にある迎賓館でした.

披露宴でスピーチを頼まれたので,そのときに話した内容を適当にアレして アレンジして書いておきます.

お祝いのメッセージ

新婦に初めて会ったときのこと:2010年度

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新婦のユキさんと最初に話したときのことは,一生忘れないことでしょう.
7年前,1年生のユキさんは,いつも教室真ん中前列の,まじめな学生が座る席,に座っていました.
いつも険しい表情をしていたので,何か不満でも抱えているのだろうかと思い,あるとき,早めに講義が終わったときに,何かわからないところでもあるのか尋ねてみました.
すると,
「ぜんっぜんわかんないですよっっ!」
との返事が返ってきました.
「え"」
私,この人生で何かを教えて「ぜんぜんわからない」と言われたのはこのときが初めてで,それ以降もありません.
それだけでなく,
「何ひとつわかりませんよっ!」
と来ました.
ここまで全面的に否定されたのも このときが初めてで,それ以降もありません.
「たとえばどこよ?」
と尋ねてみたところ,
「なんですかこの矢印は!」
と返ってきたので,
「あーソレは気体になるっていうときに使う記号なんだよ↑ ほら気体になると上に昇っていくだろ,だからさ↑」
「・・・・」
「・・・・」
「わっかりやすいじゃないですかっ!」
「・・・・」

ずいぶんと極端な反応をするなーと思ったのですが,そういうやりとりがそれ以降も続き,さらに化学についてだけでなく,パソコンの便利な使い方であるとか,インターネットのちょいとした技術とか,イロイロなものごとをききに来るようになって,そういう調子でユキさんが進級した後も,それから,卒業した後も,現在まで楽しくおつきあいが続いております.私が大学業務で関係している北里キャンパスナビゲーターの活動でも.

例えて言うなら,ユキさんは,好奇心をエンジンにした,ハンドルもブレーキも付いていないスポーツカーのようなタイプ,というところです.とにかくエンジン全開にしてアクセルを踏み込む!

どこに向かうかわかんないけど.

新郎に初めて会ったときのこと:2011年度

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その次の年に,新郎のユースケくんが海洋生命科学部に入学してきました.
彼が化学実験室にやって来たときのことも,一生忘れないでしょう.

「おいおい,なんだソレは!?」
「あ,ビーサンっすよ!」
「・・・・」
「ビーチサンダル,ですね☆」
「あのなー,薬品がこぼれるとか,道具が落ちてくるとか,イロイロあるかもしれないだろ,ソレだと怪我するだろ」
「はい!すみません!」

ユースケくんはハッキリとした口調で返事をして,翌週はビーチサンダルを履いてきませんでした.
その代わりに今度は麦わら帽子を被ってきましたが.

そんな調子で,アレの次はコレ,コレの次はソレ,という調子で全6回の化学実験が完了しましたが,彼もユキさんと同じく,北里キャンパスナビゲーターの活動に参加していたので,それ以降も現在まで楽しくおつきあいが続いております.

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ユースケくんはイベントや日常生活をたくさんの写真に残してくれました.
それだけでなく,たくさんの写真,彼自身が撮影したものも,それ以外のものも,すべてを共用パソコンの中に整理して保存してくれていました.

こういうのは誰かがやらないと困ったことになるのですが,彼は率先してこの面倒な作業をやってくれていました.
しかもマイ・ルールを押しつけることもなく.

卒業が近づいた時期,彼が福祉の仕事を選んだと聞き,彼らしい選択をしたと思ったことを今も覚えています.

なお,彼が卒業して,予想通り,共用パソコンは困った状態になっております.

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じぶんの結婚式も撮影する新郎

互いに補いあう二人の人生

この2人が相思相愛の関係にあると知ったとき,正直なところ,私には まったく理解できませんでした.それはもう まったく.

でも,中庭の緑を背景に二人がこの会場に入ってきたとき,ユースケくんがユキさんの手をとって入ってくる姿をみたとき,私にはようやく理解できました.
どこに向かうかわからない,あのユキさんに,ハンドルが付いた!!

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ハンドル and アクセル

二人を待っている未来

さて,アクセルとハンドルが揃ったN川号は,どこに向かうのでしょうか?
これから先に何が待っているのか,未来を予想することはとても難しく,おそらく不可能です.
だから,未来がどうなるのか,と考えるのではなく,二人で二人の未来をどのような形にしたいのかを決めて,二人の人生を建設して行ってください.
人生は与えられるものではなく,自ら建設して行くものだからです.

二人の人生が素晴らしいものになることを確信しています.
本日はこうしたおめでたい場にお招きいただき,ありがとうございました.
本当に おめでとうございます☆

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以上,スピーチの内容,だいたいこんなかんじでした.
なお,このスピーチは,新郎新婦のテキトーな性格のため諸般の事情により,ほぼ完全にアドリブでやらされやりました.この経緯については次のページ後半で説明します.

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