前期試験についての説明
前期試験の得点分布と合格率(75 %)を説明しました.
前期試験略解と採点基準概略を配布しました.
後期試験範囲には前期試験範囲も入るので,できなかったところをできる状態にしておくこと.
後期化学講義の計画についての説明
シラバスどおりに進めます.最終的には第29回「2024年の化学」で1年間のストーリーが完結する設計になっています.
第21回目から有機化合物のオンパレードになるので,その準備として試験範囲となる有機化合物の一覧を公開しました.
ここには100個の有機化合物がリスト化されており,「名前と構造とのセット」を全て覚えれば後期試験で40点の得点が可能です.また,講義において有機化学反応を説明するときも,この中の化合物を優先してとりあげます.
キーワード
イオン化,イオン反応式,凝固点降下,凝固点降下度,強電解質,結晶化,結晶水,再結晶,結石,弱電解質,蒸気圧降下,水和,水和水,水和物,束一性,沈殿,電解質,電離,非電解質,沸点上昇,沸点上昇度,不凍液,飽和濃度,無水物,モル凝固点降下,モル沸点上昇,溶解,溶解度.
講義内容要約
- 食塩が水に溶けるときはNa+とCl-にイオン化し,それぞれが水分子に取り囲まれる.水中でイオン化する溶質は電解質.
- 砂糖が水に溶けるときは砂糖分子が水分子に取り囲まれる.水中でイオン化しない溶質は非電解質.
- ほぼ完全に電離するのが強電解質,部分的に電離するのが弱電離質,電離しないのが非電解質.
- 似たものどうしはよく溶ける/よく混ざり合う.
- 100 gの溶媒に溶ける溶質の量をグラムであらわしたときの数値部分が溶解度.
- 溶解度には温度依存性があり,それを利用すると再結晶による精製ができる.
- 水和した水分子が結晶の中に含まれているのが結晶水で,結晶水を含む結晶が水和物,含まなければ無水物.
- 電解質を混ぜてイオンどうしをシャッフルして水に溶けない組み合わせが一つでもできれば沈殿が生じる.
- 何が溶けているか,ではなくて,粒子が何コ溶けているか,で決まる性質が束一性.蒸気圧効果,沸点上昇,凝固点降下,などなど.
関連トピック
- 尿道結石
- リン酸イオンとカルシウムイオンが混ざると水に溶けにくい結晶ができて,その結晶がチクチク尖った形をしているので痛い.
- キッチンで食塩の結晶をつくる
- 食塩と水道水で飽和食塩水をつくっておいて,ここから岩塩みたいな食塩のかたまりをつくる方法.夏休みの自由研究にオススメ.サイコロみたいなのを1個だけ作るのはむずかしい.
確認テスト
出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている
・2がよくわかりませんでした.
・難しかったです.
・ざせつです.
・ざせつ泣
・ぼけてます.
・後期もがんばります.
・後期も欠席遅刻しない!
・久しぶりの計算,難しいです.自信ない...
・朝起きるのがつらかったです.
プールに塩素めちゃくちゃいっぱい入れたら海水に入ったときと同じような水のとびかたしますか?
そうは行かない.塩素も気化するから.
どうして沸騰するとき水底から気泡が出るのですか? 気泡内の蒸気圧が外圧より小さいと気泡はつぶれますが,外圧は水圧の関係で水底より液面付近の方が小さいので上の方で気泡ができはじめてもよいのではないでしょうか?
下から加熱してるからでは?
味噌汁つくるのに先に味噌入れれば沸点上昇で早くできますか
沸騰させるための時間を短くしたいんだったら逆効果.料理は具材を入れる順番が完成度に関係するから,味付け関係の順番は動かさないのがオススメ.
蒸気圧降下の説明でフタをすると言う表現をしていたのですが,希薄溶液なのでフタをするほど溶質は溶けていないように思います.
水分子が抜けた後に溶質分子が来るとフタが増える.それがだんだん繰り返されてくる.そのうちに希薄溶液ではなくなってくる.
何かの水溶液に,その溶質とは別の物質を溶かしたときは飽和濃度は下がりますか.
下がることが多い.全ての場合において下がるとは言いがたい.溶質同士の相互作用が溶解度に関係する可能性もあるから.
出席者数推移
(1)89→(2)89→(3)87→(4)80→(5)79→(6)75→(7)79→
(8)73→(9)74→(10)74→(11)78→(12)75→(13)71→(14)76→
(16)76→
次回予告と予習内容
「(17)透析と浸透圧」を学びます.教科書第13章を予習してくること.