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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

実験レポートで「方法」と「結果」をうまく分けて書けない場合にはこうすればOK

おことわり *1

この記事では実験実習科目を履修する大学1年生を読者として想定しています.

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実験レポートでは「目的」,「方法」,「結果」,「考察」,「参考文献」を分けて書くのが「おやくそく」になっています.

ここで,実験テーマによっては「方法」と「結果」を分けて書くのが難しく感じる場合があります.

2つの例を挙げてみます.

1 もしもこうなったらこうする/ああなったらああする

実験書にはこう書かれている↓

箱のフタを開けて,中にネコがいれば魚を,イヌがいれば肉をエサとして与える.エサを与えた後の動物の反応を観察する.

実際に進めた実験はこんな具合だった↓

  1. あなたは箱のフタを開けた
  2. あなたは箱の中にイヌがいることを見いだした
  3. あなたはイヌに肉を与えた
  4. あなたから肉をもらったイヌはワンワンワンと吠えた.
  5. あなたは「イヌがワンワンワンと吠えた」と実験ノートに記録した.

ここで実験書を丸写ししたヒトがレポートにこういうことを書いてくることがあります.

コレはダメな例.

[方法] 箱のフタを開けて,中にネコがいれば魚を,イヌがいれば肉を与えた.

なんでダメかっていうと,あなたはネコには会っていないのだから,「中にネコがいれば魚を」やった,と書いたら,やってもいない「ウソ」を書くことになっちゃうからです.

「あなたがやった方法」にはネコは登場しないのです.登場するのはイヌだけ.

っていうわけで,こんな書き方をする人が出て来るわけです↓

[方法] 箱のフタを開けたら,中にイヌがいた.イヌに肉を与えた.

コレもダメです.

なんでダメかっていうと,「何をやったらどうだった」ってのは「方法」じゃなくて「結果」に書くのが「おやくそく」だからです.

「中にイヌがいた.」っていうのは,フタを開けるっていう操作をやってみた「結果」としてわかったことですよね?

だったら「方法」に書いたらダメで,書くとしたら「結果」になるのです.

じゃ,どのように書けばいいのかっていうと,たとえばこんな感じ↓

[方法] フタを開けて箱の中の動物がイヌかネコなのかを判別した.箱の中にいたイヌに肉を与えた.
[結果] フタを開けたところ,箱の中にいた動物がイヌであることがわかった.イヌに肉を与えたところイヌは〜

もっと簡潔に書くとしたらこんな感じ↓

[方法] フタを開け,箱の中にいたイヌに肉を与えた.
[結果] イヌに肉を与えたところイヌは〜

実験書を読んで「こうなった場合にはコレ,そうなった場合にはソレ」っていうパターンに出会った時には,その実験についてレポートに書くとき,こんな調子に対応してください.

2 こうなったらこうする

実験書にはこう書かれている↓

箱のフタを開けて中にいるイヌに肉をエサとして与える.エサを与えた後のイヌの反応を観察する.

この場合,箱の中にイヌがいることは実験前からわかっていることなので,「箱の中にはイヌがいた.」などとレポートにわざわざ書く必要はありません.

こう書けばOK↓

[方法] フタを開けて箱の中のイヌに肉を与えた.
[結果] 肉を与えられたイヌは〜

実験書を読んで「こうなることがわかっている.その次はソレ」っていうパターンに出会った時には,こんな調子に対応してください.

これで例えば「A液をB液に加えたときに沈殿が生じたらこうする.」と「A液をB液に加えたときに沈殿が生じるかどうかを確かめる.」のそれぞれについて,方法と結果の書き方が違うの,わかったよね?

*1:追記:2014-09-05