「もしこれが学生時代にあったら」
と感じるものがいろいろあります.
その一つがドキュメントスキャナです.
もしも私が大学1年生の頃にドキュメントスキャナが普及していたなら,私はこれまでに自分自身で目を通してきた様々な印刷物やメモを電子ファイルにしてきたことでしょう.
また,保管スペースの都合でこれまでに処分してきた様々な紙媒体に記された情報を,今の私は苦労することなく再利用し,今の私にとって必要な情報源として活用していることでしょう.
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大学教員&科学研究者という職業では,専門書やら実験手順書やら説明書やら,とにかく山のような紙媒体を読み続け,参照し続ける必要があります.
すべてを手元に残すことが物理的に不可能なため,それら多くの情報は物理的に捨て去ってきました.
「それは,あの本の,あのあたりに書いてあったような気がする」
というような記憶が残っていても,「あの本」はすでに手元にない,ということがこれまでに何度もありました.
捨てずに取ってある「選ばれた」本だけで数百冊あるというのにです.
その一方で,これら数百冊の本の大半は,一冊まるごと必要というわけではありません.
数百ページの本のうち,次に目を通すことになるのは数ページ,多くても十ページ程度でしょう.
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こうした状況から何とか脱出しようと決意し,数年前から私は,蔵書をスキャンして電子ファイルにし,コンピュータで管理することにしています.
特に今年の秋には建物の引っ越しがあるので,それまでに荷物を減らさなければならない状況にあります.
段ボール箱の中から書籍を取りだしては,裁断機で解体し,ドキュメントスキャナで電子ファイル化を進めています.
キーワード検索すると,意外な資料の中にヒットする項目があったりします.裁断解体してしまった後の紙束は書籍として使うことはできなくなりますが,そこから抜き出された情報はこれからも再利用されて行く可能性が高くなります.電子ファイル化は資料の価値を高めてくれる方法です.
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大学卒業までの間に購入する教科書や参考書,配付されるプリント,そして自筆のノート.単位を取得したら捨てて行くという人もいるでしょうし,教科書だけ本棚に残しておくという人もいるでしょう.1年生の前期からすべてをスキャンして行けば,あとで関連事項をちょっと知りたくなったときに役に立つかもしれません.
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