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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(23)酸素を含む有機化合物その1

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キーワード

アルコール,アルデヒド,エステル,エーテル,価数(アルコールの),カルボニル化合物,カルボニル基,カルボン酸,級数(アルコールの),共鳴,ケトン,酵母,ザイツェフ則,酸無水物,発酵,フェノール類

今回でてきた有機化合物で,構造と名前を覚えておかなければならないもの(すでに登場したものも含む)

アセトアルデヒド,アセトン,安息香酸,エタノール,エチレングリコール,ギ酸,グリセリン,グルコース,m-クレゾール,酢酸,ジエチルエーテル,シュウ酸,フェノール,t-ブチルアルコール,2-プロパノール,無水酢酸,メタノール

事前配布資料

前回の講義終了時に予習用の資料を配付しました.コレがテキストになってます.

講義内容要約

  • 酸素を含む有機化合物の構造パターン6種類のうち5種類の紹介:アルコールR-OH,エーテルR-O-R',アルデヒドR-CHO,ケトンR-(C=O)-R',カルボン酸R-COOH'.
  • 分子内に-OHを1個もつのが1価アルコール,2個だと2価アルコール,3価だと3価アルコール.コレをアルコールの価数という.
  • メタノールを基準に考えて,-OHの付いたCのHが1個炭化水素に変わると第一級アルコール,2個変わると第二級アルコール,3個変わると第三級アルコール.メタノールは第一級に含める.
  • ベンゼン環に-OHが直結した構造をもつ有機化合物がフェノール類で,アルコールとは化学的性質が違うから別グループとして考える.
  • メタノールはCOと水素から,炭素数2以上の工業用アルコールはアルケンへの水付加,酒類用アルコールはデンプンの発酵により製造されている.
  • アルコールを脱水するとエーテルやアルケンが得られる.
  • アルコールから水分子が取れてアルケンが生じるとき,-OHの付いたCの隣のCに付いたHが一緒に取れるんだけど,隣と言っても両隣があって,どっちのCかというと,もともともっているHの数が少ない方のCからHが取れやすい.コレをザイツェフ則という.
  • そういうのは完全にどっちか片方だけ得られるっていうわけじゃなくて,反応が終わってみると目的物の他に副生成物もできていて,分けるのがタイヘンっていうことも珍しくないから合成化学やってる人々はタイヘン.
  • 第一級アルコールをおだやかに酸化するとアルデヒドに,アルデヒドを酸化するとカルボン酸になる.カルボン酸もアルデヒドも還元するとアルコールになる.
  • 第二級アルコールを酸化するとケトンになる.
  • 第三級アルコールは酸化されにくい.
  • ベンゼン環をもつアルコールを酸化すると安息香酸になる.

関連トピック

香水の化学

大分県別府市にある,大分香りの博物館を紹介しました.よい香りのする物質の多くはアルデヒド,ケトン,アルコール,エステルといった酸素を含む有機化合物を主成分とします.天然から芳香成分を得る際,植物からだけでなく,動物の体内から取り出されるものもあります.代表的な香料源と,それらをもつ生き物について説明しました.

世界史を変えた有機化合物:アセトン

第一次世界大戦中,アセトンは貴重な軍需物資でした.爆薬を製造するためにはアセトンが大量に必要だったからです.しかし,当時の技術ではアセトンを大量に製造することができませんでした.この要請に応えたのがイギリスのユダヤ人化学者ヴァイツマンでした.彼はバクテリアを用いる発酵技術によってアセトンを安価に大量生産可能としました.その見返りに彼が大英帝国から受け取った報酬は,母国建設のための土地でした.この土地が現在のイスラエルとなり,彼はその初代大統領を務めました.アセトンは世界史を変えた有機化合物の一つです.

確認問題

  • アルコール類の反応に関する基本問題.

出席者数推移

(1)44→(2)44→(3)43→(4)44→(5)43→(6)43→(7)42→
(8)43→(9)43→(10)41→(11)43→(12)43→(13)42→(14)41→
(16)41→(17)29→(18)35→(19)36→(20)35→(21)37→
(22)32→(23)-

次回予告

「(23)酸素を含む有機化合物」を学びます.2回に分けて学ぶ1回目.配布物で予習してくること.

有機化学のSNS/web連動企画を始めたよ!

このブログを書いている人


野島高彦(@Takahiko NOJIMA)はこういう人 - 大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)

はじめて学ぶ化学

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参考書籍

有機電子論解説―有機化学の基礎

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マクマリー有機化学〈中〉

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  • 作者: マクマリー,John McMurry,伊東〓,児玉三明,荻野敏夫,深澤義正,通元夫
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図解でわかる 有機化学のしくみ

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