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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(8)モルと化学反応式

医療工2014

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キーワード

mol,アボガドロ数,アボガドロ定数,化学反応式,原子量,式量,質量保存則,生成物,反応物,標準状態,物質量,モル質量,モル体積,分子量

講義内容の要約

  • 小さな粒子をひとまとめにして扱うときに使うSI基本単位がmolで,量の種類は物質量.
  • 1 molの定義は12 gちょうどの12Cに含まれるC原子の数.ただしこの定義は早ければ今年の11月に変わる可能性あり.
  • 粒子の個数と物質量を結ぶのがアボガドロ定数NA = 6.02・・・×1023 mol-1で,コレは実測値.
  • 1 molの質量がモル質量.
  • モル質量の数値部分が原子量,分子量,あるいは式量.
  • 化学式を組み合わせて化学反応をあらわすのが化学反応式
  • 反応する前の材料が反応物,反応で生じる物質が生成物.
  • 化学反応式の係数つりあわせには未定係数法が便利.
  • 種類を問わず1 molの気体は標準状態(0 ℃,1013 hPa)で22.4 Lの体積を占める→標準状態における気体のモル体積は22.4 L mol-1
  • 化学反応式から反応の前後における物質の量的関係がわかる→何個か何モルか何リットルか何グラムか.
  • 化学反応の前後で原子の種類と数は変わらない→化学反応は原子と原子の組み合わせが変わるだけ.

該当する教科書のページ

第5章「化学反応式とモル」,49ページから64ページ.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

日本国の国家予算をモルで考えると

1 molの1円玉があったら何ができるでしょうか? 国家予算との比を計算してみました.
2014年度の日本国国家予算(一般会計)は95兆8823億円(9.59×1013円)です.

6.02×1023円をこの金額で割ってみます.
(6.02×1023)/(9.59×1013) = 6.28×109
63億倍になります.6.02×1023個の1円玉があれば,我が国の一般会計を63億年間維持することができるのです.
次に地球スケールで考えてみました.
地球上の海水の質量は1.35×1024 gと見積もられています.コレを6.02×1023 gで割ってみましょう.
(1.35×1024 g)/(6.02×1023 g) = 2.24
地球上の海水の4割強の重さになります.

確認問題


出席者の声:みんなはこういうことを考えている/感じている/知りたいと思っている

●教科書p62の例題5.11の化学反応式の生成物H2Oの係数が違う気がするのですが.

2です.すみません.

●最後に出て来た有効数字9桁のアボガドロ定数の下2桁が物理の教科書と違ったので測定方法が違うためだと思いましたが測定方法が同じなら9桁くらいは同じになりますか?

8桁目〜9桁目あたりは誤差があるから同じにはならない.

●アボガドロ定数が何故半端な数なのかがずっと疑問だったので知れてよかった.
●単位計算がんばります
●復習します
●先生! 今日はちこくしなかったよ!
●有効数字がまだよく分かってないのでしっかり慣れたいと思います.
●自分が何してるのかわからなくなる
●一瞬固まったが最後までできてよかった
●分からないのがくやしい.
●・・・なぜできないんだ・・・
●モル計算は高校のとき好きだったので楽しかったです.
●先生は眠いとき寝ると言っていたので今日は軽く寝てしまった.
●密度はめんどくさいけど次回やる濃度もめんどくさいのでがんばりたい.密度と濃度が両方出てくるとややこしいです.
●次は自分の苦手な濃度計算になるのでしっかり勉強していきます.
●次回の濃度についてもしっかり予習してきます.
●化学についての知識が深まりました.

出席者数推移

(1)89→(2)89→(3)87→(4)80→(5)79→(6)75→(7)79→(8)73

次回予告と予習

「濃度の表し方」を学びます.教科書の66ページから78ページを読み,例題を解いておくこと.また,計算問題の予習プリントに取り組んで来ること.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

初歩的参考書

モルがまったくダメな人にはこういう入門書もあります↓

マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー (ブルーバックス)

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