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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(7)化学反応式とモル

看護2012

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履修登録38名,出席36名,出席率95 %.

キーワード

アボガドロ定数,化学反応式,原子量,式量,質量保存の法則,生成物,反応物,標準状態,物質量,未定係数法,モル,モル質量,モル体積,分子量

講義内容の要約

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  • 小さな粒子をひとまとめにして扱うときに使うSI基本単位がmolで,量の種類は物質量
  • 粒子の個数と物質量を結ぶのがアボガドロ定数NA = 6.02×1023 mol-1で,実測値
  • 1 molの質量がモル質量
  • モル質量の数値部分が原子量,分子量,あるいは式量
  • 化学式を組み合わせて化学反応をあらわすのが化学反応式
  • 化学反応式の係数つりあわせには未定係数法が便利
  • 種類を問わず1 molの気体は標準状態(0 ℃,1013 hPa)で22.4 Lの体積を占める→標準状態における気体のモル体積は22.4 L mol-1
  • 化学反応式から反応の前後における物質の量的関係がわかる

該当する教科書のページ

第5章,49ページから64ページ

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

 

参考書籍

モルがまったくダメな人にはこういう入門書もあります↓

トピック(1):日本国の国家予算をモルで考えると

1 molの1円玉があったら何ができるでしょうか? 国家予算との比を計算してみました.

2012年度の日本国国家予算(一般会計)は90兆3339億円(9.03×109円)です.

1 mol円をこの金額で割ってみます.

(6.02×1023)/(9.03×109) = 6.66×109

66億倍になります.1 molの1円玉があれば,我が国の一般会計を66億年間維持することができるのです.

次に地球スケールで考えてみました.

地球上の海水の質量は1.35×1024 gと見積もられています.コレを6.02×1023 gで割ってみましょう.

(1.35×1024 g)/(6.02×1023 g) = 2.24

地球上の海水の4割強の重さになります.

トピック(2):アボガドロ定数の精密測定

物理量に依存していない唯一のSI単位「キログラム」が再定義されようとしています.フランスに保管されている「キログラム原器」に依存するのをやめて,原子の個数と質量とから計算する方法を採用しようとしているのです.そのためにはアボガドロ定数を精密に測定する技術が必要です.ここには日本の研究機関も大きく貢献しています.

確認問題

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コメントと質問

●molがわかると質量,体積,標準状態,個数がわかる! スッキリした.●モルきらいだったけどなんとか授業はついていけてよかったです.次もがんばる・・・●物質量にピンとこなくなった自分.molだったのか●おひさしぶりのモル.●6×1023ってすごい大きな数なんだなぁと思いました.●嫌いなモルでした.でも頑張ります!人間,すごい単位を追い求めてますね・・・●kgの定義が意外とアナログで驚きました.何気なく使っているkgも色々大変なんですね.●次回の濃度計算がイヤです(笑)●予習ちゃんとしなきゃと思いました●濃度がすごく嫌いです.次の講義で好きになれたらと思います.●molがずっと苦手できらいだったけれど,今日で理解できました.でもまだ慣れないのでしっかり復習したいです.●アボガドロ定数むずかしかったです.●次回の濃度は本当に苦手なので,しっかり理解できるようにがんばります!●生化学わからなすぎです.●有効数字にはまだ少しとまどいを覚えていますが,単位を残すことでキレイに計算できるのがかなり気持ちいいです.●まだなんとか大丈夫.●モル苦手です.問題が難しいです.●久しぶりのモル!!ここはまだわかるので次回の予習をちゃんTPやりたい.●アボガトロ定数について特に何も考えてなかったけど,1円玉に例えたらとんでもなく大きい数だとわかりびっくりしました.●受験で化学を使ったが記憶が薄れてきているので週末に復習してみたいと思う.●モルの必要性がよくわかりました.●少しは理解できた!次回もがんばります.●わかりやすくmolについての復習ができました.

●有効数字がわかりません.

教科書の189ページから191ページに書いておきましたので,まずコレを読んでください.

●分子量と式量の違いがよくわかりません.

H2OとかH2みたいに分子になっている物質については分子量,NaClとかNa+のように分子でも原子でもないものについては式量と言葉を使い分けます.

次回予告

「(8)濃度のあらわしかた」を学びます.以下の予習+課題に自主的に取り組んでから講義に出席すること.

次回までの課題

リンク

www.tnojima.net
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