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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科2014年度後期試験問題と解答

医療工2014

2015年1月9日(金)の4限に行われた医療工学科対象「化学」後期試験の問題と解答を公開します.

[1]〜[8]の中から,5問を選んで解答用紙に解答せよ.いずれも20点の配点である.5問を超えて解答した場合,正答していれば通年成績に加算する.

[1] 以下の有機化合物(1)〜(28)の中から,石油化学基礎製品をすべて選び,番号とそれぞれの名称を答えよ.解答欄を全て使うとは限らない.
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(5) エチレン (エテンも可),(6) プロピレン (プロペンも可),(8) 1,3-ブタジエン (ブタジエンも可),(17) ベンゼン,(18) トルエン,(21) o-キシレン (オルトキシレンも可),(22) m-キシレン (メタキシレンも可),(23) p-キシレン (パラキシレンも可)

[2] 次のポリマー(1)〜(3)を合成する際に原料となるモノマーの名称構造式すべて記せ.
(1) 6-ナイロン
(2) ポリアクリロニトリル
(3) ポリエチレンテレフタラート

(1) ε-カプロラクタム (カプロラクタムも可),(2) アクリロニトリル,(3) エチレングリコール (1.2-エタンジオールも可),テレフタル酸
構造式は省略.

[3] 以下の有機化学反応(1)〜(4)において生成する化合物の名称構造式すべて記せ.反応は完全に進行するものとする.
(1) アセトンを還元 →
(2) アクリロニトリルを付加重合 →
(3) メタノールとサリチル酸を脱水縮合 →
(4) 酢酸エチル + アンモニア →

(1) 2-プロパノール (イソプロピルアルコールも可),(2) ポリアクリロニトリル,(3) サリチル酸メチル,(4) アセトアミド,エタノール(エチルアルコールも可)
構造式は省略.

[4] 塩化マグネシウムMgCl2は20 °Cにおいて100 gの水に54.3 g溶解する.この温度において,200 gの水に溶解可能な塩化マグネシウム六水和物MgCl2・6H2Oの質量は何gか.MgCl2のモル質量は95.2 g mol-1,H2Oのモル質量は18.0 g mol-1とせよ.

604g.第16回確認問題(2)の数値を変えて出題.
溶解可能な六水和物の質量をxとすると,ここに含まれるMgCl2およびH2Oの質量は以下のとおり.
MgCl2: 95.2x/{(6)(18.0)+95.2} = 0.4685x
H2O: (6)(18.0)x/ {(6)(18.0)+95.2} = 0.5315x
したがって以下の関係が成り立つ.
0.4685x/(200 + 0.5315x) = 54.3/100
ここからxを求めると以下のようになる.
x = 604 g

[5] 血液に含まれるアルブミンは,モル質量が6.5×104 g mol-1の蛋白質である.アルブミンを質量/体積パーセント濃度8.0 %で含む水が,25 °Cにおいて示す浸透圧は何mmHgか.気体定数はR = 8.31 J K-1 mol-1とし,760 mmHg = 1.01×105 Pa,0 °C = 273 Kとして計算せよ.

23 mmHg.第7回確認問題と同一問題.

[6] 標高0 mにおける酸素の分圧と同じ大きさの酸素の分圧を,富士山の頂上において示す空気ボンベを準備する場合を考える.標高0 mにおける気圧は1013 hPa,頂上における気圧は660 hPaとし,いずれの標高においても空気は体積の比率で20 %の酸素O2と80 %の窒素N2から構成されるものと考える.原子量はNを14.0,Oを16.0とせよ.
問1 体積の比率で何%の酸素をボンベに充填する必要があるか.
問2 問1の比率で空気をボンベに充填したところ,ボンベの質量が1.1 kg増加した.このうち酸素が占める質量は何gか.

31 %,3.7×102 g.前期試験[5]と同一問題.

[7] 市販の食酢に含まれる酢酸CH3COOHの濃度を,中和滴定によって求めることにした.まず市販の食酢を10分の1に希釈した.この希釈液10.0 mLを,100 mmol L-1の水酸化ナトリウムNaOH水溶液で滴定したところ,7.55 mLを要した.市販の食酢中の酢酸のモル濃度質量パーセント濃度を求めよ.なお,この食酢の密度は1.012 g cm-3であった.酢酸のモル質量は60.0 g mol-1とせよ.食酢中に含まれる酸は酢酸だけとする.

7.55×10-1 mol L-1,4.48 %.第18回確認問題と同じ問題.

[8] 反応速度に関する以下の問に答えよ.
問1 オキシドールを用いて患部を殺菌する際,過酸化水素の分解速度は次の微分方程式であらわされる.
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ここで時間tにおける過酸化水素の存在量をC,速度定数をkとしてある.t = 0における過酸化水素の存在量をC0,自然対数の底をeとするとき,以下の関係式が成り立つことを,上記の微分方程式を解くことによって導き出せ.
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問2 上記関係式からn半減期後において次の関係が成り立つことを示せ.
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省略.前期模擬問題[6]と同一問題.