Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

沖縄物産店で買って来た食材と,うま味の化学

f:id:takahikonojima:20140208162446j:plain
町田のスイパラ*1に行くときは「ぽっぽ町田」っていう複合施設の駐車場を利用していて,そこの1階に沖縄産の商品とか沖縄限定販売品とかを扱ってる「沖縄宝島」っていう店があって,先月の終わりにそこで食べ物をイロイロ買ってきました.

大きな地図で見る

「イカ墨じゅ〜しぃの素」は,お米といっしょに炊き込むとイカスミで黒くなった炊き込みご飯ができる調味料.
f:id:takahikonojima:20140208162501j:plain
パッケージに「※写真は調理例です」って書かれていたものの,何をどれくらい加えれば調理例みたいになるのかわからず,何も加えずに作ってみたらちょっと寂しくなりました.味は寂しくなかったけどね.
f:id:takahikonojima:20140208162513j:plain
「沖縄そば」は沖縄限定販売のインスタントラーメン.鰹だしが効いていました.沖縄の工場で作ってるのかどうかは不明.煮卵と豚角煮を入れてみたけど沖縄でそういう組み合わせにするかどうかは不明.

うま味の化学

沖縄料理には鰹だしが効いているものが多くて,コレの主成分は「イノシン酸」です.
f:id:takahikonojima:20140208162528p:plain
「イノシン酸」は「うま味」のモトになってる化合物で,他には昆布に含まれてる「L-グルタミン酸」とかシイタケに含まれてる「グアニン酸」なんかも「うま味」のモトになってます.
f:id:takahikonojima:20140208162542p:plain
L-グルタミン酸にはD-グルタミン酸っていうエナンチオマー*2があって,人間の舌が「うま味」を感じるのはL-グルタミン酸だけ.D-グルタミン酸をなめてみたことはないけど*3

グアニル酸はRNAの材料になってる4種類の化合物のひとつ.L-グルタミン酸は蛋白質の材料になってる20種類の化合物の一つ.たまたま,どちらも人間の舌は「うま味」を感じます.有機化合物と生命現象との関わりについての身近な例です.しかし,そのくわしい仕組みは,2014年の時点で,よくわかっていません.

f:id:takahikonojima:20140208165145j:plain
↑春は近い.オリオンビール「いちばん桜」.

*1:1480円でケーキ食べ放題の店.数ヶ月に1回行く.

*2:鏡像異性体とも呼ぶ.右手と左手みたいに,互いに重ね合わせることができない構造のこと.高校の化学の教科書には「光学異性体」って書いてあるけど,それはガラパゴス化してる我が国の学習指導要領がアレだからであって,2014年の大学生になったら「光学異性体」なんて言わない.

*3:試薬棚の薬品を口に入れてはいけません.